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異例の抜擢! ドラマ主題歌&エンディングを担当する川口レイジ「“奴隷”は一つ、絶対的なキーワードだった」

  • 2020.2.12
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2019年7月にEP「Daparture」でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライター、川口レイジ。国内外のトップクリエイターと共に生み出した楽曲は、一般的なJ-POPとは一線を画す仕上がりで音楽ファンの注目を集めている。そんな彼が2月12日に1stシングル「I’m a slave fore you」をリリース。タイトル曲およびカップリングの1曲「STOP」は、現在放送中のドラマ「この男は人生最大の過ちです」(ABCテレビ・テレビ朝日)の主題歌&エンディングテーマとなっており、彼にとっては初のタイアップに挑戦した意欲作でもある。今回のインタビューでは本作の制作秘話のほか、デビュー前のエピソード、さらには3月に行われる初ワンマンライブまで全てを語り尽くしてもらった。

【写真を見る】「ドラマに負けない強さを楽曲にも出そうと思いました」と話す川口

「この男は人生最大の過ちです」主題歌&エンディングを担当した川口レイジ
撮影=二瓶彩

自分の居場所はこうやって作るんだってことを音楽で知りました

――メジャーデビューから約半年が経ちましたが、ご自身の心境や周りの環境に変化はありましたか?

川口:僕が音楽を本気で目指すようになったきっかけが、もともと学校でもちょっと浮いていたというか、周囲とバランスを取るのが難しいなと思ったことだったんです。学生時代、小学生の頃は剣道、中学校に入ってから高校2年のときに怪我をするまでずっと野球をやっていて、スポーツにしか興味がないような感じで。いろんなことでコミュニケーションを取りながら人間関係を築くというのが苦手だったんです。だから、自分の周りに人が集まってくるとか、そういうことがなかったんですけど、ストリートライブを始めたとき、自分が歌うと全然知らない人たちが集まって来てくれて、僕にとっては大きなコミュニティーができたというか。自分の居場所はこうやって作るんだっていう、その手段を音楽を通して知ることができたので、こんなふうに生きていけたらいいなと思ったのが始まりだったんです。それで、アマチュアのときはずっと路上やライブハウスで歌ったり、自分の歌を動画サイトにアップするという活動を続けていたんですけど、今のレーベルと育成契約を結ばせてもらったタイミングで、曲を作るために一旦それらの活動を全て休止したんです。その間は、それまで僕の音楽を聴いてくれた人たちの顔も見えない状態だったのが、デビューしたら、ライブやSNSのメッセージを通してファンの皆さんの存在が感じられるようになって。当時の感覚というか、自分が歌う意味というのがまた少しずつ目覚めてきて、今はとても充実した日々を過ごせています。

――デビュー前のお話も少しおうかがいしたいのですが、川口さんが音楽に興味を持ったきっかけは何だったのですか?

川口:父親の遺品のクラシックギターを手にしたことです。それと同じくらいの時期に学校でギターとマンドリンとマンドラで三重奏をする授業があって、たまたまクジ引きでギター担当になったことで自分でも弾くようになりました。そこから友達と一緒に演奏をしたり、カバー曲ですけど自分の演奏を動画サイトにアップするようになっていったんです。

――どのタイミングでオリジナル曲を作るようになったんですか?

川口:自分で曲を作れるんだって思ったのは、シンガー・ソングライターの友達が作っていたのを見てからなんです。そのとき初めて、曲って自分で作れるんだ!と思って(笑)。その頃には動画サイトへの投稿以外にストリートライブなどもやっていて、お客さんが集まってくれるようになっていたんです。そうすると、オリジナルが聴きたいですという声も増えてきて…。じゃあ、作ってみようかって感じで作り始めたんです。

――また、資料によると、レーベルとの育成契約を機に上京された川口さんは、東京とロサンゼルスを行き来しながら音楽制作に励まれていたとか。それにはどういった経緯があったんですか?

