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ビリー・アイリッシュ、自身の曲の歌詞は「フィクション」だけど「嘘」ではない

  • 2020.2.7
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今年のグラミー賞で主要4部門を総なめにしたシンガーのビリー・アイリッシュが、自身を含む人気アーティストの楽曲の歌詞に潜む「嘘」と良質な「フィクション」の違いについて熱弁。(フロントロウ編集部)

嘘だらけの歌詞にもの申す

米現地時間1月26日に授賞式が開催された第62回グラミー賞で、弱冠18歳にして主要4部門を含む5冠を達成して全世界に驚きと衝撃を与えたビリー・アイリッシュ。現代を生きる若者の悩みや社会問題を独特の切り口で表現し、多くの先輩アーティストからもその音楽性を高く評価されるビリーが、表紙を飾った米Vogueのインタビューで曲の歌詞へのこだわりを熱く語った。

じつは、ビリーの楽曲の歌詞の内容はほとんど、兄で音楽プロデューサーのフィニアス・オコネルと一緒に作り上げた「フィクション」。しかし、フィクションといっても適当におもしろおかしく書いているわけではなく、兄と一緒にストーリーの主人公の人物像を考えるところからスタートして、“この曲を通して何を伝えたいのか”という明確な目的を持って書くことを重視しているという。

例えば、今年のグラミー賞で年間最優秀楽曲賞と年間最優秀レコード賞を受賞した大ヒットシングル「バッド・ガイ(Bad Guy)」について、ビリーは「他人から一目置かれるような存在になりたくて、自分を大きく見せようとする人たちっているよね」というところからはじまり、「私はヤバイし、いつもルールばかり破ってるって言ってる奴にかぎって、実際は全然そうじゃない」という“あるある”を盛り込んだストーリーに仕立て上げたことを、米ラジオ局KIIS FMの番組に出演した際に語っている。

さらに、ビリーは今の世の中はただ嘘を並べただけの楽曲であふれているとしたうえで、とくにヒップホップ系の楽曲にそういった傾向がよく見られると指摘すると、「現実の話じゃないからといって、そこに書かれている内容が重要じゃないわけではない。(ちゃんと考えて作られた)ストーリーとただの嘘ではまったく意味が違う」とチクリ。「『AK-47(銃の種類)を手に入れたぜ』はぁ?そもそも銃なんか持ってないくせに。『俺のビッチたちが…』どのビッチのことを言ってんの?って感じ。それは自分を良い風に見せようと気取ってるだけ。私がやっていることとは違う」と、歌詞の内容に強いこだわりを持つビリーならではの率直な意見を語った。

ちなみに、今回の発言はヒップホップ業界や特定のラッパーに対する嫌悪感や批判からきたものではなく、あくまでわかりやすい例としてヒップホップを持ち出しただけで、ビリー自身、ドレイクやデンゼル・カリー、ヴィンス・ステイプルズといったラッパーのファンで、よくインスピレーションを受けていることを公言している。(フロントロウ編集部)

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