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自宅はシェアハウス!?現代フランス貴族の「人生&恋愛観」

  • 2020.2.7
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現在フランスに、3,000家族(約15万人)存在するという“貴族”。現代社会で、彼らはどのような生活を送っているのでしょう--。

そんな疑問をもとに、11世紀まで遡るフランスの貴族の家系シャボ・トラムクール家に生まれ、現在ロレアルで国際リテール&Eコマース・プロジェクト・マネジャーとして働く、ディアンヌ・デ・シャボ・トラムクールさんを直撃。

パリの美術館プチパレの中にあるミュージアムカフェ「ル・ジャルダン・デュ・プチパレ」で、始終快活な様子で取材に応じてくれました。彼女が語る、現代フランスでのミレニアル世代の貴族事情とは…?

はじめに、ディアンヌさんの家系について教えてください。

フランス中西部のシャボ家出身の貴族と、北仏パ=ド=カレー県にルーツを持つトラムクール家の出身者が婚姻を結び、現在の私の苗字シャボ・トラムクールとなりました。

現在、祖父母は北フランスのパ=デ=カレー地方の小さなお城に住んでいます。また、同じ地域に、叔父が規模の大きなお城を所有しています。

一族で集まるのは、年に一度。フランスや世界各地に住む、同じ家系の人々が100人ほど集まるんです! キャリア、子育てなど、様々なことを相談して協力し合い、絆を深めます。他にも、家系内の家族同士で手作り料理を持ち寄って、ホームパーティを開いて楽しむこともあります。

現代社会において、貴族出身であることは、ディアンヌさんにとって、どのようなことを意味しますか。

“貴族”という概念は、現在社会で生活するうえでは、ほとんど存在しません。今日では、多くの貴族の家系出身者が社会で仕事を持っています。私も、自分が受け取るお給料の範囲で節約し、できる限り毎日を満喫できるよう心がけています。

たとえば旅行に行くときはお得な飛行機のチケットを探して、民泊を楽しみます。それにパリは家賃が高いので、現在はシェアハウスに住んでいるんですよ。

昔の社会は貴族同士の繋がりを重んじていましたが、実際私には貴族家系の出身でない友人のほうが多いです。一緒に笑いあえて信頼できる友人、また、無償に深く愛しあえる人と結婚することが、私にとって一番大切です。

昔の貴族とライフスタイルや生き方は大きく変わったようですが、逆に「変わらないこと」はありますか?

唯一ずっと色褪せずに残っているのが、家系が何世紀にもわたって大切にしてきた“精神性”。「信頼してもらえる人間であるよう責任感を持つこと」、「誠実でいること」などですね。

一般的に歴史上の貴族は、“国に仕える”という忠誠心がありました。たとえば私は、フランスの歴史や食、豊かな芸術文化を愛していて、フランスという国に生まれたことに感謝しています。だから、海外に行くときも、フランス人としての自覚を持ち、正しい行動をできる人間でありたいと思っています。

また、自立がすべての基礎だと思っています。自分で働き、その仕事に値する報酬をもらう。これらは、時代が変わるなかで代々私の家が守り続けてきた精神です。

貴族出身の女性として、どのようなことを引き継いでいますか。

母や祖母からは「美」、そして「エレガンス」を教わりました。

祖母は、1960年代に<フランス版ヴォーグ>の共同編集長として働いていました。彼女はいつも、ファッションやイベントの話、様々なアーティストと一緒に仕事をしたエピソードなど、夢の世界のような話を聞かせてくれました。

母からは、美しい場所には実際に足を運んで美を五感でたのしむこと、日常の生活だけでなく広い世界を知ること、オープンマインドでいることの大切さを学びました。

ディアンヌさんの日常を教えてください。

フランス語には「メトロ・ビュロー・ドゥドゥ」という表現があります。これは、「メトロ・仕事・帰宅して寝る」だけの生活スタイルを指す言葉ですが、そういった単調な毎日は避け、できる限り人生を満喫できるようアクティブに行動しています。

たとえば仕事後は、友人と街中のレストランで食事やアペロをしに出かけたり、ホームパーティを開いたり。週末は、映画館や美術館に行ったり、夜はイベントに参加して踊り、ストレスを発散することも♡

最後に、ディアンヌさんが大切にしている生き方について教えてください。

キャリアを築いて自立した女性でいること、プライベートでは大好きな人達と一緒に楽しい時間を過ごすこと、そして旅をすることが、私にとって最大の幸せ。

現代社会における貴族たちは、このように「自分らしい生き方」を求めて暮らす傾向にあると思います。

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