川口:最初は東京で曲作りをしていたんです。でも、それまで見よう見まねでやってきたこともあって、どうやって作ったらいいのか分からないところがあって。もちろん、たまたまいい曲ができることもあったんですけど、デビューするには一定以上のクオリティーの曲を量産していかなきゃいけないので、そのためにはどうすればいいのかが全く分からなかったんです。困っていたときにスタッフさんから、ロスで現地のミュージシャンとセッションしながら曲を作る機会があるというお話をいただいて。すぐにパスポート取りに行きます!って(笑)。そこから2〜3週間行って帰ってというのを断続的に続けていました。

――川口さんの音楽がJ-POPの枠にとらわれない音になっているのは、そういった経験も大きいんですね。

川口:もともとJ-POPとか洋楽とかのような線引きをする必要もないのかなと思っていて。僕自身のJ-POPを聴いて育ったカルチャーと、いろんな国のクリエイターの方たちのカルチャーが混ざって、見たことのない景色にいけたらいいなと思いながら、毎回曲作りをしています。

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デビュー後「とても充実した日々を過ごせています」と川口
撮影=二瓶彩

ドラマに負けない強さを楽曲にも出そうと思いました

――今回リリースされるシングル「I’m a slave for you」は、放送中のドラマ「この男は人生最大の過ちです」の主題歌とエンディングテーマです。主題歌のお話を聞いたときの心境を教えてください。

川口:僕よりも家族が一番驚いていました。僕がシンガーソングライターになりたいというのも、基本的に親は絶対無理!って感じで反対していたんです。だから、デビューが決まったときも驚いてましたし、今回も主題歌!?って(笑)。逆に僕の方は、(タイアップを)経験したこともないし、実感も全くありませんでした。むしろ、そのときは、どうしたらいいんだろう?というので頭がいっぱいでした。

――どんなふうに作っていったんですか?

川口:まずは原作を読み込みました。スマホで読んでいたので気になった場面をスクショしたり、キーワードになる台詞を書き出したり。そうやっていろんな要素を集めていきました。

――タイトル曲の「I’m a slave for you」も、和訳すると「私はあなたの奴隷です」。かなり刺激的ですよね。

川口:そうですね。これは速水もこみちさん演じる主人公・天城恭一の台詞を元にしました。冒頭シーンから「僕を奴隷にしてください」という台詞が登場するなど、この作品は全編にわたってパワーワードやハッとする瞬間、展開がすごく多くて。それに負けちゃいけないなという気持ちがあったんです(笑)。なので、「I’m a slave for you」というフレーズをサビの頭にしたり、タイトルにすることによって、ドラマにも負けない強さを出したいなと思いました。

――2曲目の「STOP」がドラマのエンディングテーマですが、実は当初、川口さんが担当するのは主題歌だけの予定だったそうですね。

川口:そうなんです。ドラマサイドに提出する際、やっぱり何曲か提案したいなと思って。ドラマで描かれる要素が多いこともあって、切り口を変えたり、視点を微妙にズラしたりしたものを何曲か作って提案したところ、「STOP」もいいねってなったんです。

――「STOP」にも<奴隷>という言葉が入っているのは、そのためですか?

川口:はい。“奴隷”は一つ、絶対的なキーワードだったので。何曲か作った中でも、2曲には入れようと決めていました。

――言葉のイメージや強さもあって、普段作る曲では使いづらそうですが、こういう作品だからこそっていうのがあったんですか?

川口:そうですね…。でも、人間っていろんな意味で何かの奴隷だったりすると思うんです。趣味とかもそうだし、例えば、音楽を聴いていたら体が動いちゃうとか、お肉があったら絶対食べちゃうとか(笑)。自分の過去の恋愛や友達に聞いた話でも、相手のインスタグラムをすごい見ちゃうことってあるし(笑)。そういうのをいろいろ集めて、ドラマの物語と僕自身との共通項を探して、そこから歌詞に反映していく感じでした。

――ちなみに、歌詞の中で一番自分らしいフレーズはどのあたりになりますか?

