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GIVENCHYはロマンティックな英国風ガーデンに着想! 【オートクチュール速報】

  • 2020.1.23
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イギリス人とガーデンは切っても切り離せない関係だ。バーミンガム生まれのクレア・ワイト・ケラーも庭をこよなく愛すイギリス人女性の1人。 "Une Lettre d'Amour(ラブレター)"と題されたジバンシィ(GIVENCHY)のコレクションは、世界中のガーデナーたちから「聖地」と呼ばれる美しいイングリッシュガーデン「シシングハースト・キャッスル・ガーデン」がインスピレーション源になっている。洗練された構造設計と季節の花が色鮮やかに咲き乱れるこの庭園は、作家兼詩人のヴィタ・サックヴィル=ウェスト氏と外交官の夫ハロルド・ニコルソン氏によって造られた。そして今回は、同性ながら恋人関係にあった作家のヴァージニア・ウルフとヴィタとの情熱に満ちたラブレターからも着想を得たという。「イングランドで最もロマンチックな場所の1つでとてもお気に入りなんです」と、クレアは想いを言葉にした。

「これは私からユベール・ド・ジバンシィへのラブレターでもあります。今回のショーに向けて、メゾンが持つ歴史の始まりまで遡りました」。メゾンへのオマージュを語った彼女のインスピレーションボードには、 ユベールがオードリー・ヘプバーンのためにデザインした初期のフラワーレースドレスの写真が貼られていた。そして、 ユベールもまた庭園造りに熱を注いだデザイナーの1人だ。

クレアがオープニングに用意したのは得意とするテイラード。ホワイトのパンツスーツにスマートな細身コートでショーの幕が開き、その後はパンジー、アネモネ、アイリス、マリーゴールドといった美しく生命力に満ちた花々を連想させる豊かな色彩が溢れ出し、花びらのようなボリューム満点のトップスや波打つフリルをレイヤードしたドレスが現れた。その後もショルダーからアーム部分にかけて立体的なかすみ草の刺しゅうが植え付けられたブラックジャケットに3Dのフラワーレースドレスと、精緻で繊細なクチュール技術が光るドリーミーかつロマンチックなフォーマルルックが続く。

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中盤は、オフショルダーの華麗なボールガウンや何層にも重なったチュールドレスとイブニングが連なる。時にブラック&ホワイトのシックなドレスやロング丈のバージャケット、そこからふわりと広がるスカートなど、ユベールのエレガンスが表現されたデザインも入り混じり、まるで時代を交差しているような錯覚を生む。

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とは言え、クレアはモダニティな視点もしっかりと持ち合わせているデザイナーだ。ユベールが1950年代にデザインしたベルのような丸みを帯びたハットはまるでヴェールのようにボディを覆い、ボリューミーなチュールスカートもシースルーレースのトップスで合わせ、多くのドレスには巨大なバックルのベルトをプラスしている。ラストに登場したカイア・ガーバーのウエディングドレスも実に軽やか。ラグジュアリーの中にどこかリゾートらしさも感じさせる、次世代ガールへ向けたモダンなウエディングドレスだった。

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Photos: Gorunway.com Text: Aya Tsuchii

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