ベテランAV男優しみけんに聞く。セックスレスで考える、良いレス悪いレスについて

アラサー世代の性のお悩み中でも多い〝セックスレス問題〟。特に、2〜3年以上付き合っているカップルが陥りがちで、なかなか解決策が見出せないのが現状です。そこで、AV男優歴22年のベテラン・しみけんさんに、〝セックスレス問題〟について考えを聞いてみました！

教えてくれたのは・・・

しみけん 千葉県生まれ、40歳。男優歴22年、経験人数は約1万人。日本のAV業界におけるトップ男優で、性の求道者。趣味は筋トレとクイズ。BSスカパー「地下クイズ王決定戦」(BAZOOKA!!!)では第4回、第5回で地下クイズ王に輝く。

みんなセックスレスを悪いことだと思ってない？

「僕も、有料noteで女性からのお悩み相談をうけているのですが、セックスレス問題がいちばん多いです。でもそのたびに思うのが、みんなセックスレスが悪いことだと思ってない？ということ。僕からすれば、セックスに囚われている人は本当の愛とセックスとの付き合い方を見直すべきでは？と思ってしまいます」

セックスレスは、木を見て根っこを見ず

「たとえばリンゴの木が生えているとします。土の中に根を張って、幹が伸びて枝葉を広げて実をつけるわけですが、レスで悩んでいる人たちは、土から上の茂った枝葉や実だけを見ている。見えていない根っこの部分は見ようとせず、セックスレスで嘆いているわけです。セックスレスの原因は、じつはこの根の部分にあると僕は思っています」

レスでも仲のいい夫婦はステキ！

「レスだレスだって言うけど、セックスに囚われている時点で本当の愛をわかっていないのでは？だってセックスレスでも仲がいい夫婦はいるし、そんな夫婦こそすごくステキだと思うから。レスでも、心は深くつながっているのがいいカップルだったり、いい夫婦だったりするんです。

つまり、お互いに根の部分までちゃんと見ているかどうか。ちゃんと根まで見ることができるパートナーなら、レスで悩むこともなければ、レスでもずっと仲良くいられるんです。目に見えている花や実（＝まわりからどう見られているか）を気にしても、根が腐ったらどうにもならない。でも、大多数の人は目に見える世界を気にするんですよね」

恋愛、結婚、セックス はそれぞれ別タスク！

「そもそもみんな、欲深いと思う。恋愛、結婚、セックスそのすべてを手に入れたいなんて、本来ありえないんです。恋愛・結婚・セックスはイコールではありません。家庭にセックスを持ち込もうとする人が、セックスレスに陥りやすいんです。イコールでないものをイコールにしようとするから悩む。

恋愛、結婚、セックスはそれぞれ別タスクです。それなのに、〝ラブラブな恋愛期を経て順風満帆に結婚をし、子どもが生まれ、セックスも子育ても順調、そしておじいちゃんおばあちゃんになっても手を繋いで幸せに暮らしていく〟なんて、欲張った未来予想図を描くから、いざセックスレスになると騒いだり悩んだりする。逆に、恋愛、結婚、セックスはそれぞれが別々のもの、と割り切っている人は、セックスレスで悩んだりはしないのです」

〝いいレス〟と〝悪いレス〟とは？

「セックスで大事なのは、相手の考えや感情がちゃんと意見交換できているかどうか。〝いいセックスレス〟とは、レスの状態でも普段からちゃんとコミュニケーションが取れていて、相手の気持ちが伝わってきている状態。コミュニケーションが取れていれば、セックスがなくても関係がうまくいくのです。

〝悪いセックスレス〟とはその逆で、コミュニケーションが普段から取れておらず、相手の気持ちが伝わっていない状態です。そうなると、自分が大事にされている感覚がなくて、何故この人と一緒にいるのだろう・・・とわからなくなってきますよね。そんな人は「自分は人生損しているんじゃないか？」と思いはじめ、悩みます。

だからといって、セックスレスの関係を元に戻したいと、相手にセックスを求めるのはナンセンス。なぜなら、コミュニケーション不足のカップルが頑張ってセックスをしたところで、今抱えている不満が解消されるわけではないから。瞬間的にセックスレスの孤独から解放されたとしても、根本的解決ができていないので、また関係は悪化してしまうのです」

Profile

しみけん 千葉県生まれ。40歳。男優歴22年、出演作品数約1万本、経験人数も1万人以上。日本のAV業界におけるトップ男優で、性の求道者。趣味は、読書、ブレイクダンス、筋トレ、クイズなど多岐にわたり、東京オープンボディビル選手権大会60キロ級で6位入賞。「地下クイズ王決定戦」（BAZOOKA!!!）では第4回、第5回の地下クイズ王に輝いた。著作に「光り輝くクズでありたい」（扶桑社）、「SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義」（イーストプレス）、「やっぱり熟女がいちばんでした」（KADOKAWA）など。テレビ出演や講演会などマルチに活躍中。

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取材・文／成田リナ