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要チェック! 糖尿病初期に見落としがちな「ヘモグロビンA1c」の数値

  • 2015.4.9
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【女性からのご相談】

会社の健康診断で再検査の通知がきました。糖尿病が疑われるとのことでしたが、検査結果を見ても血糖値は正常でした。何かの間違いでしょうか? 仕事も忙しいし、家のこともあるので心配しなくていいなら再検査に行きたくないのです。

●A. 糖尿病初期では空腹時血糖が正常な場合もあります。

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

健康診断の再検査。特に自覚症状がなければ面倒ですよね。初期症状の代表的なものとして、喉が渇く、尿の量と回数が増える、やたらと甘い物が欲しくなるなどが挙げられますが、よほどひどくならない限り痛みや生活に支障が出るほどの自覚症状はでないので、再検査の通知がきたのであれば早急に再検査を受けることが賢明かと思います。

●血糖値とヘモグロビンA1c

血糖値とは脳や筋肉などのエネルギー源として使われる血液中のブドウ糖(血糖)の濃度のことをいいます。血糖値は食事によって変動しますが、すい臓のランゲルハンス島と呼ばれるところから分泌されるインスリンというホルモンによって一定範囲内に保たれるようになっています。

しかし、インスリンの分泌量が少なかったり、分泌されていても十分に働いていなかったりすると、血糖値が高い状態が慢性的に続き、糖尿病ということになります。

一方、ヘモグロビン(Hb)A1cは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、1日を通して血糖値の平均値が高いほど数値が高くなるため、検査前1か月くらいの血糖値の平均が推測できるのです。

●血糖値の変動

健康診断の日は前日の夕食を午後8時か9時までに食べ、当日の朝食は食べないよう指示されることが多いですよね。これは最も安定しているといわれる空腹時血糖を調べるためです。

空腹時の血糖値は正常な場合、110mg/dl未満に保たれていますが、食事をすると30分くらいで上がり始めて90分前後でピークを迎え4時間くらい経過すると食事前の数値に戻ります。

健康な人はピーク時の血糖値でも140mg/dl程度ですが、糖尿病の人はバラつきはあるものの空腹時で125mg/dl以上、食後のピーク時では200mg/dl以上になることもあります。そして特徴的なのはピーク後もなかなか血糖値が下がらず、高血糖状態が続くことです。

●初期では例外も多く見られる

このように通常は空腹時血糖も高くなるのですが、糖尿病初期の場合はまだインスリンがある程度分泌され、ある程度働いてくれるので、健康診断の日のように空腹状態が長く続くと血糖値が正常まで下がることも少なくありません。

ご自身で検査結果の数値を見られるときは、血糖値だけではなくヘモグロビン(Hb)A1cの数値もチェックしてみてください。そしてきちんと再検査を受け、生活習慣の改善をできるだけ早くされることをおすすめします。

【参考リンク】

・当日・前日に行ってはいけないこと | チェカプー

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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