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再婚・・・どうすれば子どもに納得してもらえる?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.12.8
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうのお悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からピックアップして、ひとみしょうさんが男性ならではの視点でお答えします。

〜「しょうなさん 45歳」のお悩み〜

お世話になります。

お互いバツイチで、お付き合いして2年になります。相手には18才、15才(ともに男/18才はひとり暮らし、高1の 15才とは同居)。

私の子どもは23才、19才、14才(上2人兄姉は県外でひとり暮らし、14才の中3とは同居)。

お互いに下の子どもと別々に暮らしていますが、私の子が高校に入るタイミングで結婚しようとお互い思っています。その際は、相手の家に引っ越ししようと思います。

しかし、以前、私の子に引っ越しすると話ししたら、引っ越しは嫌だと言われました。

長年住んできた家を離れたくないのか、再婚に反対しているのか。

子どもに何回か引っ越しの話しをしようとしても、聞いてくれません。

子どもの気持ちもわかりますが 私は引っ越しをして幸せになりたいのです。

どうしたら子どもは理解して引っ越し、再婚に納得してくれますか?

あと半年もないので悩んでいます。良いアドバイスを頂けませんか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

これはぼくにはよくわからないですね。

まず、よその家庭の内情は、ほぼ100%といっていいくらいわかりません。

それに、ぼくには子どもがいないので、子どものことなどさっぱりわかりません。

がしかし、ぼくにも(他の全員と同様に)子どもだった頃があるので、その頃の記憶を引っ張り出してきて、どうにかお答えしたいと思います。

ちゃんと抱きしめてあげること

まず、相談メールの内容を簡略化して言うなら、引っ越しに反対するお子さんは、いわゆる反抗期だと言えると思います。簡略化のしすぎかもしれませんが、とりあえずお子さんは反抗期だというところから話を始めさせてください。

他人の家庭の内情はもとより、他人の子が親をどう思っているのかなんて、皆目わからないので。

反抗期の子どもにどう向き合うべきか?

自分が子どもだった頃に「こんな親だったらよかったのに」と思った「こんな親」とは、つかず離れずの距離感でいてくれる親でした。

なので、引っ越し(や再婚)に反対しているのではないかと思われるお子さんに、しょうなさんは、つかず離れずの距離感でいるというのが、まず大切なのではないかと思います。

親という字は、木の上に立って見ると書きますとよく言われますが、常につかず離れずの距離から子を見守る、つまり子どものことを常に意識する――この姿勢がまず大切なのではないかと思います。

そして、次に大切なのは、なにかあればちゃんと抱きしめてあげることではないかと思います。

木の上に立って常に子を見ている親の存在を子どもは感じています。がしかし、そこは反抗期ですから、「いつもわたしのことを監視しやがって」とか「ぼ~っと見てんじゃねぇよ」などと子どもが言わないとも限りません。

だから「わたしはあなたのことを愛しているのだよ」というのが子にわかるように、ことあるごとにちゃんと抱きしめてあげる――これが大事なのではないかと思います。

「選べなさ」に大人も子どももない

ほかになにか子どもに対してできることがあるのかと言えば、ぼくはないように思います。

親が自分の意に反する相手と再婚するのがイヤだ、そもそも自分の親が知らない人と再婚するのがイヤだ、自分が慣れ親しんだ家を離れるのはイヤだ――子どもが仮にそう思っていたとしても、それは究極的には、子どもにあきらめてもらうしかないことだからです。

もちろん、親は子を庇護する義務があります。がしかし、誰と庇護するのかとか、どこで庇護するのか、というのは、親がそれらを選ぶ権利を持っているのであって、原則的には子どもは持っていません。

だから、親の再婚とか、親の再婚相手とか、住む場所というのは、子どもとしては選べないものとして受け入れるしかないのです。

冷徹なことを書いているのはわかっています。がしかし、大人も子どもも、人は誰しも「選べなさ」を選べないものとして受け入れないと生きていけないのです。

再婚することを説得的に語る?

木の上に立って子を見ること(常に子どものことを意識すること)、そして必要に応じて子どものことをその温かな両腕で抱きしめてあげること。

この2つ以外に、きっと、親であるしょうなさんがお子さんにできることはないとぼくは思います。

再婚することを説得的に語る? そんなことをしたらお子さんはますます再婚に反対するでしょう。

再婚相手と仲良くできるように仕向ける? そんなことをしたら、お子さんは表面上だけうまくやっていくテクニックをますます磨くでしょう(そして長年にわたり、誰に対しても心を閉ざすでしょう)。

引っ越しについてよく話し合う? きっとお子さんは話し合いの間じゅう、ずっと口をつむぎ続けるでしょう。

大人も子どもも、じつは同じ

何が言いたいのかといえば、お子さんもしょうなさんも、精神的には同じ条件下にいるということです。

子どもだからとか、大人だからとか、そんなこと関係ないのです。そう思うことじたいが、子どもに失礼です。

人生の予期せぬ変化を前に、子どもは子どもで恐れおののき、親は親で恐れおののいているということです。

子は子で、そのデリケートな心で精一杯ものを考えています。毎日毎時間毎分、おそらく死にたい思いで自分の人生について考えていることでしょう。

親であるしょうなさんもきっと同じでしょう。

だから、木の上に立って子を見守るのはもとより、必要とあらば、その温かな両腕で子を抱きしめるしかない、としか言えないとぼくは思います。

(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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