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両立するのは女性だけ!?「仕事と家庭の両立」調査でみえてきた問題点【パパママの本音調査】 Vol.352

  • 2019.11.18
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共働き家庭の数は年々増え続けていて、女性の社会進出の必要性が訴えられている今日この頃ですが、パパやママたちの中には、まだまだ働きにくいと感じている人もいるかもしれません。

今回は、パパやママたちに仕事と家庭の両立において何が重要なのか、アンケートをもとに考えてみたいと思います。

■仕事と家庭の両立で一番重要なものは?

アンケートでは、仕事と家庭の両立で一番重要なものについて聞きました。その結果、「パートナーの協力度合い」と答えた人がもっとも多い47%。全体の半数近くの人たちが、パートナーの協力が不可欠だと考えていることがわかります。

二番目に多かったのは、25%から声を集めた「職場の制度や雰囲気」で、職場を重視していることがわかりました。

続く「自分自身の意識」、「社会制度や雰囲気」、「保育施設問題」、そして「実両親/義両親の意識」はいずれも約1割程度かそれ以下となり、回答にはばらつきが見られました。

Q.仕事と家庭の両立で一番重要なものは?
パートナーの協力度合い 47.0%
職場の制度や雰囲気 25.0%
自分自身の意識 11.6%
社会制度や雰囲気 6.4%
保育施設問題 3.5%
その他 3.4%
実両親/義両親の意識 3.2%


■仕事と家庭の両立の鉄則1、「できる方がやる!」



まずは、もっとも多かった「パートナーの協力度合い」を重視する声を紹介します。

「うちは核家族だから、旦那さまさまでした。子どもはすぐ体調壊すし、大きくなれば習い事の送迎もある。料理はしない旦那ですが、洗濯、ゴミ捨ては毎日手伝ってくれるので、ありがたいです」(茨城県 30代女性)
「うちは、できる時間のある方が家事や子どもたちの事をするようにしています。子どもたちも、自分たちのことや、洗濯物を畳んだり、できる手伝いはしてくれています」(三重県 40代女性)
「仕事の時間が朝早かったり夜だったりするので、主人の協力がないとやっていけません。子どもたちの学校の送迎はを手分けしたり、子どもの学校の準備を手伝ってもらったり、食事を作ってもらうこともあります」(茨城県 40代女性)
「ダブルワークを始めたので、主人に勇気をだして『家事を1つでもいいから手伝ってほしい』と言いました。それ以来洗い物係としてやってくれています」(神奈川県 40代女性)

ほかにも、「子どもが小さいので、病気や行事のときは旦那さんに有給休暇を利用して休んでもらうときもある」というコメントもありました。どの夫婦も、「できる方がやる」というスタンスで、うまく協力し合って、仕事と家庭の両立を実現しているようです。

ただ一方で、「パートナーの理解が得られない」という切実な意見も寄せられていました。

「結婚して38年。料理がまったくできない夫。私の方が3時間くらい帰りが遅くなっても、何もしないで待っている」(三重県 50代女性)
「支え合って生活しているんだという意識を旦那には持ってほしい。でも給料では断然旦那の方が稼ぐし、旦那がいないとやっていけないし、感謝もしている。うん、我慢しよう…」(三重県 40代女性)
夫の勤務が不規則でフォローは求められない。ようやく見つけた仕事ですが、朝からバタバタ、帰宅後は家事や育児など、やらなければならない事は変わらない。キャパオーバーで自分の時間や体力の問題も起きる」(茨城県 30代女性)

仕事と家庭をうまく両立させるために、1人でタスクを抱え込む「ワンオペ」状態の人が多くいるようですね。

そのつらさを訴える切実な声をきいてみると、つくづくパートナーの協力の必要性を感じさせられます。とは言え、仕事が忙しくてどうしても頼れない人や、そもそもいない人もいるため、そのほかの対策も必要になってきそうです。

■仕事と家庭の両立の鉄則2、「職場の理解が得られる」



家庭でのパートナーの協力を重視する意見の一方で、仕事をする「職場の制度や雰囲気」が重要だと答えたのは、2番目に多い全体の4分の1でした。

「今の職場は、家族を優先させてくれて、急な病気はもちろん、参観日などもあたり前のように、後ろ指さされることもなく早退できます。本当にありがたいです」(広島県 40代女性)
「気持ちや大変さを少しでも理解してくれる方が少人数でも、職場にいるだけで本当に気分が楽になったことを覚えています。子どもが小さいうちはとくに迷惑をかけることが多いですからね」(福島県 30代女性)
「主人に先立たれ、私の両親もまだ働いているので、なかなか頼れません。普段は保育園や学童に預けていますが、子どもの体調不良や学級閉鎖の対応は、職場で嫌な顔をされます」(茨城県 30代女性)
「わが子はとても入院が多く、働いていると仲間にとても気を遣います。みんな小さな病気をしたりして、大きくなっていくことを忘れないでほしい」(青森県 40代女性)

