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イギリスのEU離脱で脅かされうる「女性たちの権利」

  • 2020.2.6
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1月31日(現地時間)に正式にEUを離脱し、現在は11カ月間の移行期間に入っているイギリス。2016年6月に国民投票によってブレグジット(EU離脱)が決定してからというもの、難航する交渉や次々に変わっていく状況に、1316日間にわたって世界中の人々を困惑させてきました。

ブレグジットに伴なって発生しうる様々な課題の1つとして挙げられているのが、女性たちへの影響。離脱によって、イギリスでの女性の権利にどんな変化が起こりうるのかを、コスモポリタン イギリス版からお届けします。

EUによって守られてきた"権利"からの離脱

<ニューヨークタイムズ誌>に寄稿したブリストル大学のロベルタ・ゲリナ教授の見解によると、「イギリスでの女性に対する権利は、EU法によって守られてきた」とのこと。

イギリスで取り入れられてきた、育児休暇制度、セクシュアル・ハラスメントの法規制、性差別禁止法は、すべてEUによって展開されてきたものなのだとか。

たとえば、1992年にEUからイギリスに下された「母性保護に関する指令」。この指令によって、妊娠中または出産直後の母親たちの職場での安全衛生を守る対策が、イギリスで初めて立てられました。

このように「EUはイギリスでの女性の権利、男女平等を推進する上で、重要な役割を果たしてきた」と、ゲリナ教授。

ジョンソン新政権の動向

それではブレグジットの実現後にEU法が適用されなくなると、イギリスでの女性の権利のあり方にどのような影響があるのでしょうか?

2019年6月に辞任したテリーザ・メイ前首相は、EU法に則った女性権利の保護をEU離脱の条件として含めました。しかし、新首相であるボリス・ジョンソン氏は「その条件はテリーザ・メイの“意向”であって法的には有効でない」という声明を発表。

EU法に則った女性権利の保護をしないのであれば、ジョンソン政権が新たに女性の権利に関する方針を打ち出すことを待つのみ。しかし、これまでのジョンソン首相の動向をみている限り、先行きは思わしくない様子。

ジョンソン首相は過去に「男女間賃金格差報告」の必要性に反対票を投じたり、ジェンダー・ギャップ政策に対して不在票だったことも。

<ニューヨークタイムズ誌>のグプタ記者は、「ブレグジットによって、これまで守られてきた女性の権利が白紙になり、女性が弱者となる状況が続く可能性もある」と指摘。

この移行期間中に、女性の権利に関する法整備にスポットライトが当てられるのか、注目が集まります。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: Aryung Kim

COSMOPOLITAN UK

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