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パリ、進化する新年の甘いお楽しみ。ガレット・パレード!

  • 2019.12.26
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ノエルが終わるや、新しい年のスイーツカレンダーに最初に登場するのは1月6日のエピファニー(公現祭)のガレット・デ・ロワだ。フランス中のパティシエ、パン屋のウィンドウが王冠を被ったガレット一色に染まる。アーモンドクリームをさくさくのパイ皮が包むのがクラシックなタイプで、各店、各ブランドはこれまで中に隠すフェーヴで個性を競い合っていた。ところが最近ではフェーヴもさることながら、パティシエたちは味そのものに趣向を凝らした新しい提案に力を入れている。2020年のガレット・デ・ロワも百花繚乱。気になるガレットをいくつか紹介しよう。

Laduréeネロリのガレット

ラデュレのガレット・デ・ロワは、2020年はネロリ。そう、オレンジの花が繊細に香るガレットだ。オレンジの花の風味のピスタチオ・アーモンドクリームに柑橘類のコンフィがミックスされ、パイ皮に包まれている。その上を覆うのはアーモンドとピスタチオの甘くカリッとしたチュイル。そこにピンク色のバラの蕾、グリーンのピスタチオ、オレンジのコンフィが飾られたフェミニンなビジュアルには心奪われる。ひと口目は見知らぬ味にちょっと戸惑いを覚えるものの、ふた口目からはそのおいしさに、食べるペースがアップ!一年中食べたいガレットの登場だ。ネロリのガレットは6名用45ユーロで、1月1日〜22日の販売。この期間中、ティールームではこのネロリのガレットではなく、クラシックなタイプ(1名用/9.10ユーロ)がメニューに。花(ローズ、オレンジ、コクリコ、スミレ)のフェーヴ4個入りボックスは25ユーロ。

Ladurée Paris Champs-Elysées75, avenue des Champs-Elysées 75008 Paris営)7時30分〜23時(月~金)7時30分~24時(土)7時30分~22時(日)無休www.laduree.fr/laduree-paris-champs-elysees.html

La Pâtisserie du Meurice par Cédric Groletシリアル・ガレット

オペラ通りにブーランジュリー・パティスリーを開いて話題を呼んだセドリック・グロレ。シェフパティシエを務めるル・ムーリスのために彼がクリエイトしたのは、100%シリアルのとてもヘルシーなガレット・デ・ロワだ。彼らしさが感じられるユニークな発想に、まずは脱帽。アーモンド、ヒマワリの種、ゴマ、3色のキヌアなど10種以上のビオのシリアルが、焙煎されていたり、そのままだったり……味、香り、食感がバラエティに富み、新年早々から味覚の冒険へと誘われる。フェーヴと王冠のデザインをセドリックが任せたのは、若きアーティストStudio Harowだ。王冠も麦!!6〜8名用52ユーロ。販売は1月3日〜12日。ル・ムーリス内のレストランLe Dalíでも味わえる(1名用16ユーロ)。

La Pâtisserie du Meurice par Cédric Grolet6, rue Castiglione 75001 Paris営)12時〜売り切れまで休)月www.dorchestercollection.com/fr/paris/le-meurice/restaurants-bars/patisserie-meurice

Yann Couvreurノワゼット・ガレット

ヤン・クーヴルールではクラシップなタイプに加え、ヘーゼルナッツクリームのガレット・デ・ロワを提案する。表面がキャラメライズされ、丸いフォルムではなくナッツの形をしていて目にも愛らしいガレット。王冠はナッツ類でおなじみの帽子のような殻斗(かくと)のデザインで、ブランドのマスコットの狐がちょっこり。4〜5名用24ユーロ。販売は1月2日から。

Yann Couvreur23bis, rue des Rosiers 75004 Paris営)10時〜20時無休https://yanncouvreur.com

Pâtisserie Michalak3つの味のガレット

大人も子ども心に返って楽しむガレット・デ・ロワ。誰もが喜んでエピファニーを祝えるようにと、3種の味を用意したのはクリストフ・ミシャラクだ。アーモンドクリームのLa Klassik(1名用4.50ユーロ、6〜8名用40ユーロ)は、その名のとおり伝統的なタイプ。ヘーゼルナッツのプラリネをアーモンドクリームに混ぜ込み、ブラックチョコレートでくるんだのはLa Gianduja(1名用5ユーロ、6~8名用45ユーロ)で、キャラメライズされたヘーゼルナッツがちりばめられている。きれいな緑色をしたガレットは、イラン産のピスタチオ入りのアーモンド・クリームを詰めたLa Pistache-Orientale(1名用5ユーロ、6〜8名用45ユーロ)だ。どれも魅力的! 年末より販売開始。

