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「私なんて…」が口癖は危険!?インポスター症候群って?

  • 2020.1.28
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責任ある立場や役割を任された時や、自分の成果を褒められた時に心から喜べないなんてことありますか? 思い当たる人は「インポスター症候群」の傾向があるのかも。エマ・ワトソンなど海外セレブにも多いこの傾向について心理学の専門家、晴香葉子さんに教えてもらいました。

「インポスター症候群」とは?

「臨床心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによって1978年に提唱された概念から、客観的に成功しているという証拠があるにも関わらず、本人は虚偽感や無価値観を抱き、他者を欺いていると感じる心の体験のことを『インポスター現象』『インポスター体験』と呼ぶようになりました。即病気ということではないのですが、共通してよくみられる一連の状態は『インポスター症候群』と呼ばれています」

よく見られる傾向は?

「主に自分に対しての自信の無さから、ネガティブな思考に陥る傾向があります。例えば、成功体験を自分自身の成果として受け入れず、自分以外の他の要因によるものだと感じたり、現在の自身の地位が不安定だと感じさらにこれ以上成功できないと考えてしまう…などがあります。

また、他者からの期待に応えられないことに恐怖心や不安を持っていたり、自分自身の評価が低く、高いレベルを要求し努力しているにも関わらず、足りない部分に意識が向いてしまい、さらに追いつめた考えを持ってしまうことも挙げられます。

インポスター症候群は、客観的には成功していると見られているのに、自分では成功しているという感覚を体験できません。せっかく周りが評価をしてくれても、実際の能力ではなく過大評価されていると感じやすく、評価してくれている人を騙していると感じてしまい、見破られることを恐れてしまうのです」

原因は?

「一概に環境が原因とは言えませんが、幼少期の家庭環境が影響することもあると考えられています例えば、兄弟や親族に客観的に『優秀だ』と思われている人がいる中で、自分自身も家族から『優秀だ』と評価されている場合。『あの人ほど優秀ではない』と、自分が感じている能力と周りからの評価の不一致を感じてしまう可能性があります。

また、家族から『あなたは完璧』と言われながら育って行く中で、完璧にはいかない現実が訪れた時に自分の能力に疑いを持つようになることも。親が知的能力を重視した教育方針で、さらに過保護である場合も、自分の能力に疑問を持ちやすくなることがあるようです。 。

また家庭環境の他にも、社会的なアファーマティブ・アクション(社会的不平等是正のため、制度的にマイノリティを優遇する措置)も原因のひとつと言われています。男性社会の中の女性、学歴社会における低学歴者、人種差別のある中でのマイノリティなどが、本当な実力で得た成功であるのに、自分の能力ではなく、社会的なアファーマティブ・アクションや運の良さによるものだと感じてしまうケースもあります」

克服する方法は?

「すでに十分頑張っている 自分自身を認めてあげることが大切です。寝る前に『今日も十分頑張った!』と声に出して、自分を褒めてあげるなど小さいことでも大丈夫。この時に意識してほしいのは、頭の中で褒めるのではなく、声に出したり文字で書くことです。仕事や資格などでもらった賞状やトロフィーを飾ることも効果的。頭で思い描くより、もっと成功を自覚できるようになります。このように、小さな達成感を積み重ねることが、自信へとつながります。

また、周りから成果を認められたときは否定せずに『ありがとうございます』と褒めてくれた相手に感謝をしましょう。相手の言葉をそのまま受け取りやすくなりますし、相手も『伝えてよかった』と思ってくれるので、良好な人間関係にもつながります。

そしてミスや失敗についても考えすぎないようにしましょう。失敗は仕事をする上で『あり得るもの』として考え、ステップアップするためのプロセスとして受け入れることが大切です。人間である以上いつも完璧とはいかないもの。失敗談を打ち明けてみると、話した相手との関係性が強まることが実感できるものですよ」

周りが気をつけたり、症状に気づくために知っておくべきことは?

「このような傾向の高い人は、完璧主義で頑張り屋さん。周りからは『あの人は大丈夫』と思われてしまっていることも多く、インポスター症候群の傾向があっても気付かれず、エスカレートしてしまうことも。『褒められたときに困った顔をしている』『褒められた後に暗い表情をしている』といった様子があれば、少し気をつけてあげたほうがいいかもしれません。

インポスター症候群の傾向にある人に対しては、『私はあなたを認めている』と伝えることが大切です。ただし過度に褒めても、お世辞だととらえたり、かえって不安にして しまう可能性もあるので、褒めるというよりは承認していることを伝えてみてください。 『このまえの資料、きれいにまとまっていたね』『この企画は着眼点がよかったよ』など、具体的に言葉にするといいでしょう。

インポスター症候群は病気ではありません。ただし、症状が悪化すると不安や抑うつを感じてしまう人もいますから、少しずつ考えをポジティブにできるようコントロールしましょう」

あなたの「インポスター症候群」の傾向をチェック

※6つ以上の人は要注意!

□人から褒められても素直に喜べない□一般的に、高いキャリアや高学歴に含まれる□「頑張りすぎ」を指摘されたことがある□人よりも長い時間働いている□成功しても自分のせいではないと思う□自分はもっと頑張るべきだし、頑張ればもっとできるのにと思う□失敗をするのが怖い□自分自身に満足することができない□人から真面目だと言われる□成功したことや自慢話を誰かにすることはない□自分自身に対して苛立つことがある

今回お話を伺ったのは…

晴香葉子さん (はるかようこ・作家/心理学者/心理コンサルタント)東京都出身。早稲田大学オープンカレッジ講師。企業での就労経験を経て心理学の道へ。研究を続けながら、広くビジネスシーンや日常生活に役立つ情報を様々な角度から提供。執筆、講演、監修などの活動を続けている。著書『人生には、こうして奇跡が起きる』(青春出版社)他多数。

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