マット・デイモン×クリスチャン・ベイルで魅せる『フォードvsフェラーリ』【今月のプロ押し映画！】

世界三大カー・レースの一つ「ル・マン24時間耐久レース」の実話を、マット・デイモンとクリスチャン・ベールのがっぷり四つに組んだ共演でみせる。アメリカのフォード社は、若者受けする車を作るべく、イタリアのフェラーリ社の買収に乗り出して失敗。1966年には、“最高の車”作りを、アメリカ人初のル・マン優勝者でカー・デザイナーに転向したキャロル・シェルビー（マット）に依頼した。心臓病の悪化が原因でレーサー生活から足を洗ったシェルビーは、車の整備工場を税金が払えずにたたんだ英国人ドライバーのケン・マイルズ（クリスチャン）を雇い、そこから最高のレースカー作りが始まる。映画はこの二人の車に対する愛着と執着、レースにかける情熱を描きながら、そこに水を差すフォード社の重役の悪意の邪魔を見せ、同時にマイルズと息子ピーターの父子の情愛をも描いていく。車に興味がなくても引き込まれてしまうのは、ジェームズ・マンゴールド監督の車作りに賭ける男たちの情熱の描き方の巧さゆえだ。レース・シーンも大迫力で息を飲む。

『フォードvsフェラーリ』絶賛公開中

配給: ウォルト・ディズニー・ジャパン

Sachiko Watanabe