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「雑多さ」を愛したい。文化の発信基地、池袋を歩く

  • 2020.1.11
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goodroomのスタッフが住んで本当に良かった街を紹介する連載。33回目にご紹介するのは、豊島区「池袋」です。

池袋と聞いて思い浮かぶのは、駅前は雑多で少しごちゃごちゃしているイメージ。ネオンが夜遅くまでギラギラと輝く、東京屈指の繁華街。

それでも言い換えれば、夜遅くまで開いている店が多いため、駅前から女性一人で帰る道すがらはいつまでも明るいし、人や飲食店が多い分、夜遅くまでやっているスーパーだってたくさんあるのも特徴です。最近では駅前の大きな公園がおしゃれに改装されて生まれ変わり、子育て支援も充実しているというから、意外です。

そんな池袋、ふらりと歩いて街の様子を探索してみました。

どこへ行くにも楽。充実した交通網

池袋を走るメインの電車は、JRの山手線。目白と大塚との間にあります。ほかにもJR湘南新宿ラインや埼京線もあり、埼京線では渋谷まで2駅で行くことができます。さらに地下鉄は丸ノ内線・有楽町線・副都心線が走っているため、東京・大手町方面や、飯田橋方面、代官山・中目黒・横浜といったおしゃれエリアへも1本で行けるのです。

「池袋はうるさそうだからちょっと苦手……」という方も、このアクセスの良さなら、休日は池袋を拠点に好きな街に行くことだって簡単にできてしまいます。

地図を見ると、広範囲にわたって店があるため「本当に人が住むような賃貸住宅はあるの?」と思われそうですが、徒歩15分圏内までエリアを広げれば、家賃6~7万円台でも十分暮らせる部屋はたくさんあります。

誰でも知っている街、でも山手線圏内でも比較的手ごろな家賃でお部屋を探せる……。ね、意外と穴場でしょ。

以前ご紹介した副都心線「雑司ヶ谷駅」もこの近くで、距離は徒歩約15分ほど。落ち着いたエリアだってすぐそばにあるんです。

駅前は大型商業施設がずらり。買い物には絶対困らない

池袋東口には“西武”デパート、西口には“東武”デパート。あー、ややこしい!なんて話を聞いたことはありませんか。

そう、池袋駅周辺にはとにかく大型商業施設が多く、ルミネやパルコ、Esolaなどがあります。100円均一だって各ブランドそろっているし、LOFTも東急ハンズもどちらあって、無印良品は大きな面積のフロア1~2階分の広さであるんです。チェーンの飲食店も、ここに出店していない店はないんではないか、というくらい。もう本当にいろんなお店が池袋にはあります。

駅地下の通路もかなり発達しているため、駅からかなり離れた場所までを、地下を通り抜けて移動することもできます。雨の日だって便利だし、ショップもかなり充実しているので、仕事帰りの夕飯の買い出しも困らない。

たまに甘い香りの誘惑に負けてしまいそうになるのも、たまにはお花でも買って帰ろうか、なんて思えるのも、ここ池袋の地下網あってこそなのかもしれません。

池袋は文化の発信基地でもある

池袋には、映画館や大きな劇場から小劇場、サブカル好きの集まるショップまで、様々な文化を愉しむ施設も充実しています。

映画館は大手シネコンから、セレクトに個性の光るミニシアターまで、なんと5つもの映画館が。最近できたばかりのグランドシネマサンシャインは、カフェや飲食店、雑貨屋が一緒になったひとつのビルになっているので、映画鑑賞と一緒に食事や買い物まで楽しむことができるようになりました。

レイトショーを見た後に徒歩で帰宅、ってなかなかできることじゃないですよ。

また、池袋駅西口を出たところには東京芸術劇場も。

テレビのドラマで活躍するような人気の俳優の方々なども出演する舞台を鑑賞することができます。わたしも何度か足を運んだことがありますが、その熱のこもった演技を間近で見ることができるのは、なんと贅沢なこと。そんな施設に気が付けば足を運べるなんて、素敵な池袋。

小さな劇場も見つけました。昭和43年に始まり、リニューアルを経てすっかりきれいになった小劇場の老舗「シアターグリーン」。

東京芸術劇場に比べるともちろんサイズは小さいのですが、きっと今や有名な俳優さんも、この場所で小さな芽を出した方も多いはず。若い才能を応援したい方、重厚さよりもフレッシュな俳優の息吹を感じたい方はきっと楽しめるはずです。

毎年開催されている「池袋演劇祭」というイベントがあるように、豊島区ではこうした数々の文化施策を行って、「演劇都市としま」のイメージを浸透させる活動を行っているようです。

池袋には本屋も多い

大型商業施設、映画館と続いて、次は本屋さん。これまた池袋には本屋さんが多いんです。三省堂書店、ビル一棟まるごと本屋のジュンク堂書店、旭屋書店、といった大手本屋さんから、一風変わった個性派本屋さんまで。Amazonで欲しい本を家で待つ時間が惜しければ、池袋だったらすぐに見つかるんじゃないかな、というくらい本屋さんがあります。

