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思わずほっこり♡20年生きた愛描に「気持ちが伝わった!」と感じた瞬間とは

  • 2019.11.10
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猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。写真家の中村早さんもその一人。猫と同じ目線で、猫と同じ在り方・やり方で「見る」。猫のように全身で見たことを写真の作品で表現できたら中村さんは言います。

少女が発見した、猫とのコミュニケーション法

白黒模様がトレードマークの「スー」(オス・2歳半)と「ミン」(メス・2歳半)。2匹の兄妹猫と暮らすのは、写真家の中村早さんです。中村さんの育った実家には「ゴン」(オス)という、やはり白黒模様の猫がいました。

「ゴンは長生きで20年も生きました。私が一緒に過ごしたのは、そのうちの11年。子どもの頃から観察好きで、ゴンのこともよく近くで見ていた私は、ある日、気づいたんです。私がまばたきをすると、ゴンもまばたきし返してくれることに。こちらがパチっとやると、向こうもパチって。『通じた!』と思いました」

「まばたき以外にも、もう一つ、私が口を大きくワーッと開けると、ゴンが私の口の臭いを確認して、気が済むと去っていくというコミュニケーション方法もありました。まばたきとお口チェックは、ゴンと私の秘密の会話だったんです。

外で目が合った野良猫にも、スーとミンにも、まばたきのコミュニケーションは有効でした。でも、スーとミンの前で、口をワーッと大きく開けても、2匹はただただ呆気にとられるだけで(笑)」

手触りや匂いまで写したい

中村さんは写真家ですが、プライベートの写真はあまり撮らないと言います。特にスーとミンの写真は少ないそう。なぜなのでしょう?

「スーとミンが見ているものを同じように見たい。そっちの方に興味がいってしまって。たとえば窓際にいるスーやミンを観察していると、2匹はただ外の様子を見ているだけでなく、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、五感をフル稼働させて、外の気配を感じているとわかります。そのやり方に憧れるんです。私も猫のように景色や人やものを見たいし、その手触りや匂いまで写せたらと思います。

猫の隣で、猫と同じ目線になるよう寝転がり、猫が嗅いでいる風を同じように嗅いで、猫が聴いている音を聴く。猫の在り方・やり方を真似ながらゴロゴロしているから、撮らないというより撮れないのかもしれないんですけど(笑)」

猫の瞳に魅せられて

中村さんが、唯一、積極的に撮っていたのがスーとミンの「目」でした。

「この取材のために、スーとミンの写真を整理していて気づいたんです。私、スーとミンの輪郭も分からないくらいの寄りで、2匹の目を撮っていることが多いって。普段の作品も寄りが多いんですけど、猫もそういう切り取り方をしていました」

「猫の目ってガラス玉みたいで美しいですよね。しかも猫によって瞳の色が全然違う。昼と夜でも瞳孔の加減で印象が変わります。撮っている人や窓など、猫の目の中に、猫が見ているものが写りこむのも面白い。猫の目だけを写した写真集があったら、なんて贅沢なんだろうと思います」

猫と同じ目線で、猫のように全身で見ることのできる中村さんが撮った、猫の目の写真集。期待して待ちたいと思います。今回の教えは、猫のように五感をフル稼働して感じ取る。猫のように全身で「見る」ことができたら、見飽きた景色も様変わりするかもしれません。さて、次回は、こうと決めたらやらずにはいられない、向こう見ずなスーが巻き起こした珍事件のお話です。お楽しみに!

writer / 宇佐見明日香 photo / 中村早

取材協力

写真家・中村早
http://nakamurasaki.com

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