Pâtisserie Michalak St-Germain des prés8, rue du Vieux Colombier 75006 Paristel:01 45 49 44 90営)11時〜14時、15時〜19時(日~金)15時~20時(土)無休https://michalak.jp/shop/4

Mariage Frères黒いガレット

おお!と見た瞬間に思わず声をあげてしまうのは、「Amandier Blanc」と名づけられたマリアージュ フレールのブラック・ガレットだ。中国とチベットの花の香り、果実の甘味で人気の紅茶「マルコ・ポーロ」風味のアーモンドクリームを紅茶「アマンディーヌ・ブラン」味のアーモンドペーストが覆う。黒檀のようにエレガントに輝く黒いガレットの中央には、シルバーのドラジェが君臨。チャコール・フードさまざまあれど、ついにガレット・デ・ロワにも。6〜8名45ユーロ。販売は1月2日から。

Mariage Frères90, rue Montorgueil 75002 Paris営)10時30分~19時30分無休www.mariagefreres.com/FR/accueil.html

La Grande Epicerie du Bon Marchéかりかりガレット

ボン・マルシェの食料品館ラ・グランド・エピスリーでは、バターが利いたクラシックなアーモンドクリームのガレット・デ・ロワだけでなく、プラス2種のガレットをシェフがクリエイトした。まずはGalette Crème d’Amandes(写真左)。名前からクラシックなタイプと混同しそうだが、こちらは表面までアーモンドのオンパレードなので、その差は見た目で一目瞭然だ。使われているアーモンドはシェフがイタリアの産地、プイユ地方の小さな生産者から買い付けたもの。アーモンドクリーム、そしてアーモンドのクランブル、アーモンドそのままで、と、かりかりの食感が新鮮なガレットだ。2名用あるいは6名用(35ユーロ)。もう一種はGalette Crème de Noisette et Inclusions de Gianduja(写真右)。フランス中で子どもも大人も大好きなのは、バゲットに塗るチョコレートペーストで、その国民の味といえるヘーゼルナッツチョコの味のガレットである。1名用あるいは4名用(27ユーロ)。3種のガレット・デ・ロワの販売は1月2日から31日まで。なお地上階のル・プティ・カフェでもクラシックタイプを1名6.90ユーロ、2名13ユーロで味わうことができる。

La Grande Epicerie du Bon Marché Rive Gauche38, rue de Sèvres 75007 Paris営)8時30分〜21時(月~土)10時~20時(日)無休www.lagrandeepicerie.com/fr/index

Stohrer王道ガレット

パリ最古のパティスリーとして名高いストレール。シェフ、ジェフリー・カーニュによるガレット・デ・ロワはアーモンドクリームたっぷりのクラシックそのもの。さすが創業1730年のメゾンは世の流行にも動ぜず、王道をまっしぐらだ。といってもホワイトアーモンドをミックスし、ラムを加えて、とシェフは伝統を守りつつ、より味わい深い逸品に仕上げている。表面に描かれた優美なラインのバラ装飾がとてもシンプルで美しい。1名用5.5ユーロ〜。販売は1月1日より1月末まで。

Stohrer51 Rue Montorgueil 75002 Paris営)7時30分〜20時30分無休https://stohrer.fr/en/

Benoît Castel番外編! ブリオッシュ・デ・ロワ

どれほど進化してもガレットはNO! という頑固者がいる。その多くはフランスの南部出身者たち。なぜなら、彼らにとって子ども時代から慣れ親しんだエピファニーのスイーツはガレットではなく、ブリオッシュ・ボルドレーズなのだから。そんな人々のためにブリオッシュをガレットとともに並べる店が年々増えている。ブノワ・カステルもそのひとり。オレンジの花の香りとフルーツのコンフィでおめかししたブリオッシュ・デ・ロワは、食べるのが惜しい美しさ。6名用19ユーロ。販売は1月2日から。

Benoît Castel150, rue de Ménilmontant 75020 Paris営)7時30分~20時(水~金)8時~20時(土)8時~18時(日)休)月、火http://benoitcastel.com

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