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ワンルームマンション投資は高リスク?失敗しないためのポイントをFPが解説

  • 2019.11.28
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アパート、ビル、貸家など不動産投資にも様々な投資先がありますが、中でもサラリーマンなどに人気なのがワンルームマンションです。

ワンルームマンション投資はサラリーマンと相性がいいと言われており、不動産投資の初心者でも比較的簡単に始められることから興味を持つ人が増えています。

そこで本記事では、ワンルームマンション投資のメリット、デメリット、リスクなどについてわかりやすく解説します。

ワンルームマンションは不動産投資の王道

不動産投資といえばアパート一棟投資やビル投資などもありますが、ワンルームマンション投資にはどのような特徴があるのでしょうか。

ワンルームマンション投資の仕組み

不動産投資をしようと考えた際に一番ネックになるのが資金的な問題です。

アパートやマンション一棟に投資しようとすると、規模によっては億単位の資金が必要になり、たとえ融資を受けられたとしても金額の大きさに躊躇してしまうことがあります。

対してワンルームマンション投資の場合、マンション一棟ではなく一部屋単位で購入することができるため、投資資金を大幅に抑えることができ、年収400万円程度の一般的な収入のサラリーマンでも気軽に投資することが可能です。

このように一部屋単位で購入できるタイプのマンションのことを分譲マンション区分マンションといい、区分マンションを所有することを区分所有といいます。

ワンルームマンションの相場と最近の傾向

一棟ものの投資が億単位だとすると、ワンルームマンションは都内の新築で2,500〜3,000万円程度、中古で郊外になれば500〜1,000万円という非常に手頃な価格から投資をすることができます。

最近の傾向としては東京オリンピック効果などもあり、東京都心部のワンルームマンションについてはかなり値段が高騰しており数年前に比べるとかなり割高な状況です。

対して、万博の開催が決定した大阪については、場所によっては東京都の半分くらいの価格で購入することができるような状況なので、今後のトレンドは東京オリンピックの終了とともに、未だ割安感があって将来性のある大阪に移るのではないかと言われています。

新築物件と中古物件どっちがいいの?

初めて不動産投資を始めるという方から「やっぱり新築を買ったほうがいいんですよね」とよく言われれるのですが、実際のところその真逆である事のほうが多いです。

確かに新築は全ての設備が新品ですので、賃貸募集をしても入居者はすぐに決まりますし、しばらくの間は修繕などのリスクもありません。

何より長期的な保有をイメージしやすいこともあり、初めて不動産投資をするという方の多くは新築物件に投資しようとする傾向があります。

ですが、都内の新築物件についてはかなり価格が高騰しているため、利回りを考えるとあまりおすすめできないのが正直なところです。

東日本大震災の影響にみる新築価格の高騰

2011年に発生した東日本大震災の影響で、建築資材や人材については最優先で復興に回されることになりました。そのため、都内でワンルームマンションを建てようとすると、震災前と同じ規模のマンションでも建築費用が1〜2割程度高くなってしまったのです。

建築費用が高くなればその分はマンションの販売価格に上乗せされてくるため、結果として震災前に比べて物件価格が高騰していくことになりました。た

だ、家賃相場については震災前と後で何ら変化はないため、物件価格が高騰した分だけ利回りが悪くなってしまったのです。

最近の都内近郊の新築物件については、実際に利回り計算をすると4%を下回っていることが多いため、ローンの返済をするとキャッシュフローが赤字になってしまうというケースも少なくありません。

新築価格には宣伝広告費用も含まれる

震災の影響以外で新築物件と中古物件で決定的に違うのが宣伝広告費用の有無です。新築物件については、不動産会社が物件を企画建築して一部屋ごとに投資家に対して販売していきます。