「職場の理解が得られている」という意見も集まった一方で、「会社に制度があっても、同僚や上司から理解が得られない」というつらい声も寄せられていました。

職場には、さまざまな世代、そしてさまざまな境遇の人たちがいるため、常に子育て世帯への理解が得られるわけではないでしょう。時短制度を利用しているパパやママは多く、職場のほかの人に負担が大きくなってしまうことも、ときにあるかもしれません。そして、さらに理解が得られにくい上司や同僚がいる場合には、想像以上に苦労することもあるようです。



■仕事と家庭の両立の鉄則3、「自分の意識改革」



また、働く本人の「意識」について言及するコメントも複数寄せられました。

「母親としての役割は、自分にしかできない。『しなくてはいけない』ではなく、自分と子どものために、自分がしっかりスタンスを持って働くべきだと思う」(広島県 40代女性)
「まず、自分自身が『どこまでできるか、ここまではできない』と、明確に意識して取り組むのが大事かと思います。私はパート勤務ですが、子どもたちの性格などを考えて帰宅時刻までに帰れるようにシフト希望を出して調整しています」(神奈川県 40代女性)
「1番大事なのは、相手に頼るのではなく自分自身が意識を持って生活していくこと。それが必然的にお互い協力できるようになっていくと思う」(茨城県 40代男性)

たしかに、仕事と家庭の両立においては、「何かのせい」にしてしまうこともよくあります。しかし、その問題の根底には、自分自身が何のためにどれくらい働くのか、家族との時間をどれだけとりたいかなど、そもそもの意識があいまいになっているという可能性もあるようです。

一方で、がんばりすぎもよくないという「手抜き推奨派」のママからもコメントが集まりました。

「私は、程よい手抜きをモットーにやっています。家事も仕事も、力まずがんばりすぎずというスタンスの方がうまくいく気がします」(東京都 40代女性)
私は手抜き派! 職場は徒歩圏内で、いつでも遅刻早退休み対応可。家事は食洗機やルンバを使う。育児は、楽しいことを率先することにしています」(神奈川県 40代女性)



「家事も仕事も完璧にしなければならない」という意識を変えて、ほどよく手抜きをしたり、みずから工夫をしたりすることで、負担を軽くするというアイデアも寄せられていました。

「何においても手を抜きたくない」というがんばり屋さんのママやパパたちは、ときに「仕事も家庭も完璧にしなれば」と抱え込み過ぎてしまうかもしれません。とくに新米ママパパにとっては、どの程度がんばればいいのか、どこまで手を抜いていいのか、なかなか加減がわかりませんよね。自分と家族が納得できるラインを見つけることも重要といえそうです。

■重要4、保育施設や親の協力などさまざまな意見

それでは、この先はバラエティに富んだ意見をまとめてご紹介します。

<保育施設が充実していること>



●小さな子どもがいて働くには、まわりの協力と理解がなければ無理だと感じる
●実家が遠い私、一度保育園に落ち、働けなくて大変だった。子どもを安心して預ける所がある、子育ての悩みを先生に相談できるというのはとても助かった

<親の助けを借りる>



●旦那が単身赴任でいない期間、実家に戻り子育てをした。即戦力の家族はかけがえなく、両親には感謝しかない
●お迎えが間に合わないときなどは実家の両親に頼んでいた。仕事を辞めずに続けてこられたのは、両親の理解、協力があったから

<転職、引っ越しをする>



●福利厚生が整った会社へ30歳の時に転職。夫も転職して、私の実家のそばに引っ越し。お互い労わりつつ何とかやっている

<段取りを整えておく>



事前の段取りが大切。親に頼れない転勤族のため、ベビーシッターやファミリーサポート登録、病児保育ありの医院を事前に調べて復職した
●仕事で遅くなりそうでも、朝のうちにある程度夕飯の支度とか、学校や習い事のことを段取りしておけば、子どもたちにもそれほど負担をかけずに済む。逆に家の用事で仕事を休んだり遅刻早退しなければならない時も、ちゃんと優先順位を決めて段取りしておけば、困ることはない

どのコメントも、仕事と家庭を両立させるために大切なポイントで、うなずけるものばかりです。パートナーに頼れるかどうか、親がいるかいないか、どのような仕事をしているのか、子どもはいくつでどんな性格かなど、家庭によって状況はまったく異なりますよね。その一人一人の事情の違いによってもパパやママたちが重視するポイントも異なることがわかります。

筆者の場合、夫は全国に転勤の可能性があり、1ヶ月間のほとんどを出張でいないこともある不規則な勤務状況です。両方の実家も遠いため、夫がいないときに育児できる大人は筆者のみ。心の奥底では、正社員になり、残業もこなせる働き方をしたいという思いもありますが、まだ子どもが小さい今は、「フリーランス」という働き方が一番家庭との両立に合っていると感じています。それぞれの家庭が、さまざまな事情を抱えて、仕事と家庭の両立に挑戦しているようですね。



■働くパパやママが持つべき心構えとは?



