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「彼は弱いから仕方ない」は間違い。我慢ばかりの恋愛を断ち切った女性の体験談

  • 2019.12.10
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お付き合いしている男性がいるけれど、すぐすれ違っていつもケンカになってしまう。つらい思いをしても「好きなら仕方ない」と思ってしまうのは、依存している証拠かもしれません。ある女性は、そんな交際に疲れた自分を見つめ直し、彼氏と別れる決断をしました。不毛な恋愛から抜け出すきっかけとは、何だったのでしょうか。

■「俺は弱いんだ」を振りかざす彼

35歳のある女性は、ジムで知り合った男性とお付き合いをしていました。

一緒に筋トレをしたりレッスンを楽しんだり、ジムでは明るくて積極的に運動を楽しむ彼に、彼女は「前向きな関係が築けそうだと思った」と言います。男性のほうからも好意を向けられるようになり、お付き合いに発展したのは自然な流れでしたが、問題はそれから。

いざ恋人関係になると、彼女はジムでは見ることのなかった彼の“本当の顔”を知ることになります。それは、好きなことには没頭して楽しめるけど、普段は引っ込み思案で自分から誰かを誘うような社交性がなく、女性に対しても臆病で自分からは行動しない、「傷つきやすくすぐ自分の殻に閉じこもりがちな性格」でした。

LINEや電話をするのはいつも彼女からで、その度にしっかり応えてはくれるけれど、彼のほうから愛情表現と呼べるものは少ない。「好きだ」という言葉も言いたがらないし、デートのときも「これからどこ行く?」と彼女任せで、ふたりの時間をリードしてくれる姿はない。それが、彼女にとってはショックで物足りなさを強く感じる点でした。

「お互いに休みだってわかっているのに、彼からはLINEのひとつもないの。私が『今日はひとりなの』ってLINEしてみても『そうなんだ。俺は買い物に行くつもり』ってだけで、誘ってもくれないのよ」と、彼女はため息をついて話します。彼に対する違和感は「絶対に自分からは声をかけないかたくなさ」でした。

彼女がひとりだとわかっても、そこに関心は示さず自分の用事だけを伝える。それは、彼女にとってみれば「会う気がないのだな」と思っても仕方ないですが、たとえば彼女が「ランチでもどう?」と尋ねると必ずOKをくれるのが、混乱の元でした。

「『会う気持ちがあるのなら、たまには誘ってほしい』って何回か言ったのよ。そうしたら、『声をかけるタイミングがわからない』とかそればっかり。で、最後は『そういうのに慣れていないんだから、仕方ないだろ!』ってキレるの」

彼は、彼女に「行動しない自分」を責められたと感じるとすぐに怒り、

「会いたければどちらから誘ってもいいだろう」
「こだわりすぎ」
「俺だって怖いし弱い人間なんだ」

と言い訳のオンパレードが始まり、衝突するのが嫌でいつしか彼女は彼からの誘いは諦めます。ですが、自分の怒りで黙り込む彼女を見て、彼はどんどん「待っていれば彼女のほうが動いてくれる現実」に甘えていきました。

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■「好きなら我慢するしかない」

それからは、彼女が連絡しなければ彼からのLINEは週に二度ほど、それも短いやりとりで終わって、お互いの近況について何も話さないような日々になります。気がつけば休日もその前日も、連絡を取り合わないことが当たり前になり、たまに彼女のほうから「明日もお仕事がんばろうね」とLINEすれば「あなたも」とそっけない返事がくる程度。

それでも、彼女は彼のことを諦めきれず、中途半端な距離感のまま「当たり障りのない会話で気持ちをつないで」いました。彼女にとって、救いは「私が誘えば必ず会ってくれる彼の愛情」でした。だからたまにランチに誘って顔を見れば、「好きだから来てくれるんだ」と安心しますが、やはり彼から「まだ一緒にいたいね」という言葉は聞けず、食事が終わればお店の前で解散するような寂しい時間ばかりが彼女を追い詰めていきました。

「本当に好かれているのだろうか」
「これで付き合っているといえるのだろうか」

彼女は、かたくなに自分からは歩み寄ろうとしない、自分と一緒に過ごしたがる気配のない彼への不安を解消したくて、休みの日に突然彼の家を訪ねるような行動にも出ます。そうするしか彼の愛情を確かめるすべはなく、そしてそんな自分を黙って部屋にあげてくれる彼の姿を見て、やっと安堵を得るのでした。

ですが、彼から“笑顔で”「いつでも来ていいから」と言われたとき、彼女はふたたび大きな違和感を覚えます。「ねぇ、いつでも来ていいからと言ってくれるのはうれしいけど、あなたは私に会い行こうとは思わないの? そもそも、彼女がこんな行動に出ることを、あなたは何とも思わないの?」

