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東京はクラシックのホットスポット! 絶対逃がせないオケ&バレエの4公演

  • 2019.12.3
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東京のオーケストラがかつてないほど熱い。世界的な一流指揮者を音楽監督に迎え、来日する海外オーケストラに負けないくらい、感動的でハイレベルなコンサートを行っている「在京オケ」を、今聴かないのはもったいない!

ここでは、“東京”の名を冠したオーケストラの注目公演と、生オーケストラも楽しめる“東京”バレエ団を紹介しよう。


オケの信頼篤いマエストロとの 満を持してのスペシャル「第九」

ジョナサン・ノット×東京交響楽団 auカブコム証券 presents『第九』2019

年末恒例のベートーヴェン『交響曲第9番《合唱付》』を聴くなら、東京交響楽団がおすすめ。

2014年から音楽監督を務めるジョナサン・ノットはイギリス出身の指揮者。ウィーン・フィルやベルリン・フィルなどヨーロッパの一流オケに頻繁に登場する彼が東京のオーケストラのシェフに就任したときは大きな話題になった。

ノット氏自身が東響(東京交響楽団)の響きに魅了され、任期を延長するほどの相思相愛ぶりなのだ。ノット時代に入ってオケのファンも増え、定期演奏会の熱気も凄いことになっている。

音楽監督ジョナサン・ノット。撮影:池上直哉

東響とのベートーヴェンの『第九』はこれが初となり、大きな注目を浴びているが、オケを限界まで挑戦させ、次々と古いカラを突き破ってきたノットだけに「どんな名演になるのか?」と大きな期待が寄せられている。

噂によるとオケはコンパクトな編成で、ありきたりではない個性的なアプローチになるらしい。声楽ソリストも充実しており、有名なオペラ歌手のサイモン・オニールも参加。「クラシックの殿堂」サントリーホールでの二晩は、特別な感動に包まれるはずだ。

ジョナサン・ノット×東京交響楽団
auカブコム証券 presents『第九』2019

●2019年12月28日(土) 18:30開演
●2019年12月29日(日) 14:00開演
会場 サントリーホール
問い合わせ先 TOKYO SYMPHONYチケットセンター
電話番号 044-520-1511
http://tokyosymphony.jp/

心に沁みる豊かな サウンドの「第九」

東京フィルハーモニー交響楽団 令和元年特別『第九』演奏会
©上野隆文

1911年に創立された「日本最古のオーケストラ」東京フィルハーモニー交響楽団。

人気の定期演奏会のほかに、オペラのピットにも頻繁に入り、ヨーロッパの本場の歌劇場に劣らぬ優れたサウンドを醸し出す彼らは、世界的なマエストロと強い絆を保つオケとしても有名だ。

イタリアものからロシアもの、ドイツものまで幅広く演奏し、色彩豊かなハーモニーで聴衆を楽しませてくれる。

年末恒例のベートーヴェン『第九』で指揮台に立つのは、オケと長年の信頼関係で結ばれた名誉音楽監督チョン・ミョンフン。

現在の東京フィルの幹となるサウンドは、長年アドバイザーとして関わったマエストロ・チョン・ミョンフンが基礎を作り上げたとも言われている。

名誉音楽監督チョン・ミョンフン。©上野隆文

大地の息吹きと地熱を感じさせる雄大な音は、オーケストラの貴重な財産だ。

『第九』はベルリンの壁が崩壊したときに象徴的な「平和と友愛」の音楽として演奏されたが、マエストロ・チョン・ミョンフンと東京フィルは令和のはじまりを祝福する曲としてこれを奏でる。