マンションを売るためには大量のパンフレットを作成したり、モデルルームを作ったりと宣伝広告に多額の予算が必要になります。

そしてそれらの予算は全て販売価格に上乗せして計算されているのです。つまり計算式にすると次のようになります。

  • 新築物件価格=建築費用+広告宣伝費用

対して中古物件については個人が売主のケースが多いので、その時の周辺相場に合わせて募集に出すくらいで経費を価格に上乗せして考えることはまずありません。

このように新築物件の価格には、本来の物件の価値以上の価格が上乗せされていることからもともと価格が割高なのです。

中古物件の特徴とは

中古物件というと古いというイメージが強いかもしれませんが、昔に比べて昨今の建築技術は向上していますので築15年〜20年くらいのマンションでも、家賃さえ相場に合わせて見直せば何の問題もなく賃貸経営していくことが可能です。

日本人は昔から新築を好む傾向があるため、新築物件の価格が割高で中古物件の価格が割安という状態が今も続いています。

家賃について見てみると、新築後5年間くらいを除けば家賃相場はそこまで大きく変わらないため、利回り計算をすると中古物件の方が圧倒的によいのです。

都内のワンルームマンションでいうと、新築物件では利回り3〜4%くらいしかいきませんが中古物件であれば6%を超える可能性もあります。

そのため、無理をして高い新築物件を購入するよりも手ごろな中古物件を購入した方が、投資として考えた場合は賢い選択なのです。

ワンルームマンション投資のメリットとは

ワンルームマンション投資の特徴が分かってきたところで、ここからはワンルームという間取りについて注目していきたいと思います。

そもそもマンションの間取りにはワンルーム以外にも1LDKや2LDKなどもっと大きなサイズのものもありますが、なぜ投資で考えた場合にワンルームマンションが人気なのでしょうか。

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メリット1:空室リスクが低い物件である

不動産投資をするにあたって最も懸念されるリスクが空室リスクです。

空室が発生するとその間は家賃収入が途絶えることになるため、できる限り空室期間を短くすることが不動産投資で成功するための永遠のテーマと言えます。

特に区分マンションについては1部屋単位で所有しているため、空室になると投資家によっては収入が一気にゼロにまで落ち込んでしまいます。

1棟10戸のアパートを所有している投資家であればその内の1部屋が空室になったとしても、他の部屋の家賃収入などでカバーしてローンを返済していくことができますが、区分マンションの場合はカバーすることができないので自らの給与収入などから持ち出して返済しなければなりません。

ワンルームは空室期間が短い

ワンルームについては1〜3月という不動産繁忙期はあるものの、概ね1年を通してある程度の需要があり、空室になっても1〜2ヶ月の間にすぐに決まることが多いので空室が長期化するリスクは低いです。

一方2名以上で住むような広めの間取りの部屋については、ワンルームのような極端な繁忙期がありません。

また、2名以上で部屋探しをするケースではお互いの意見がなかなかまとまらないこともあり、ワンルームに比べると即決で契約になりにくく、長期的にじっくり腰を据えて部屋探しをする傾向があります。

なぜなら、広めの間取りで検討している客層の多くは、賃貸だけでなくマイホームの購入という選択肢も含めて総合的に検討することが多いからです。

以上のような理由から、広い間取りについては一度空室になると次の入居者が決まるまでに時間がかかってしまい、空室が長期化する可能性もあるので、空室リスクが低いワンルームの方が主流になっています。

メリット2:コストが抑えられる

ワンルームマンションはとにかく価格が手頃なので、初心者投資家でも躊躇なく購入することができますが、広めの間取りになると価格が一気に高くなり、ワンルームマンション投資の特徴である低価格での購入が難しくなります。

また、購入する際のコストだけでなく購入後の修繕リスクについても注意しなければなりません。

間取りが広くなるということは、エアコンなどの諸設備の数も増えるため、将来的にはそれらが故障した際の修理費用や交換費用などのコストについてもワンルームより割高になります。