思わず口をついて出た言葉は、我慢し続けた寂しさが爆発したものでした。「こんなやり方をする私を見て、満足そうな顔をする彼を見たら、もう限界だった」と彼女は言いましたが、そのときにはっきりと「なんて不毛な関係なんだろう」と思ったそうです。

そして、そんな彼女を見た彼の答えは、

「会いたいって押しかけてきたのを受け止めた俺の気持ちは? 好きだから来ても断わらないんだって、どうしてわからないの? 俺だって誘いたけど、拒否されるのが怖くて動けないって前も話したじゃないか。俺は弱い人間なんだよ、それが悪いのかよ!」

と、“なかば予想通りのキレた姿”を見せるのでした。

■「報われないと気がすまない」を捨てる勇気

彼女は、泣きながら「俺は弱い人間だって、それなら私の気持ちはどうなるの? 彼の気持ちを汲んで従い続けるのがお付き合いなの? こんなに一生懸命やっているのに、どうして私ばかりこんな思いをしなくちゃいけないのよ!」と苦しい気持ちを吐き出していました。

いつまでも抑えつけられる寂しさも悲しみも、彼のことが好きで「こちらから誘えば会ってくれる彼の愛情」を少しでも感じることで何とか気持ちを保つことができていました。ですが、どんなに行動を起こしても、彼に愛情を伝えても、彼のほうは一歩も動かずに「弱い自分」を正当化し続けます。

その姿こそ彼女にとって「不毛」であり、これ以上一緒にいても幸せな交際はできない、という実感を与えられるものでした。「相性が悪いのだから、早く別れればいいのに」と思いますが、衝突を繰り返しても彼女が関係を断ち切れないのは、「こんなにつらい思いはいつか報われないといけない」と無意識に思い込んでいるからです。

「私は悪くない、こんなにがんばっているのだからこのつらさは報われるべき」。そんな“つらさの元を取るまでは引き下がれない”悔しさが、彼女を苦い関係に縛り付けていました。これが依存であり、「彼は私に責任を取るべき」と思い込むことで、彼女自身が不毛な努力を重ねていたのです。でも、どんなに片方が努力したところで、相手が応えない限り現実は変わりません。

本当に愛情があるのなら、幸せなお付き合いを目指すなら、パートナーの不安や寂しさを放置する人はいないでしょう。それを「弱いから」と“動かない自分”を相手に押し付けて受け身に徹するのは、決して正しいあり方とはいえません。彼女にとっては「自分の誘いに応えてくれる彼」だけが、愛情の証でした。そして、「行動しないことを責めればすぐキレる姿」に嫌悪感を持ちました。

この感情の不毛さを実感したとき、彼女ははっきりと彼との別れを決意します。それは、「報われるべき自分」を諦め、何よりもまず自分を愛する気持ちを取り戻した瞬間でした。

「これ以上付き合うのは無理。」彼女は、彼に会いに行きそう伝えます。「私がもう耐えられないから」と言う彼女に、彼は「じゃあ仕方ないね」と“ふてくれさたように”投げやりな言葉を放ったそうです。それを見て、彼女は自分の決断が間違っていないことを改めて確信しました。

別れを決めた自分を見ても決して変わろうとはしない彼は、それこそ「不毛な交際」の塊に見えたそうです。

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■恋愛はまず「自分自身が幸せになる」もの

不倫や浮気のように後ろめたい関係でなくても、パートナーの心のあり方がおかしくて関係がうまくいかない例は山ほどあります。

「これはおかしい」と寂しさや悲しみを感じる瞬間があっても、愛情に引っ張られると相手の姿をまっすぐ見ることができず、気持ちを抑圧することで歩み寄ってしまうのが、不毛な恋愛です。

その姿が相手にとって「自分はこれでいいんだ」と間違った安堵へつながり、変化を求めることからどんどん遠ざかります。パートナーの抑えつけられた悲しみも、自分に向けられる非難も、すべて「自分は悪くない」がベースにある限り、相手は決して受け入れようとはしません。

がんばるほどに「報われるべき」というつらい願望が心に蓄積し、それに反して関係はどんどん悪化していきます。自ら傷を受けることを当然とすれば、心はいずれ壊れてしまうでしょう。

恋愛は、まず「自分自身が幸せな状態である」ことが大切です。ふたりの関係を良くするためにはお互いの努力が欠かせず、片方だけに変化を押し付けるのは決して対等ではありません。

つらい気持ちの元は取れません。今のつらい状態を選んでいるのが自分である限り、「報われるべき」はずっとかなうことはないのが現実です。

それを忘れず、「これ以上は無理だ」と思ったら潔く離れる勇気を持つのが、自分を愛するための一歩になります。その心こそ、本来の恋愛を楽しめる基本になるのだと信じたいですね。

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