1. トップ
  2. 恋愛
  3. 不動産投資詐欺に遭わないために。典型的な手口&回避策をFPが徹底解説

不動産投資詐欺に遭わないために。典型的な手口&回避策をFPが徹底解説

  • 2020.1.28
  • 747 views

一般的に、不動産投資は所有している物件を賃貸して収入を得る投資方法です。不動産という特性上、初期投資が大きくなりやすいため、「高額な資金を費やした結果、詐欺に遭ったらどうしよう…」と不安に感じている人がいるのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産投資詐欺に遭わないために、典型的な手口と回避策についてご紹介します。不動産投資を始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産投資詐欺の手口とは

不動産投資詐欺の手口には様々なものがあります。ここでは、いくつか詐欺の手口についてご紹介しましょう。

  • マンション利回り詐欺
  • 手付金詐欺
  • 満室詐欺
  • デート商法
  • 告知詐欺
手口①:マンション利回り詐欺

業者からおすすめされたの高利回りの物件。非常に収益性が高いとおすすめされましたが、実は利回り詐欺であったという事例です。不動産投資物件を購入する際の選定基準は様々ありますが、利回り(=収益性)は非常に重要な項目です。

しかし、利回り詐欺で提示された数字は想定家賃を高く設定していたり、経費を一切考慮していない計算であったりするのです。そのため、実際に不動産投資を始めると、高利回りどころか収支マイナスで手出しが出てしまうケースがあります。

手口②:手付金詐欺

「手付金を支払えば物件を押さえることができますよ」などと説明され、手付金として預けたお金を持ち逃げされてしまう手付金詐欺。物件の引渡し前に連絡が取れなくなってしまい、物件も手に入らないという状況になってしまいます。

複数人に同様の手口を使い、手付金としてお金を受け取っていることがあります。

手口③:満室詐欺

物件が満室であるかのように装って販売する満室詐欺。販売しているときだけ業者の関係者などが仮住まいすることなどにより、満室に見せかけているのです。業者の目的は物件を売却することですから、売却後は退去が続出します。

また、実際は空室であるのにカーテンをかけておくなどによって、満室を表現していることがあります。

手口④:デート商法

恋人関係のように親密な関係を築き、物件購入をさせたあとに音信不通となるのがデート商法です。「あなたとの将来を考えて、一緒に住む物件を購入しない?」などと話を持ち掛け、相手を物件購入へと導くのが特徴です。

購入した物件は、到底収益が望めない物件であったというケースもあるようです。「相手ともっと親密になりたい」という気持ちを利用した詐欺手法です。

手口⑤:告知詐欺

物件のマイナス要素を隠し、購入希望者が質問したことに対しても虚偽の回答をして購入をさせる告知詐欺。過去に事件・事故があったことを隠したり、建物の修繕履歴を偽ったりするなど、買主の購入意思決定に影響を与える情報を隠す・偽ることが特徴です。

買主は事実を知らずに購入するため、後々トラブルに発展してしまう可能性が高いでしょう。

不動産投資詐欺の見分け方

上記のように、不動産投資詐欺には様々な種類があります。詐欺の被害に遭わないためには、事前に不動産投資詐欺であるかを見極めることが大切です。ここでは、不動産投資詐欺の見分け方について解説します。

  • 利回りの種類
  • 実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう
  • 会社の経営実態を確認する
  • メリットしか言わない業者は要注意!
  • 購入判断を急かす業者に注意
利回りの種類

不動産投資では、賃貸収入を得るための物件選定が非常に重要です。購入する物件を選ぶ基準の中でも、利回りを重視している人は多いのではないでしょうか。

通常、不動産会社が作成している物件資料に掲載されている利回りは「表面利回り」です。しかし、実際に資金計画を立てる上で重要なのは「実質利回り」でしょう。両者の違いを下記に簡単にまとめました。

  • 表面利回り…想定年間家賃収入÷購入価格
  • 実質利回り…(想定年間家賃収入-諸経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)

計算式からわかるように、表面利回りは「1年間に想定される家賃収入」と「購入価格」のみで計算されています。しかし、不動産を購入する際には登記費用などの諸費用がかかり、運用が始まってからも管理料などの諸経費がかかります。

