1. トップ
  2. お仕事
  3. 「ふるさと納税」と「住宅ローン控除」は併用できる?仕組み・計算方法をFPが解説!

「ふるさと納税」と「住宅ローン控除」は併用できる?仕組み・計算方法をFPが解説!

  • 2019.12.19
  • 4271 views

ふるさと納税をご利用される方の中には、住宅ローン控除をご利用されている方もいらっしゃるかと思います。

共に所得控除のある仕組みなので同時に利用できるか、また、利用できるとして何か気をつけるべき点があるか、気にされている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、本日はふるさと納税と住宅ローン控除の併用をお考えの方向けそれぞれの税制の仕組みと併用する上での注意点について記載してみたいと思います。

ふるさと納税の所得減税の仕組みは寄付金控除

住宅ローン控除を利用する場合の確定申告の要否(一年目と二年目以降それぞれ)

控除を受ける一年目は確定申告が必要です。ただ、サラリーマンの方であれば、二年目以降は年末調整にて税金の申告を行うことが可能です。具体的には、借入金の年末残高等証明書を勤務先に提出して年末調整で控除を受けることができます。

ふるさと納税と住宅ローン控除の併用の可否と計算の流れ

ふるさと納税が住宅ローン減税額に影響を与える具体例

ふるさと納税ありの住宅ローン減税額

今度は、上記条件に加え4.9万円のふるさと納税も行ったケース

ふるさと納税実施による所得税と住民税の減額金額の計算方法

所得税と住民税は以下の計算式で計算します。

所得税

  • (寄付金-2,000円)× 所得税率

住民税

  • 住民税からの天引き(基本分) = (納税額-2,000円)×10%
  • 住民税からの天引き(特例分) = (納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
具体的な計算式
  • 所得税からの控除 = (寄付金額-2,000円)× 所得税率(今回は10%)⇒ 4,700円
  • 住民税からの控除(基本分) = (寄付金額-2,000円)×10%⇒ 4,700円
  • 住民税からの控除(特例分) = (寄付金額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率(今回は10%))⇒ 37,600円
  • 住民税からの控除額合計:42,300円
ふるさと納税前後の所得税と住民税の減税金額

ふるさと納税を行い、所得控除されると課税所得そのものがその分減少して所得税と住民税の金額が減少します。

今回のケースでは、実施前であれば、住宅ローン控除金額38万円全額を減税とすることができましたが、実施後は38万円全額の控除ができなくなってしまいます。

具体的な減税額

住宅ローン控除による減税額は27.5万円です。この金額から所得税の金額を引くと【27.5-13.43】で14.07万円残り、そこから住民税を引きます。

ローン減税分の住民税からの差し引く額が13.65万円なので、住宅ローン控除の残額が0.42万円発生します。

ふるさと納税と住宅ローンの減税の上限額をフルに活用する方法

直接、店舗等で相談する方法も

ご自身で自分が住宅ローン控除との併用をどのように行ったらよいか、それでも迷うという方や金額の試算のやり方に不安があるという方は、直接、専門家に相談するのも1つの方法です。

方法1:税理士に相談

税金に関しての一番の専門家は税理士です。他の専門家が具体的な税金額についてお客さまに話すことは法令上できません。突っ込んだ税額や所得控除について確認されたい場合は、税理士の方に相談するようにしましょう。

方法2:ふるさとチョイスCaféの利用

ふるさと納税の民間業者である「ふるさとチョイス」では、ふるさと納税に関する体験に加えて個人相談ができたりセミナーで学ぶことのできる「ふるさとチョイスCafé」という実施店舗

勘違いしやすい点に関するまとめ

以上、ふるさと納税と住宅ローン控除について記載してきましたが、特に注意するべき点についていくつか記載します。

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できないと思い込む

ふるさと納税と住宅ローン控除は前述の通り、所得控除になる点は同じでも性質は異なります。2つを合わせて上限金額を決めるわけではありませんし、別々の制度の利用の併用を妨げるルールもありません。

ふるさと納税による控除と住宅ローン控除の合計金額が必ず所得控除されると思い込む

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できると理解していても、無条件に併用できるわけではありません。

上記の具体例でも記載しました通り、住宅ローン控除で所得税と住民税がフルに控除できる場合等のケースでふるさと納税を行うことで、トータルの減税額に影響があるケースもあります。併用する場合はトータルの減税額を確認する必要があります。

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合は必ず確定申告が必要と思い込む

サラリーマンの方であれば、住宅ローン減税利用2年目以降かつ、ワンストップ特例制度にてふるさと納税を行うことを条件に、確定申告は不要とすることができます。

住宅ローン控除は年末調整、ワンストップ特例制度についてはその申請書を年始に手続きすることで確定申告を不要とする余地があります。

ふるさと納税と住宅ローン控除の併用に関するまとめ

ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できますが、個々のケースによって控除金額の総計や税金の手続き方法が異なります。相互に関係性があるので、併用する場合それぞれどう作用するかおおまかな形を把握しておくとよいです。

まずは、ご自身がどのパターンに当たるかを確認し、必要な対応1つ1つ進めていきましょう。

元記事で読む
の記事をもっとみる