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夫婦のセックスレス問題の根本原因と解決法とは?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.11.5
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「あみさん 26歳」のお悩み〜

はじめまして。いつもコラム読んでいます。

セックスレスが長期化、気付いたら夫を好きではなくなっていて、悩んでいます。

私は26歳、33歳の夫と4年前にできちゃった結婚し、4歳の子供がいます。

夫と仲は良い方ですが、出産後ずっとセックスレスです。厳密には年に2~3回はするのですが、それは毎回私が我慢の限界に達し「なんでレスなの?」と喧嘩になって、仕方なくご機嫌とりでしてもらった結果です。夫から求められたことは、交際中からほとんどもありません。

ついでに、好きとか愛してると言われたこともほとんどありません。

セックスレスが改善すれば自然な流れで2人目も…と希望していましたが、諦めました。

自分に魅力がないのかと努力してきたつもりですし、何度も話し合いを重ねてきました。その度に夫は謝ってきて、「君のことは愛しているし、女性として魅力的だと思う。不満もない。離婚する気もなく一生添い遂げるつもり。」と言われました。しかし、4年間何も変わりませんでした。

そうこうしているうちに、セックスレスを夫婦の問題と思わず、私だけの問題と捉え、あくまで自分は解決してあげるというスタンスの夫に、私自身疲れ果てました。長年私が苦しんでいるのに見て見ぬ振りをしていた夫と今更セックスしたくない。という気持ちになってしまいました。男として好きという気持ちもなく、友達のような気持ちです。何も求めておらず、解決も求めていません。

家庭にセックスを持ち込んだせいで喧嘩になってしまうのだと思い、セフレを作り外で済ませていた時期もあります。そのときは、適当に息抜きして、子供が成人するまで離婚せず、離婚後に新しい人生を歩めばいいかと思っていました。

しかし、それではその場しのぎの解決にしか過ぎず、夫婦お互いの人生が無駄になると感じ、先日、離婚するか別居してほしいと申し出ました。

その際、自分の言葉で伝えると感情が入ってこじれると思ったので、セックスレスについて悩んでいる男性のブログ(セックスレスが長過ぎて相手を好きでなくなったのでもう解決を求めてないという内容)を「私もこのような気持ちです」と夫に見せました。すると「今までセックスを特別なコミュケーションとして捉えたことがなく、単純にセックスという行為としてしか考えていなかった。」と言われました。

私が求められないことで自分の女としての自信を無くしたり、承認欲求が満たされない、という悩みをこれまでも伝えてきたにも関わらず、全く理解しておらず、ただヤリたいだけとしか思ってなかったそうです。

そして、「ブログの記事を読んで君の気持ちがわかったから、これからは上手くやっていけると思う…」とも言われました。あまりに浅はか過ぎる考えに、さらに呆れてしまいました。

私はもう解決したいとすら思っていない、気持ちを取り戻すのは不可能ということも、伝えたのに伝わっていませんでした。

ただ、子供がパパ大好きで、夫も現在の関係に満足しているので、離婚や別居を考えているのは私ひとりです。自分の気持ちだけで、子供から父親を奪ってしまっていいものか…、そしてもし子供が成人するまで夫婦を続けるのなら、自分の気持ちの落とし所をどこに持っていけばいいのか…、もう自分でも自分の気持ちがよくわからず出口が見えません。上手くまとめられず、長くなってしまってごめんなさい。なにか助言をいただければ嬉しいです。

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

あみさんの旦那さんに限らず、世の男たちは、セックスは善くない行為だと暗に言われてオトナになりました。また、女性にも性欲というものがあるという認識をまったく持つことなくオトナになりました。

なので、あみさんの旦那さんに非があるということではなく、セックスに関するこれまでの世間のあり方が問題なのだとぼくは認識しています。

セックスは善くない行為だという男の認識について

男は中学生にもなればセックスに興味をもちはじめます。きっと女子も興味を持ちはじめるでしょう。

で、高校生になれば、実際にセックスをする人が出てきますね。中2や中3でセックスする人もいるけれど、ここでは無難な表現と思える高校生、とします。

さて、以下はあくまでもぼくの印象ですが、女子は高校時代に好きな彼氏とセックスしつつ、それなりに高校生活をマジメに送り、それなりに希望する未来を手にした人が多いのではないでしょうか。

つまり、セックスと学校生活との両立がうまくいった人が多いのではないでしょうか。文武両道にセックスも加え、勉強も部活もセックスも全部うまくいった人が多いのではないでしょうか?

