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【台湾】おばあちゃんの味こそが究極の味。台北で出会った理想の台湾料理店〈元鍋3.0〉。

  • 2020.2.12
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台湾へ訪れる日本人が右肩上がりでもうすぐ200万人に手が届くという。これからも日本人で台湾旅行をリピートする人も増えていくだろう。そんな人の悩みは夕食の場所。小籠包も一通り名店に行ったし、夜市も屋台も一通り体験した。しかもせっかくの台湾だ、滞在中、一度は素敵なお店に行きたい!と思っている人も少なくないはずだ。地元で愛される素敵なお店に行ってみたい、そんな迷い解決してくれるのが昨年オープン25年を迎えた台湾料理店〈元鍋3.0〉だろうか。数ある台湾のガイドブックにもほとんど掲載されていない、あなたの「人には教えたくない秘密にしたい」お店の一つになるかもしれない。

台湾料理はお酒に合う!

お店の扉を開ければ真っ先に目に入るのが見事なお酒のセラーだ。

シャンパンも数種類、ワイン、クラフトビールなどもぎっしりと収められている。町中の料理屋さんの冷蔵庫とはちょっと違う様相だ。この〈元鍋〉は台北で「もっともお酒の種類が多い」台湾料理店を自負している。もとは25年前に当時レコード業界に勤めていたオーナーの楊進元さんが始めた鍋料理さんだった。移転と共にインテリアは俳優をしている長男のアイディアで、まるでフレチレストランのようなヨーロピアン調にリニューアルした。そこでサーブされるのは「正統派」の台湾料理。お店の名前〈元鍋3.0〉の3.0とはお店の「発展」を意味している。1.0は25年前の鍋屋さんとしての形、2.0はそこに好評だったまかないとして食べていた、オーナーのお母さんの台湾料理を加えた形として。そして3.0は四川料理も加わって台湾料理屋さんとして本格的に始動したという意味があるそうだ。個性あふれる〈元鍋〉でぜひ、試していただきたい台湾料理を作っていただいた。

おばあちゃんの味が店のシグニチャーに。

日本だとお酒、お料理、締めとなるけれど、台湾の場合、なぜか「締め」のご飯や麺類が真っ先に出てくる。お酒を飲みながらの食事が少ない台湾ならではの習慣なのかもしれない。台湾オムレツや鶏湯(鶏スープ)といったオーソドックスなメニュー構成なのだが、カラスミは軽く燻製をかけてスモーキーな味話で特有の臭みをなくし、青菜の炒めは数種の葉物を使って歯ごたえの印象が変わる。鶏湯は青唐辛子の隠し味が深い味を引き出している。見た目の派手さはないが、ちょっとした工夫が印象深い一皿へと変化させる。お酒好きにとって何より嬉しいのが、台湾の居酒屋「熱炒」だと料理に合ったワインはほとんど望めないが、ここにはシャンパンをはじめ15〜20種のワイン、ビールは20種、日本酒が常備されている。実は野菜、肉などの素材の旨味を大切にしている台湾家庭料理、実はお酒に合うメニューが多いのだ。メニューのどれを注文してもお酒との相性もピッタリ。実は台湾料理店でお酒を飲みながら料理を楽しめるのはとても希少。それもそのはず、夜の部ともなれば楊さんはグラス片手にお客さんと気さくに「交流」を心がける。回るテーブルの先々でお客様と乾杯を交わす声と笑い声が聞こえてくる。お酒好きなオーナーだからこそ、酒飲みの気持ちを理解しているのだ。

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左奥から、オイスター台湾風オムレツ320元、手前台湾風豚肉の焼き物250元、ホウレンソウと台湾レタスの炒め物240元。

手間暇惜しまずが作る美味しさ。

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お酒のおつまみで出てくるおつまみも自家製。ピーナツは毎日、キッチンで煎られて出される。

昼間は近所のビジネスランチで、夜は遅くまでお酒を楽しむ人で賑わう〈元鍋〉。最近では楊さんの娘のBrenda Yangさんも共にキッチンに接客にと忙しい。〈元鍋〉のルーツは楊さんのお母さま伝承のレシピだ。Brendaさんは高校生の時からお店の料理を食べて過ごし、おばあちゃん直伝で料理を教わった心強い後継者だ。おつまみに出されるピーナツは毎日キッチンで煎られたものを出し、人気メニューの「ピータンの炒め」はピータンを一度揚げてから味付けをするという独自の調理法だ。こうして楊家のレシピは祖母から父、そして孫へと着実にキャッチボールされている。よく理想の旅とは「暮らすように」と言われるが、パリでもNYでも旅行者が家庭の味を食する機会は少ない。日本時代に日本の家庭料理の影響を受けたと言われる台湾料理は、まだまだいく店ごとに店が守っているそれぞれの家庭の味が体験できる。まさに、その土地の暮らしに触れられる絶好の機会なのだ。次回の台湾での夜ご飯は楊家のおばあちゃんの味に挑戦してみてはいかがでしょうか。

〈元鍋〉

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娘のBrendaさんと息子が俳優のイケメンパパ、楊さん。

台北市莊敬路178巷12號
02-2723-2111
12:00〜14:30、17:30〜23:00 日、月休み

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