声楽ソリストにはワールドワイドに活躍する日本人歌手たちが選ばれ、合唱は最高のクオリティを誇る新国立劇場合唱団。

エルガーの『戴冠式頌歌』より第6曲「希望と栄光の国」が演奏されるのも、他の『第九』演奏会にはない試みだ。

マエストロと東京フィルが令和元年の年末に贈る特別プログラム。成熟したパートナーシップが聴かせる、栄えあるコンサートとなるはずだ。

東京フィルハーモニー交響楽団
ベートーヴェン『第九』特別演奏会

●2019年12月19日(木) 19:00開演
会場 東京オペラシティコンサートホール

●2019年12月20日(金) 19:00開演
会場 Bunkamura オーチャードホール

●2019年12月21日(土) 19:00開演
会場 サントリーホール

問い合わせ先 東京フィルチケットサービス
電話番号 03-5353-9522
https://www.tpo.or.jp/

オケと一流指揮者の ケミストリーを体験

東京都交響楽団×アラン・ギルバート 定期演奏会、都響スペシャル

2020年の東京オリンピックを前に、熱い注目を浴びているのが「都響」こと東京都交響楽団。

ハイセンスなアンサンブルと意欲的なプログラミングで熱狂的なファンを持つこのオーケストラは、1964年の東京オリンピックを記念して翌1965年に設立された。

関東圏のオーケストラの中でも、都響は上品で格式のあるサウンドに定評があり、知的でスタイリッシュな音楽性が特徴的。

オーケストラファンといえば、声楽や他の器楽演奏に比べて圧倒的に男性が多いが、都響の美意識に魅力を感じて定期公演に足を運ぶ女性ファンが急増中なのだ。

首席客演指揮者アラン・ギルバード。©Rikimaru Hotta

首席客演指揮者アラン・ギルバートの出演回は必聴。ニューヨーク・フィルの音楽監督も務めたギルバートは、ゴージャスな都響サウンドを完璧に引き出すことで定評があり、メンバーからも篤い信頼が寄せられている。

12月の定期公演では、リスト、バルトーク、現代音楽家アデス、ハイドンを並べた個性的なプログラムと、マーラーの『交響曲第6番イ短調《悲劇的》』を採り上げる。

マーラーのシンフォニーは都響が何度もツィクルス(連続演奏会)で採り上げてきた特別なレパートリーで、新たなパートナーであるギルバートとの共演に期待はふくらむ。

無限の可能性を秘めた指揮者とオーケストラの「化学反応」に注目。理屈を超えて聴く者の精神を揺さぶる、マーラー6番のメランコリックな世界に浸りたい。

東京都交響楽団×アラン・ギルバート

●第892回定期演奏会Cシリーズ
2019年12月8日(日) 14:00開演
会場 東京芸術劇場コンサートホール

●第893回定期演奏会Aシリーズ
2019年12月9日(月) 19:00開演
会場 東京文化会館

●都響スペシャル
2019年12月14日(土) 14:00開演
会場 サントリーホール

●第894回定期演奏会Bシリーズ
2019年12月16日(月) 19:00開演
会場 サントリーホール

問い合わせ先 都響ガイド
電話番号 0570-056-057
https://www.tmso.or.jp/

師走の風物詩が37年ぶりに刷新!

東京バレエ団『くるみ割り人形』

師走のオーケストラの風物詩が『第九』なら、バレエのそれは『くるみ割り人形』。

チャイコフスキーの華麗な音楽に乗って、カラフルな聖夜のファンタジーが繰り広げられる「くるみ」は、子供だけでなく大人の心も楽しませてくれる。

今年大きく注目されているのは、37年ぶりにリニューアルされる東京バレエ団のプロダクション。

創立55周年を迎えるにあたり、芸術監督・斎藤友佳理氏のもと昨年末から着々と新制作の準備が進められている。

装置と衣装はロシアで新しく製作され、演出と振付も新しくなるというフレッシュな版だ。

東京バレエ団は、頻繁に海外公演を行っている国内唯一のバレエ団で、レパートリーもクラシックからコンテンポラリーと幅広く、偉大な振付家モーリス・ベジャールは彼らのために『ザ・カブキ』『M』といったオリジナル作品を振り付けた。

ぴったり美しく揃ったコール・ド・バレエ(群舞)は、世界中のバレエ団の模範となるものと高く評価されている。

バレエの「魅せ方」もクオリティが高く、今この時代にどんなバレエを上演すべきか、とても鋭いセンサーを持っているのだ。公演に足を運ぶたびに「このバレエ団は凄い」と思う。

3日間の公演で主役を踊る3組のカップルはそれぞれ違った個性があり、女性ダンサーも男性ダンサーも魅力的だ。

プリンシパルとして安定した踊りを見せる二組と、最終日には初役となる若手ペアも登場。どの日を選んでも外れなしの公演だ。

東京バレエ団『くるみ割り人形』

●2019年12月13日(金) 19:00開演
●2019年12月14日(土) 14:00開演
●2019年12月15日(日) 14:00開演
会場 東京文化会館
問い合わせ先 NBSチケットセンター
電話番号 03-3791-8888
https://www.nbs.or.jp/

小田島久恵(おだしま ひさえ)

音楽ライター。クラシックを中心にオペラ、演劇、ダンス、映画に関する評論を執筆。歌手、ピアニスト、指揮者、オペラ演出家へのインタビュー多数。オペラの中のアンチ・フェミニズムを読み解いた著作『オペラティック! 女子的オペラ鑑賞のススメ』(フィルムアート社)を2012年に発表。趣味はピアノ演奏とパワーストーン蒐集。

文=小田島久恵

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