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倉科カナ「ご褒美のようなお話」初の舞台主役で“稀代の悪女”に!<Interview>

  • 2020.1.10
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舞台「お勢、断行」で主人公・お勢を演じる倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

【写真を見る】カメラに向けられた倉科カナの視線に思わずドキッとさせられるショット

江戸川乱歩による極彩色の迷宮世界を踏襲しながらも、全く新たな物語で稀代の悪女・お勢を描く舞台「お勢、断行」が、2月28日(金)~3月11日(水)に東京・世田谷パブリックシアターで上演される。

2017年に上演された「お勢登場」で江戸川乱歩によるケレン味あふれた8本の短編を、卓越した構成力で見事舞台化し好評を得た演出家・倉持裕が、極彩色に広がる乱歩の迷宮世界を踏襲しながらも、稀代の悪女・お勢という魅力的なキャラクターをモチーフに、善悪せめぎ合う全く新たな謀略の物語を立ち上げる。

自らも悪事に染まりながら、企みを巡らす人間たちに正義の鉄槌を下さんとする主人公・お勢を演じるのは倉科カナ。また、上白石萌歌が物語の中心となる謀略の被害者・資産家の娘で、おっとりとしたお嬢様らしい外見ながら、その奥に秘めた強い意志を感じさせる役どころを演じる。

目まぐるしく展開する人間模様の中、正義と悪の暴力について、時にユーモアを、時に背筋が凍るような恐ろしさを交えつつ、倉持独自の感性で紡がれる新たなストーリーに臨む倉科が、二度目となる倉持作品への思いや、“悪女”を演じることの心境などを語ってくれた。

初めての舞台主役に「すごくプレッシャー」

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

――舞台では初めて主役を演じられるということですが?

ドラマや映画と違って、舞台はお客さまがいらっしゃっているか、いらっしゃってないかというのが、幕が開いてからダイレクトに分かるものなので、私が主人公のお勢を演じることでお客さまがもしいらっしゃらなかったらどうしようと思って。すごくプレッシャーを感じていました。

ただ、私はこれまでいただいたお仕事を一つ一つ頑張っていくというスタイルでやらせていただいてきた中で、お勢という役を頂き、マネジャーさんともお話をしていたのですが、その地道にやってきた努力を見ていてくださる方がたくさんいるんだねって。

私は倉持さんという演出家さんが大好きで、(今回は)頑張ってきたご褒美のようなお芝居だなって。私に主役のお話が来るなんて、しかも大好きな倉持さんのお芝居は2度目で。本当にご褒美のようなお話だなって思いました。

――倉持さんの作品の魅力ってどんなところでしょう?

この間も舞台を見させていただいたんですが、すごくキュートですてきだったんですよね。言葉のセンスが素晴らしくて。卓越していらっしゃいますし、あのブラックユーモアがとても好きです。

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

上白石萌歌と共演

――今回は座長ということになりますね。

私、座長なんですね?(笑) お話をいただいた時は、それも含めてプレッシャーだったと思うんです。皆さんを引っ張っていけるのかなぁって。でも、改めて考えた時に、私は引っ張っていけないんですよ。ふふ(笑)。

今回はキャストも素晴らしい手だれといいますか、本当に引き出しが多くて、ユーモアのある方々ばかりなので、皆さんに甘えようかなって。できないから始まる、できない座長を“支えてあげよう”みたいな(笑)。

私は引っ張ってはいけないので、足を引っ張るような覚悟で、みんなで作り上げていけたらいいなって思っています。

――2019年の「新語・流行語大賞」の年間大賞で選ばれた「ONE TEAM」みたいな?

あ、それでお願いします(笑)。

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

――強引でしたね(笑)。でも、共演者は注目な面々がそろっていますね。

萌歌ちゃんが最年少なんですけど、とっても純粋無垢なイメージがあるので、萌歌ちゃんが今回の“濃いキャスト”の中でどう染まっていくかというのはとっても興味があります。

それに、作品の中でも萌歌ちゃんの役は萌歌ちゃん自身と似た部分、共通する部分があると思うので、どう環境と役柄が作用していくのかというのを、間近で見られるのはすごく楽しみですね。

――作品を作り上げていくという点で、舞台はやはりドラマとは違いますか?