ワンルームマンション投資のデメリットとは

ワンルームは他の広い間取りに比べてコンパクトであることから、低コストでパフォーマンスが良いというメリットがありますが、一方で次のようなデメリットもあります。

物件によってはキャッシュフローが赤字になることも

東京都内であればワンルームでも8〜10万円前後の家賃を設定することも可能ですが、地方や郊外の中古物件ともなると場所によっては3〜4万円程度の家賃が相場というケースもあります。

区分マンションについてはマンションを維持管理していくために、管理費や修繕積立金といった費用を毎月各区分所有者が支払っていかなければなりません。

これらのコストは新築時こそ1,000円程度ですが、築年数が古くなってくると1万円くらいに値上がりしていくことが多いので、高い家賃が取りにくいワンルームについてはキャッシュフローが赤字になる恐れがあるのです。

ワンルームマンション投資に潜むリスクを徹底解説

ワンルームマンション投資は不動産投資の中で比較するとローリスクなので初心者投資家におすすめですが、リスクが全くないわけではありません。

ここでは、実際にワンルームマンション投資を始めるにあたって最低限知っておくべき失敗例などについて解説していきたいと思います。

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利回り計算を間違えて失敗するケース

不動産投資をする際には、必ず利回りを計算してどの程度の収益性がある物件なのかについて、事前に他の物件と比較して検討します。利回りとは賃貸経営における年間収益に対する購入価格の割合のことで、計算式にすると次の通りです。

  • 利回り=年間収益➗購入価格×100

例えば、年間収益100万円の物件を2,000万円で購入した場合、利回りは5%となります。

初心者投資家の中には、5%の利回りが実際の利回りだと考えて投資する人がいるのですが、実は本当の利回りはもっと低くなるのです。

控除すべき3つの項目

先ほどのように賃貸経営にかかる経費を一切無視して計算した利回りのことを表面利回りといい、経費を控除した上で計算した利回りのことを実質利回りといいます。

不動産投資における実際の利回りは実質利回りになるため、失敗しないためには下記3つの項目についても収益から控除して利回りを考えて、キャッシュフローに余裕を持たせることが重要です。

【年間収益から控除すべき3つのリスク】

  1. 管理費、修繕積立金 毎月の管理費と修繕積立金の金額を家賃から控除します。
  2. 空室リスク 1年あたり0.5ヶ月程度の空室期間を見込んで年間家賃収入から控除します。
  3. 修繕リスク 年間家賃収入の5%程度を修繕費として見込んで控除します。

これら3つの項目を加味して実質利回りを計算すると、表面利回りよりもかなり低い数値になることと思います。それが実際の利回りなので、その利回りでキャッシュフローが回らないようであれば購入しない方がよいでしょう。

無理をして買うと最悪破産する可能性も

不動産投資はローンを組んで投資をするため、収益を上げる以前にローンを確実に返済できる見込みがあることが大前提となります。

ところが、初心者投資家の中には気に入った物件が見つかると実質利回りをきちんと計算せず、表面利回りを実際の利回りだと勘違いしたまま購入してしまうことがよくあるのです。

そうなると、毎月の家賃収入だけでローンを返済していくことが徐々に厳しくなり、空室が発生した段階で完全にキャッシュフローが回らなくなって自己破産に追い込まれるというケースが多々あります。

私の周りにも不動産投資で自己破産した人が何人かいますが、「購入当初から予定していた利回りよりもだいぶ低かった」という言葉を皆さん口にします。

不動産投資で自己破産に追い込まれてしまうのは、購入後に何かトラブルが起きたわけではなく、購入前の段階における利回り計算やキャッシュフローのシミュレーションが極めて甘いことが原因です。

ワンルームマンション投資に関するまとめ

ワンルームマンション投資は初心者でも気軽にできるという敷居の低さが特長でありメリットですが、それはあくまでチャレンジできるというだけであって、誰でも成功できるという意味ではありません。

成功するためには最低限の知識として、先ほどの利回りに関してはよく理解し、購入後にどのようなキャッシュフローになるのかについてできる限り正確にシミュレーションした上で、資金計画に余裕を持って始めることをおすすめします。

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