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ベテラングルメライターが京都で一番好きなお店、小料理屋〈高倉〉とは?

  • 2019.12.24
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教えたくないけれど自慢したい、悩ましい存在。贅沢な懐石からローカルフードまで制覇してきたからこそ胸を張ってここだといえる、今、京都で一番好きな店。

秘密にしておきたい、いつも恋焦がれる店。

Pさんと京都との付き合いは長い。20代前半から仕事でもプライベートでも足しげく通ってきた。食への探究心は、ここでも存分に発揮。料理や器づかい、しつらえを自分自身で確かめたくて、1年間、毎月老舗割烹へ通ったこともあるという。「銭湯に行くお金を削っても食べたいと思ってた」と笑うPさんの、食いしん坊っぷりは若い頃から筋が通っている。そんな京都を愛してやまないPさんが今、まず予約するのが〈高倉〉だ。「和食のいいお店ってお任せのコースがほとんど。けれど年と共に、自分のその時の調子や気分に合わせたものを食べたいって思うようになってきて。3日いれば3日通った割烹〈南一〉が閉めてからは、京都にそういういいお店がないなって思ってた時に〈高倉〉を教えてもらって、たちまち虜に」

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Hanako 編集部

ぽっと灯る提灯が目印の〈高倉〉は、ご主人の後藤睦さんが家族で営む料理店。端正な料理を気取らない雰囲気と値段で楽しませてくれると地元でも人気が高い。

器づかいも素敵で、思わず声をあげるほど

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Hanako 編集部
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Hanako 編集部

「京都で食べたいと思う季節のものがちゃんと用意されていて、それがすごく丁寧に調理されている。なかでも牡蠣と柿の柚子味噌和え、マスカットとみつ葉のおろし和えといった、季節の食材の意外な組み合わせも含めて楽しませてくれる和え物は、ここの華ね。もちろんおだしも揚げ物も間違いのない味。そして料理はもちろん、包丁人の凄腕というかオーラが伝わってくるご主人と、お嬢さんの筋の通ったサービス、さりげなく火加減を調整したりする奥様とご主人のリレーションシップも素晴らしくて、カウンターの中で繰り広げられる映画のような三人の動きを見ていると、もう絶妙で」。教えたくないけれど代わる店はないと、紹介するに至ったPさんのとっておきだ。

〈高倉〉/河原町夷川

2009年に現在の場所に移転。カウンターと小上がりのテーブル2卓のため予約は必須。
京都府京都市中京区夷川通河原町西入ル西革堂町205 1F
075-231-5633
17:30 ~ 23:00(22:30LO) 日月休
17席/喫煙(2020年から禁煙予定)

(Hanako1179号掲載/photo : Yoshiko Watanabe text : Mako Yamato)

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