ここまで、仕事と家庭の両立のために重要なことについて、考えてきました。さまざまなアドバイスや経験談が寄せられていましたが、具体的な工夫だけではなく、持つべき心構えについても、さまざまな意見が集まっていましたよ。

<1、自分の意識を見直す>
●「周りに頼る勇気」と「手を差し伸べる優しさ」を持つこと
●働くとは、組織の中での責任が生じ、それを負うことも覚悟する。家庭を築く上で重要なのは、責任と覚悟ではないかと思う
●メリハリをつける意識。働くときゃ働き、休むときゃ休む! 子どもと話すときは携帯を離し、スポーツするときは汗だくでがんばりきる
<2、パートナーや周りの人への思いやり>
●自分が仕事したくても、夫や子どもたちの協力なくしてはできません。いつも家族には感謝
●助けてくれる義実両親、理解のある同僚、優しく厳しい保育園、受け入れてくれるパートナー、そして「もっと働いていーよ」と笑顔で言ってくれる子どもたちに対して「ありがとう」。嫌なこともうれしいことも全部私だけでは抱えきれません!

<3、夫婦で価値観を共有する>
家族間で価値観を共有すること。毎日絶対に守りたいことと、長期的に見てどういう家族像を目指しているかを確認できれば、みんなでがんばることも、がんばらなくてもいいことも見えてくるのかな
●アパレルは土日休めないし夜も遅い。旦那さんも出張ばかりで、実家も遠くて頼れない。このままだと家庭崩壊すると思って、一番大事にするのは家族の時間ということを旦那さんと話し合った


働きながら家庭で育児も家事も完璧にするというのは、なかなか難しいことで、いっぱいいっぱいになってしまう人も少なくないでしょう。筆者自身も、一日一日を乗り切るのに精いっぱいで、どうすれば毎日笑顔で過ごせるのかなと悩むこともあります。

コメントには、「子どもを一番に考える」という意見も寄せられました。パパやママたちが一生懸命働いているのも、子どもの笑顔のためという家庭も多いことでしょう。それでも仕事と家庭の両立は一筋縄ではいかないことも多く潜んでいます。

最後に、筆者もハッとさせられたコメントを紹介します。

「仕事と育児の両立という言葉がそもそもおかしい。男性に対しては、この言葉を使わないのはなぜですか? この言葉がなくなればいいのにと思う」(千葉県 40代女性)
「このクエスチョンについて考えているのは圧倒的に女性の方が多いのではないでしょうか? そうではない世の中になっていってほしいです」(北海道 40代女性)



たしかに、普段友人との日常会話において「両立は大変だよね」という言葉を使っていましたが、夫に対しては「両立」という言葉は使ったことがありませんでした。寄せられたコメントも、その多くはママたちからのもので、いかに女性側の意識だけが高い問題なのかということを感じさせられます。

生活するために働き、子どもを育てるという両立は、本来は過酷なものではなくあたり前なことのはず。それが深刻な問題となっているのは、転勤、残業といった企業側の問題、保育園不足、若者の低収入、莫大な教育費といった国の問題というように、大きな枠組みが限界にきている側面もあるかもしれません。

さらに仕組み以外でも「育児は女性がするもの」「ママが働くとかわいそう」といった昔ながらの価値観にとらわれた人たちによる無理解な言葉など、共働き夫婦が立ち向かわなければいけない壁が幾重にも押し寄せてきます。

それでも最近では、共働き夫婦の声が世の中できかれるようになってきました。そうしたなかでまずは小さな一歩として、仕事と家事育児の両立については、夫婦で話すことで解消できる部分も多くあるでしょう。助けを求める、家事の手抜きをするなど、コメントにもあった対策のなかから取り入れられそうなものを1つずつ行ってみてもいいかもしれません。

また、この「両立」の問題は、子育て世代に限ったことではなく、高齢になった家族を介護している人や、夫婦だけの家庭にとっても、他人事ではありませんよね。

まだまだ時間はかかるかもしれませんが、社会全体が仕事家庭の両立について積極的に考え、取り組み、仕事と家庭の両立について、考える必要がなくなる時がきっとくると信じて、明日も仕事に家事に育児にがんばっていきましょう!

Q.仕事と家庭の両立で一番重要なものは?

アンケート回答数:5332件
ウーマンエキサイト×まちcomi調べ

(高村由佳)

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