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扶養内のパート主婦必見!損しないための勤務時間&給料をFPが徹底解説

  • 2020.1.13
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パート主婦の方は、損しないように勤務時間や給料を調整したいと考えているかもしれません。本当に得する働き方とは、どのような働き方でしょうか?本記事では、扶養内で働くという意味を説明し、結婚後の女性の働き方について考えてみます。

扶養内で働くとは?

扶養内で働くとは?
出典:国税庁
配偶者特別控除
配偶者特別控除
出典:国税庁

妻が70歳未満の場合、夫が配偶者控除で受けられる控除額は38万円です。また、妻の年間所得が85万円(年収150万円)以下なら、夫は配偶者特別控除で38万円の控除を受けられます。

パート主婦の場合、年収150万円までは、夫が配偶者控除または配偶者特別控除で最大の控除を受けられます。そのため、年収150万円以下なら税法上の扶養と言われます。

令和2年から所得要件は変更になるが年収要件は変わらず
令和2年から所得要件は変更になるが年収要件は変わらず
出典:国税庁

所得とは年収から給与所得控除を差し引きした金額ですが、令和2年以降は給与所得控除が10万円引き下げになります(最低額65万円→55万円)。そのため、夫が最大の控除を受けられる妻の年収が150万円以下なのは変わりません

自分で社会保険に入らなければならない年間収入は?

自分で社会保険に入らなければならない場合、夫の被扶養者になれません。主婦の場合は年間収入がいくらから社会保険に入らなければならないのでしょうか?

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勤務先の社会保険に入らなければならない場合とは?

パートでも次の条件をみたす場合には、勤務先の社会保険に入らなければなりません。

  1. 1週間の勤務時間が20時間以上
  2. 1年以上継続して雇用される予定
  3. 勤務先の従業員数が501人以上
  4. 1か月の給料が8万8,000円以上

収入に関しては月8万8,000円以上が条件になりますが、これは年収で言うと約106万円です。パート主婦も年収106万円を超えると社会保険に入らなければならないケースが出てきます

扶養に入れないなら自分で社会保険に入らざるを得ない

パートで働いている主婦の場合には、勤めている会社の社会保険に入る以外に、夫の社会保険の被扶養者になるという選択があります。夫の被扶養者になるためには、夫の年収の2分の1未満でかつ年収130万円未満でなければなりません。

つまり、年間収入130万円を超えると夫の扶養を出なければならず、仮に500人以下の会社で働いているのだとしても、自分で社会保険に入る必要があります。

社会保険には106万円と130万円の2つの壁がある

社会保険の扶養を出る年収の壁は、106万円と130万円のどちらかになります。106万円を超えると扶養を出なければならないケースがあり、130万円を超えると必ず扶養を出なければならないということです。

税法上は150万円まで扶養内ですが、106万円または130万円を超えると社会保険の扶養は出なければなりません。

雇用保険に入らなければならない場合とは?

雇用保険は労働保険と呼ばれるものの1つで、広義の社会保険に含まれます。パートでも次の条件をみたせば、必ず加入しなければなりません。

  1. 労働時間が週20時間以上
  2. 雇用の見込みが31日以上
雇用保険の毎月の保険料は少ない

雇用保険で労働者の負担する保険料は給料の0.3%程度です。たとえば、給料が10万円の場合300円ですから、負担にはなりません。雇用保険に入るかどうかで労働時間を調整する必要はないと言えるでしょう。

勤務時間や給料は増えすぎない方がいい?

パート主婦が夫の扶養を出ることになると、税金や社会保険の負担が発生し、給料の手取り額が減ることになります。特に社会保険料の負担は大きいので、106万円や130万円といった壁を少し超えただけの年収になってしまうと、働き損のような気がするものです。

社会保険に入って得することもある

今のことだけに目を向けると、社会保険料を払うことになって手取りが減ると損と感じるかもしれません。しかし、社会保険に加入して得することはたくさんあります。

老後に受け取る年金が増える

自分で厚生年金に入れば、国民年金だけでなく厚生年金からも老齢給付がもらえるので、年金受給額が増えます

国民年金や厚生年金は一生涯受け取れる終身年金です。増えた分の年金を生きている限りもらえるということですから、寿命の長い女性は得する可能性が高くなります。

働く上での安心を得られる

健康保険に入っていれば、病気やケガで会社を休んだときに傷病手当金がもらえます。また、出産で会社を休んだときには、出産手当金が支給されます。会社を休んで給料が入って来なくなっても、ある程度の補償が受けられるので安心感があります。

扶養内にとらわれず収入を増やすことを考える

結婚や出産を機にそれまで働いていた仕事をやめ、勤務時間の少ないパート勤務を選ぶ女性は今も少なくありません。しかし、できれば女性も自分の仕事を持ち、自立できるだけの収入を得ることを考えましょう。

キャリアを中断するデメリットは大きい

今はパートでも、将来はまた正社員で働きたいと思っている人もいるかもしれません。しかし、年齢を重ねるにつれ、選べる仕事はどうしても少なくなってしまいます。

せっかく身につけたキャリアを中断させることにはリスクがあります。使っていないスキルが衰える一方で、時代は着実に進歩しています。数年間職場を離れるだけでもついていけなくなることはあります。

リスク回避のためにも自立は必要

夫に経済的に依存している状態にはリスクがあります。対等な夫婦関係のためにも、女性の自立は重要です。

夫婦の信頼関係があるうちは収入の格差があっても対等に意見が言い合えるかもしれません。しかし、夫婦関係がぎくしゃくしてくると、夫が生活費を渡さない経済的DVや、夫が「言うことを聞かなかったら離婚する」と妻を脅すモラハラが起こることがあります。

このような場合、収入の少ない妻は身動きができなくなってしまうことがあります。今は3組に1組が離婚すると言われている時代です。離婚となった場合には、働いて自立できるかどうかは大きな問題でしょう。

生きていくために、お金は必要です。結婚すればそれで安心ということもありません。何があっても自分の身は自分で守れるように、稼ぐ力を持っておくことは非常に重要です。

パート勤務と扶養の関係に関するまとめ

パート主婦が扶養内で働きたいなら、年収106万円または年収130万円までに抑える必要があります。社会保険の扶養を出なければ、手取りが大きく減ることはありません。

ただし、女性も自立できるだけの収入を得ることには大きなメリットがあります。扶養内にとらわれず、自分の収入を増やすことも考えましょう。

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