そんな中で、駅近くの商業施設Esolaに入っている一風変わった本屋さんにあえて行ってみることに。

その名も「梟書茶房(ふくろうしょさぼう)」。メディアで紹介されていてずっと気になっていたので足を運んでみると、驚きました。フロアのたった一面の壁に陳列された本たち。このスペースだけで本を売っているようです。

しかも近づいてみるとさらにびっくり。すべての本にはカバーがかけられていて、その中を知ることはできないのです。欲しい本を買いに本屋へ行く、という行為とは真逆の売り方で勝負しています。

本の一つ一つには通し番号がふられていて、本の推薦人が書いたコメントが丁寧に書いてあります。さらに「この本がもし面白かったら、次はこのナンバーの本を読んでね」という面白い仕掛けも。

こんな売り方でやっていけるのかな、と思いながら目についたコメントを読んでいたら、なんでか不思議と心にひっかかる推薦文に出会ってしまい、気が付くとレジに足が向いていました。なんとも不思議な体験。

きっとこの本が面白かったら、またここへ来て次に勧められた本を、わたしは買って読んでしまうかもしれません。そして今日はなんとも思わなかった推薦文が、明日の自分の心にはふと響くものがあったりするのかもしれない。

ほかの本屋ではできない体験のできる本屋さん。遠いところに住んでいたら、この体験をすることさえも億劫になってしまうかもしれないから、やっぱり通える範囲に住めたらいいよね、と思うのです。

公園でまったり過ごそう

池袋駅西口から5分ほどのところにある「南池袋公園」。

平成28年に全面改装された公園で、7,800平方メートルある、広大な芝生の敷地です。イベントも定期的に開催されているほか、公園内では生産者と消費者の“食を介するつながりの場”を目指したカフェレストラン「Racines FARM to PARK」も営業しています。

晴れた日には芝生の上でくつろぐ人たちの姿もあって、「池袋にこんな場所があったんだ!」と驚くばかり。気持ちの良い公園です。

近くにはブルーボトルコーヒーなどもあるので、コーヒー片手にのんびり時間を使うのもいいですね。

夕方過ぎには完売してしまうほど和菓子で人気の「すずめや」もこの近くですよ。

こうした場所も少しずつできてくるなど、池袋では現在子育て環境の充実に力を入れています。毎年発表されている「100都市保育力充実度チェック」では認可保育園への入園決定率が豊島区がトップだということ(2018年時点)。

すこしずつ、街が変わり始めているのかもしれません。

一人で入りやすいお店も多い、池袋

池袋というと、若い人たちが友人や同僚を連れ立って日々飲み歩いている印象があるのですが、一人で入りやすい店も十分たくさんあります。

女性一人でも気にせずカウンターでしっぽり過ごせる居酒屋もあるようですが、わたしが訪れたのは駅前の喧騒から少し離れたところにあるカフェ「egg」。

高い天井の開放的な空間で、男女問わず年配の方から若い方まで、一人の方から家族連れ、仕事関係の方、そして外国人の方も……。平日の日中でしたが本当に様々な方が過ごしているのが印象的でした。

テーブルには1枚大きな白い紙が敷かれていて、クレヨンが置かれていました。きっと子供連れできた方のために用意されたものでしょう。

食事もハンバーガーや、フレンチトーストなどのメニューがありました。

食事と一緒に頼めば、複数の種類の紅茶を味わえる「Tea bar」も楽しめます。本を片手に、ゆっくりと時間を過ごせるようなカフェを探している方にはおすすめ。

きっと池袋には探せばこうした居心地の良いお店がたくさんあるんでしょうね。

*

歩いていても、どこかお店に入っても常に感じていたのは、池袋には人が多いなぁということ。単に“人”というと簡単ですが、一口に「こんな人」と言えないところが、池袋の面白さなのかもしれません。

文化を味わう豊かな心を満たしつつ、飲み屋やカフェに入れば自分とは正反対のタイプの人に出会うこともあるでしょう。そんな「雑多さ」をいくつになっても愉しめる街、それがわたしの思う、池袋、なのでした。

池袋駅の住み心地って?

実際に池袋駅に住んだことのある人に、聞いてみました!

・LUMINE、PARCOや西武百貨店、東武百貨店など幅広い層でショッピングができます。 大型の家電量販店も集まっているので、容易に比較しながら買い物ができます。

・水族館、映画館、劇場、ゲームセンターなど、遊びの選択肢が多いです。 最近は、○○カフェ(ex.猫カフェ、うさぎカフェなど)が増えてその種類も多いです。

・繁華街ということもあり、たくさんの人が押し寄せてきます。特に土日祝日は、道路を歩くのに一苦労します。

・山手線だけでなく埼京線や地下鉄も利用できますので、都内のアクセスは抜群です。またバスを利用すれば、箱根などの観光スポットや羽田空港などに乗り換えすることなく行くことができます。

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