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住民税はいくら?地域差があるって本当?計算方法&仕組みをFPが徹底解説

  • 2020.1.13
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今回は住民税の税額に関する解説を行っていきます。所得のある方であれば殆どの方が課税される住民税ですが、地域によって格差がある事はあまり知られていません。どんな算定方法なのか、また課税の仕組みや納付方法に関して詳しく解説していきますね。

住民税の金額はどうやって決まるのか?

はじめに住民税に関する基本のところから解説を始めます。住民税はお住いの自治体に納める地方税になり、1月1日時点で住民票を置いてある自治体に納付する事になります。

住民税に関する自治体とは、都道府県と市区町村の2つを指し、一般的に都道府県に納める税金を県民税、市区町村に納める住民税を市民税と言います。

住民税は前年度の所得に応じて計算される所得割額、一律で課税される均等割額と2つから構成されており、それぞれの算出課税額を県民税、市民税として納める事になります。

住民税の具体的な算出方法

この様に前の年の所得を算出し、翌年6月から支払いが開始する事になります。ではどんな計算方法で算出されるのか見ていきましょう。

住民税はこの様にして決まる

まず一年間のお給料や売上の総額が12月31日時点で決まります。次に所得控除を行い、課税所得と呼ばれる課税に関して算出しなければならない所得を導き出します。そして住民税額を掛けて、そこに均等割額を足し、最後に税額控除を行い、最終的な住民税額が決まる流れとなります。

年収と所得の違いは?

ここで、よくある質問ですが、年収と所得の違いについて簡単に解説をしておきますね。年収(年商)は一年間に受け取ったお給料の総額になります。この年収にはボーナスも含まれる事になります。一般的には総支給額や粗(あら)と呼ぶ事が多いです。

次に所得ですが、先程の年収から様々な控除額を差し引いた残りの金額の事を指します。額面で判断すると年収が大きく、所得が小さくなると憶えておいて下さい。

住民税はどうやって納税するのか?

住民税額が決まったら6月から支払いが開始となりますが、納税の方法は2種類のみです。サラリーマンなどの給与を受け取っている方は特別徴収に該当し、個人事業主など確定申告を必要とする方等は普通徴収で納税します。

特別徴収での納税は?

サラリーマンなどの特別徴収で納税している方は、毎月のお給料から住民税を天引きされています。これは給与支払者である企業が代行し自治体に納税する仕組みを採用しているからです。

6月から支払いが始まり、翌年5月まで天引きされる事になります。つまり12カ月に渡って納める事になりますので、月々の負担は軽くなるという事になります。

普通徴収での納税は?

6月に入ると、自治体から自宅へ納付書という住民税の払込用紙が届きます。これは4期に分割された払込用紙になっていて、6月、8月、10月、1月に分かれています。

また納付期限が記載されていますので、期限内に自分でコンビニや銀行、役所へ足を運んで納付する事になります。手続きによっては口座引落やクレジットカードでの納付も可能です。

所得控除額について詳しく解説しておきます

先程住民税額決定までの流れに触れましたが、ここでは所得控除について詳しく解説しておきます。まず控除は誰でも受ける事が出来る基礎控除や家族構成で変わる控除等多岐に渡ります。

また混同し易いのが、所得税と住民税です。給料明細等には所得税と住民税の引落項目の記載があるかと思います。実は住民税は所得税の計算方法と同じ流れを辿ります。しかし、控除の金額が異なる為、また税率が異なりますので、それぞれの金額に差が出ます。

こちらがその控除額をまとめた表になりますので、参考にして下さい。

控除額を知る事で非課税も見えてくる?

少し余談を挟みますが、実は控除額を知っておく事で、パートさん、アルバイトさん等は所得税、住民税が非課税になる事も可能です。どういう事かと言うと、控除額から逆算すれば一年間にどれだけの給料であれば課税されないかという事が見えてきます。

具体的に解説すると、年収180万円以内であれば給与所得控除と言って最低でも65万円もの控除額が発生します。ここに所得税控除に関する基礎控除額38万円を足すと、年収103万円になりますよね。つまり年収103万円以下であれば所得税はかかりません。

住民税の基礎控除は33万円ですので、65万円に33万円を足すと98万円となります。そのため98万円以下の年収であれば所得税、住民税はかかりません。

令和2年以降に改定した給与所得控除を知っておきましょう

実は先程の解説は昨年の令和元年までの計算です。本年令和2年より給与所得控除が変わり、年収180万円以下なら控除額が55万円に変更されています。つまり、例年通りのペースで仕事をしたとしても、課税される方が増えます。

計算すると所得税が年収93万円、住民税は88万円となりますので、シフト調整などで税金を考慮していらっしゃる方は是非憶えておいて下さい。

住民税の地域差について解説します!

実は住民税についてお住いの自治体によって差があります。これってどれぐらいの差があるのか皆さん興味があるかと思います。その点を詳しく解説しますので、ご自身の住んでいる都道府県、市区町村について知っておいて下さい。

何故地域差が発生するのか?

地域によって税金の格差が発生するのには理由があり、これは各自治体の持つ自主課税権といって、自治体は住民税の税額を変更して良い決まりになっています。

理由は税収確保が一番ですが、住民税の利用目的は自治体のサービス維持にあります。この税無くして、地域の環境や医療、福祉等の保全は無理なんですね。

また少子高齢化が進んで、納税者が将来的に減少していきますので、税収は益々厳しくなる一方です。今はまだ住民税自体高額な自治体は多くありませんが、先々税率改定が発生する事もあるかもしれなと頭の片隅にでも憶えておいて頂けたらと思います。

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住民税の税率が高い自治体ってどこなの?

住民税の所得割部分に関する話ですが、全国平均(というより殆どの自治体)が10%という税率を採用しています。(10%を標準税率と呼びます)この標準税率よりも高い自治体は兵庫県豊岡市で10.1%となっており、次に高い自治体は神奈川県の10.025%です。

実は標準税率を超えている自治体はこの2つのみで、標準税率以下の自治体は愛知県名古屋市の9.7%のみとなっています。この3つの自治体にお住いのある方は他の自治体に比べ住民税が高かったり、低かったりする事になります。

均等割額も地域格差がある

次に均等割額に関してですが、標準税率は5,000円です。この5,000円を超える自治体は数多く存在しており、主に環境保全という事で金額の変更が発生しています。高い順番に解説しておきますね。

均等割額の上限は今のところ6,200円

所得割部分に関しては所得によって異なる為、個人差がありますが、一律課税の均等割部分に関して言えば今の段階では6,200円が上限となっています。しかし先程も解説しましたが、税率の変更によって上限が変わる事もありますので、こまめに自治体の広報誌等に目を通しておきましょう。

住民税はいくらなのか&計算方法に関するまとめ

住民税に関して地域差について解説してきました。地域によって差はありますが、均等割で言えば最大で年間1,200円の開きです。所得割では最大0.4%となっています。皆さんの価値観ではこの金額が大きいと考えるか、小さいと考えるかという事ではないでしょうか。

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