違いますね。安心感があります。緊張はしますけど、映画やドラマほどはしないですね。目の前に役者さんがいて、頭から最後までストーリーが流れていく中で、“うそ”がないから。

一人で舞台に立ってお客さまの心を動かそうとすると緊張してしまうと思うんですよ。でも、そうじゃなくて、みんなでその空間を作り上げているからこそ、舞台のほうが安心する感じがあります。

――舞台は体力的にきついと聞きます。

それは人それぞれかもしれないです。映像の方が(撮影で)ナイターがあったり、時間が遅くなったり、早朝だったりするので、時間的に不規則ですから。脚本がなければ覚える時間も少ないですし。

舞台は、脚本もある中で1カ月半くらいお稽古があり、(はじめから)スケジュールが決まっているので、みんなでどういう作品にしていきたいかというのも明確になっている分、私は舞台の方が心の負担も少ないかもしれないですね。

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

「悪女を演じるのは楽しい」

――今回の役は悪女ということですが。

実は、私は比較的に悪女役が多いんですよ。人の彼氏を奪ったり、不倫したり、嫌がらせしたりとか。そういう役柄が多かったんですよね。

――そのイメージは、最近の作品ではあまりないですよね?

そうなんですよ。ここ最近はちょっとクリーンなイメージで(笑)。

でも、悪女を演じるのは楽しいです。基本的に清純なものが得意ではないんですね。子供の頃もアニメなどは悪役のキャラクターのグッズを集めていたり、プリセンスよりもそっちの方が好きだったりしていて。

なので、演じるのも悪女の方がいろんなアイデアが浮かんできたりするんですよね。普段できない分、こうやったら相手はもっと悲しむんじゃないかとか、こうやったら苦しむんじゃないかなとか、こうやったらもっと…私Sっ気があるのかな?(笑)

――役ではなく、ご自身の中に悪女の部分を感じることは?

うーん、でも他人を羨んじゃう、嫉妬しちゃったり、いいないいなと思って、ちょっと腹の底でひがんでいたりする部分は悪いところだなと思いますけど、それは誰しも持っていることだから。だから責めないし…清いより悪が好きというのもそれがあるかもしれないですね。

みんな誰しもそういう一面があるのに、清いよと言っているよりは、私悪いよと言っている方が、自分自身の全てを認めている気がするから好きなのかもしれないです、多面的で。

“悪”を考え直す機会に

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

――では、今回役作りというのは?

今回はあまりしないと思います。でも、「悪って何なんだろう?」と一度考え直す機会にはなるかなとは思っていますし、今回は結構悪い人ばかりが出てくるんですね。ほぼ全員が悪人なんですが、それでも悪に対しての人それぞれの境界線みたいな、ポリシーみたいなものはあるんですよ。

例えば私は人を殺していて、他に詐欺師がいるとするじゃないですか。その詐欺師はお金のないおじいちゃんからお金をだまし取っている。私は人を殺しているのに、「あなたのその詐欺は許せない!」みたいな。私の悪のプライドというか、悪の中にもそれぞれのボーダーライン、正義みたいなものがある…分かります?(笑)

――「鼠小僧は人殺しをしない」みたいな?

あ! そうそう、そういう感じです! そういうのが入っているのかなって私は思っているんです(笑)。みんな悪人なんです。(私も悪人なので)人のことは言えないんですけど。だからこそ、哲学的にはなるけど「悪ってなんだろう?」って少しずつ考えて、自分の中で芯は通しておかないといけないかなって思います。

――それでは、最後に読者へメッセージをお願いします。

江戸川乱歩なんですけど江戸川乱歩ではない。「お勢登場」という江戸川乱歩の作品の中からお勢が登場して、倉持さんという演出家さんで舞台化されます。とてもユニークなキャストがそろいましたので、ぜひ劇場におこしください。

舞台「お勢、断行」は2月28日(金)より東京・世田谷パブリックシアターほかで上演
撮影=山添雄彦

舞台「お勢、断行」あらすじ

大正末期、資産家の松成千代吉の屋敷に身を寄せた女流作家、お勢(倉科カナ)がいる。

その屋敷には、千代吉の娘(上白石萌歌)と住み込みの女中(江口のりこ)、そして千代吉と小姑(池谷のぶえ)からの圧力に苦しむ後妻(大空ゆうひ)がいた。

ある日、千代吉に屈辱を受けた代議士(梶原善)は、後妻と結託し、松成家の財産をすべて奪い去ろうと、千代吉を狂人に仕立て上げる計画を練る。

女中、精神病院の医院長(正名僕蔵)、貧しい電灯工事夫(柳下大)らを巻き込み、首尾よく進むかに見えたが、第一の殺人がおき、計画は思わぬ惨劇へと突き進む――。

倉科カナ
撮影=永田正雄/スタイリスト=多木成美(Cコーポレーション)/ヘアメーク=野中真紀子(eclat)※eはアキュートアクセント付きが正式表記

(ザテレビジョン)

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