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さまざまな新記録を打ち立てた『ワンダーウーマン』。【女性を鼓舞する映画】

  • 2019.11.13
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(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
Wonder Woman(2017)(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

2017年の公開時、社会現象にもなった『ワンダーウーマン』。待望の女性が主役のヒーロー映画にセレブたちも大興奮で、出演していない俳優たちまでもがSNSでこぞって作品を絶賛した。パティ・ジェンキンスは女性監督として初めて製作費が1億ドルを超える作品を手がけたばかりか、女性監督および女性が主役のアクション映画として歴代1位の興行収入を記録した。ワンダーウーマンはDCコミックのキャラクターで、映画はDCフィルム・ユニバースの1作という男性客数が優勢のコミック原作映画ながら、アメリカでは観客の半数以上が女性だった。

パティ・ジェンキンスとワンダーウーマン役のガル・ガドット。Photo_ Everett Collection/AFLO
WONDER WOMAN, director Patty Jenkins, Gal Gadot on set, 2017.パティ・ジェンキンスとワンダーウーマン役のガル・ガドット。Photo: Everett Collection/AFLO

ジェンキンス監督はシャーリーズ・セロンがアカデミー賞主演女優賞を受賞した『モンスター』(03)を撮った後、2005年に映画化を予定していたが、妊娠出産のために断念。その後はTVシリーズのエピソード監督をしながら、10年以上のインターバルを経て、ついに念願の企画と再会、長編第2作目にして超大作の監督という重責を果たした。

女性だけが住む島で育ち、ジェンダーや社会のルール、差別という概念も知らないまま、普通の社会と直面するヒロイン、ダイアナ/ワンダーウーマン(ガル・ガドット)が持つ疑問の数々は、そのまま社会への問題提起になる。登場人物も人種や年齢などに多様性を意識しているのが明らかで、新しいハリウッドを感じさせる。

アマゾン族の将軍アンティオペを演じたロビン・ライト。Photo_ Everett Collection/AFLO
WONDER WOMAN, Robin Wright, 2017.アマゾン族の将軍アンティオペを演じたロビン・ライト。Photo: Everett Collection/AFLO

映画の冒頭、架空の都市セミッシラの場面で登場するダイアナのおばで、アマゾン族の将軍アンティオペを演じたロビン・ライトは、ジェンキンス監督から電話をもらい、「ワンダーウーマンのトレーナー役に興味はない?」と問われて「もちろん!」と即答したという。

アマゾン族を演じる女性キャストたちはウエイトトレーニングにマーシャルアーツ、乗馬の訓練をこなし、1日2000〜3000カロリーを摂取して体づくりに励んだそうだ。互いに助け合いながらチーム精神が育まれ、彼女たちが100人以上集まったセットでは普段と違うエネルギーにあふれ、男性たちが所在なげな様子だったとか。現場の空気そのまま、女性であることを祝福する作品になっている。

Text: Yuki Tominaga

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