業者が提示している利回りの数字はどのような計算方法で算出されているかを見極めましょう。

実際に運用した時のシミュレーションを作成してもらう

不動産投資詐欺である場合、見栄えがよくなるように数値を変えていたり、一部の項目を抜いていたりするなど、きちんとシミュレーションを作成していないことがあります。

詐欺業者のシミュレーションでは儲かる内容となっていたとしても、実際に運用してみると収支がマイナスになってしまう物件も存在するのです。不動産投資を行う上では、様々なリスクを考慮しておくべきでしょう。

実際に運用した時のシミュレーションを作成することで、物件を購入するときの判断に役立ちます。

会社の経営実態を確認する

不動産投資詐欺を行う人・グループの中には、架空の会社名を名乗っていることがあります。少しでも不審な点を感じたら、会社名や事務所の住所・電話番号、所属している団体(宅建協会など)などを調べましょう。

メリットしか言わない業者は要注意!

メリットばかりを推し続け、デメリットを一切言わない業者であれば注意してください。不動産投資にはメリット・デメリットの両面があります。投資において、「絶対に儲かる」「必ず損はしない」ということはあり得ません。

デメリットや注意点など、ネガティブな要素をはぐらかす詐欺まがいな業者とのやり取りには十分に注意しましょう。

購入判断を急かす業者に注意
  • このマンションは、すぐに手付金を払わないと他の人に取られてしまいますよ。
  • あなたがワンルームマンションを買わないのであれば他の購入希望者がすぐに買ってしまいますよ。
  • 人気物件だけど、あなただから特別に紹介しているのです。今買わなければ他の人にも紹介してしまいますよ。
  • 今買わないと損します。

上記のように、業者がしつこく購入判断を急かしてくるようでしたら注意が必要です。物件のネガティブな情報を気付かれないよう、あえて購入の検討をする時間を与えないようにしている可能性があるからです。

不動産投資詐欺の対処法

誰でも詐欺の被害には遭いたくないですよね。しかし、万が一不動産投資詐欺の被害に遭ってしまったらどうしたらよいでしょうか。ここでは、不動産投資詐欺の対処法について解説します。

[adsense_middle]

行政の相談窓口を利用する
  • 消費生活センター
  • 警察相談専用電話(#9110)

上記は、不動産投資詐欺に限らず相談ができる窓口です。「まだ詐欺と決まったわけではないけど、不安…」という人でも気軽に相談してみましょう。

警察相談専用電話(#9110)は、皆さんご存知の110番と異なり、緊急性の低い相談内容の相談も可能です。相談内容によっては、問題に適した窓口を紹介してくれることがあります。不動産投資詐欺に遭ったかもしれないと悩む人は、まず行政の相談窓口に連絡してみましょう。

宅建協会など業者の所属団体に相談する

詐欺の相手が不動産会社の場合、宅建協会などの所属団体に相談することも有効でしょう。場合によっては、弁済してもらえる可能性も。どの団体に所属しているかは、不動産会社の会社概要もしくは所属団体のWebサイトなどから確認することが可能です。

免許行政庁に連絡する

宅建業の免許が発行されている会社が宅建業法に違反する行為を行っている場合は、宅建業の免許を発行している免許行政庁に連絡しましょう。免許行政庁は国土交通省・各都道府県のいずれかです。

弁護士に相談する

法律のプロである弁護士に相談するのも1つの対処法です。弁護士に依頼する場合は費用がかかりますが、詐欺被害に遭ったことが確実であれば専門家に依頼することが解決への近道となる可能性があります。

弁護士によって得意分野・不得意分野がありますので、不動産関係に強い弁護士に依頼することをおすすめします。

不動産投資詐欺の回避策

不動産投資詐欺を行う人・グループは詐欺のプロ。「不動産を高値で売却する」「高額な資金を回収する」などの目的のために様々な手段を使っています。また、勧誘する際の話術も巧みで相手をその気にさせる技術に長けている可能性があります。

そこで、この項目では不動産投資詐欺を回避する方法について解説します。何か不審に感じる点があれば、参考にしてみてください。

  • 複数の不動産会社を比較検討する
  • 不動産投資に関する知識を身に着ける
  • 契約書類の内容をきちんと確認する
  • 第三者に相談する
  • 安易にお金を渡さない
複数の不動産会社を比較検討する