川口:「STOP」の方では、好きな女性が手に入らないときの葛藤を表そうと思って書いたんですけど、特に<このままじゃ 今ここで 抱きしめてしまいそうだよ>っていうのは自分の感情に近いかもしれません。タイトル曲「I’m a slave for you」の方は、「STOP」よりももっと“奴隷根性”というか(笑)、“M心”みたいなものを強めに出していて。その中でも<抗わないで>というところで、相手にちょっと向かっていくところも表してみたり。そういう“隙あらば”みたいな部分は、自分と似ているかなと思います(笑)。

――初めてのドラマ主題歌に挑戦してみていかがでしたか?

川口:今回経験してみて、とても(自分に)向いているなと思いました。今まで自分の中から出てきたものだけで作っていましたけど、そうすると、どうしても世間とはズレが生じるところにいってしまう可能性もあると思うんです。でも、ドラマのタイアップは、例えば原作があるものは原作が支持されているからこそドラマ化されるわけで、世間とのバランスがいい作品が多いと思うんです。そういうものに自分がインスピレーションを受けて曲を作ることによって、自分の個性と大衆性の親和性が高くなるような気がするんです。実際、今回作った曲も今までにない、僕にとっても新鮮に思えるものになったので、できればこれからもどんどん挑戦していきたいなと思っています。

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主題歌を担当すると聞いた際、自分よりも家族が一番驚いていたそう
撮影=二瓶彩

現実では恥ずかしいようなことも歌にすれば緩和される気がするんです

――また、今作に収録されている「MOVIE」「Be mine」についても聞かせてください。

川口:「MOVIE」の歌詞、どうでしたか?

――歌詞の世界の情景が目に浮かぶような気がして、とても素敵でした。でも、そうおっしゃるのはどうしてでしょう?

川口:「MOVIE」の歌詞は99.5%くらいが日本語だったので。僕の曲の中でも珍しいことなんです。今の僕に日本語で伝える力がどれくらいあるんだろう?と、自分でも疑問に思っているから気になっちゃって…。

――すごく良かったです。「MOVIE」はどういったところから生まれた楽曲になるんですか?

川口:この曲を作るとき、ちょうど観たい映画があったんです。でも、全然行く時間がなくて…。映画行きたいなぁと思ったのがきっかけで、「あ、“MOVIE”って題材で何か作ろうかな」って(笑)。歌詞の内容の方は、この曲に限らず結構行き当たりばったりに書いていることが多いんです。Aメロから順に当てはめていって、AメロがこうなったからBメロはこういう展開にしよう、AメロとBメロがこうなったからサビはこうしたらいいんじゃないかとか。テトリスみたいな感じなんです(笑)。その中で一貫性が出てくると面白いかなと思って書いています。

――そんなふうに書いていく中で、自分でも意外に思えるようなフレーズが出てきたりもするんですか?

川口:あります。特に「Be mine」は、こんなこと歌って恥ずかしくないのかな、自分はって思ったりします(笑)。でも、歌だったら緩和されるしという思いもあるので。

――歌だからこそ言えることもあるっていう。

川口:そうなんです。<Will you be mine mine mine?>って何回言うんだろうって(笑)。この曲は、僕のデビューEP「Departure」に収録されている「R.O.C.K.M.E. ft. Marty James」という曲の続編をイメージして書きました。ダンスホールのような場所で出会った女性に対する想いを、「R.O.C.K.M.E.―」のときはまだせめぎ合っている感じだったのが、「Be mine」ではつかみにいくというか。「R.O.C.K.M.E.―」からちょっと物語が進んでいる感じに作っています。また、ライブで盛り上がれたらいいなという思いも込めています。

――ライブといえば、3月27日に初めてワンマンライブが行われます。どういったライブにしたいですか?

川口:僕の今のライブスタイルは、ストリートライブではギター弾き語りで、配信サイトではピアノ弾き語り、イベントなどのステージではバンド編成という感じで、いろんな種類があるんです。今回は初めてのワンマンということで、そういうさまざまな要素を取り入れた構成にしようと思っているので、ぜひよろしくお願いします!(ザテレビジョン)

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