不動産投資詐欺を回避する1つの方法として、複数の不動産会社を比較検討することが挙げられます。詐欺を働いている人たちは物件を買わせるなどの目的のために大切な情報を隠したり、虚偽の情報を伝えたりしています。

複数の不動産会社を比較検討することで、説明の矛盾点に気がつくことができる可能性が上がるでしょう。なお、「詐欺かもしれない」などと不審に思う点があれば、上記でご紹介した行政の相談窓口に相談してみましょう。

不動産投資に関する知識を身に着ける

不動産投資に関する知識を身に着けることで、詐欺師の言動・行動のおかしな点に気付くことができるでしょう。不動産投資を行うのであれば、ある程度自分で判断できるための知識を身に着けることが必要です。業者の言いなりでは、不動産投資詐欺であることに気付きにくいでしょう。

不動産投資に関連する本を読む、不動産投資家の本・ブログを読む、実績のある不動産会社のセミナーに参加するなどを行い、不動産投資の勉強をすることをおすすめします。

契約書類の内容をきちんと確認する

不動産を購入する場合は、不動産売買契約書などの書類を取り交わします。契約を行う前に、必ず書類の内容を確認しましょう。契約書類の中には不動産用語や法律用語などわかりにくい言葉がたくさん含まれています。

書類の内容がよくわからないという場合には、遠慮せず担当者などに質問しましょう。不動産会社自体が信用できないという場合には、上記の「不動産投資詐欺の対処法」の項目でご紹介した機関などにご相談ください。

第三者に相談する

詐欺被害に遭う人の中には、身近な人や行政機関など第三者に一切相談せずにいた人が少なくありません。不動産投資を行うことを家族などに話しておくと、自分では気付かなかった不審な点を指摘してくれることがあります。

少しでも不安に思うのであれば、相手が急かしてきたとしても第三者に相談しましょう。

安易にお金を渡さない

1度相手にお金を渡してしまうと、回収することが困難になってしまう可能性があります。そのため、通常の不動産取引ではあり得ないタイミングで金銭を要求されたり、契約内容に不審な点があったりするなどの場合は、安易にお金を渡さないようにしましょう。

不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人とは

不動産投資詐欺を行う人は、ある程度ターゲットを絞っていることがあります。ここでは、不動産投資詐欺のターゲットになりやすい人について解説します。

[adsense_middle]

ステータスの高い人

不動産という特性上、販売価格は数千万円・数億円といった高額になることが多くあります。したがって、不動産投資物件を購入するためのローン審査が通りやすい人が狙われることがあります。

医者や上場企業の社員など、金融機関などの融資が通りやすいステータスの高い人がターゲットにされることがあるのです。

はっきりと断れない性格の人

世の中には、はっきりと断れない性格の人がいます。不動産投資詐欺に限らず、詐欺被害に遭う人の中には「あまりにしつこいので根負けして購入してしまった」という人がいるのです。

また、はっきりと断られなければ、業者側から「この人はしつこく営業をすれば言いなりになってくれるかもしれない」と思われてしまう可能性があります。

購入する意思がなければきっぱりと断ったり、はっきり意思を伝えることが難しければ業者からの連絡を絶ったりすることが大切です。

上手い話に信用してしまう人

相手を疑うのはとても心苦しいことです。しかし残念ながら、初めから騙そうと思って近づいてくる人が存在しているのです。不動産投資は成功すれば収益を得られますが、様々なリスクがあることをきちんと理解した上で運用していく必要があります。

したがって、「絶対」「必ず」儲かるということはありません。「この物件を買えば必ず儲かる!」などという言葉は信用しないようにしましょう。

不動産投資に興味のある人は、不動産投資詐欺に注意しよう!

不動産投資では、ある程度自分で判断ができるよう知識を身に着けることが必要不可欠です。業者の言いなりでは、詐欺とまでは言えなくとも収益性の悪い物件を購入することになりかねません。

詐欺を行う人は「騙すプロ」ですから、「自分は絶対に騙されない」などと思わずに回避策や対処法を知っておくと良いでしょう。不動産投資に興味のある人は、詐欺被害に遭わないよう十分に注意してください。

元記事で読む
の記事をもっとみる