対して男子は? 高校時代に彼女とセックスしたら、そのままセックスにハマって3浪したヤツがいます。セックスにハマってそれが学校の先生にバレて停学をくらったヤツもいます。セックスしたくてたまらなくて、でも彼女ができなくて、「右手が恋人」と豪語しつつ、暗い高校生活を送ったヤツもいます。

女子のように、文武とセックスを両立させ、華麗に学園生活を送っていた男子なんて、ホントごく一握りなのです(と、ぼくは認識しています)。

そのような男のセックス観とは?

そのような男のセックス観とは

(1)セックスは身を滅ぼす行為である(3浪したヤツ&停学をくらったヤツ)

(2)セックスは超特別な行為である(つまり非日常なる行為である)と思っている(ヤリたくてもヤレなかったヤツ)

のいずれかにしかならないのです。

思春期にもった価値観は、あとの人生に長く影を落とすのが常だから、「だから」結婚したらセックスレスになる夫婦がいるのです。

「セックス=愛をたしかめあうステキな行為」とか「セックス=愛のさらなる昇華」と思っている女子(奥さん)に対し、男(旦那)は、「セックス=身を滅ぼしかねない行為」「セックス=非日常だから家庭に持ち込めない行為」と思っているのです。

高校時代、セックスしていることが先生にバレても、女子は先生からなんのお咎めもなかったのに対し(咎められた女子もいると思うけど)、男は先生から目をつけられたりしてたのです。

これは先生がよくないとぼくは思います。とくに男の先生がよくない。

こんなかわいい女子生徒とセックスしやがったあの男子生徒め!(おれもあの女子生徒とセックスしたいけど我慢しているのに!)と、男の先生は男子生徒に嫉妬し、罰を与えまくる――そのような「教育者」が引き起こしたのが、今のセックスレス問題なのです(と、ぼくは認識しています)。

女子に性欲があるのかないのかわかっていない男について

さて、次に、女子に性欲があるのかないのかわかっていない男について。

男は、高校生の頃からヤリたいと思ってきました。

がしかし、「ヤリたい」と女子に言うと、キモイとか、ヤリ●ンとか、もっとひどい場合には「お前がヤリたいと言うな!」などと女子に言われてきました。

この時点ですでに、男は「おれの性欲は強すぎるのか。俺は猿同然のくだらない男だ」などと思って、ため息をついています。

同時に「女子ってヤリたいと思うことがないのかな? きっとないんだろうな。おれみたいに、毎日オナニーすることもないんだろうな」とも思っているのです!

反対に、ごくわずかですが、高校生くらいに女子の性欲の存在を知った男がいます。

彼女に「今日もしたい」と言ってこられたり、女子から逆ナンされてセックスする機会に恵まれた男はきっと、女子にも性欲があると認識したことでしょう。

がしかし、そのような男はホントに少数で、多くは「おれがヤリたいにもかかわらず、なぜ女子はヤラせてくれないのだろう」と、悶々としながら暮らしてきたのです。

そして、たいていの人は、その気持ちを引きずったままオトナになります。

ちなみに、村上春樹さんがエッセイに「僕はつい最近まで、女子にも性欲があるということを知らなかった」と書いていましたが、まあ、たいていの男はそんなものです。

セックスレス解消法

というようなことから導き出されるセックスレス解消法とは?

「セックス=善い行為」「女子にも性欲がある」この2つの事実を彼に教え込むことしかないように思います。時間がかかるかもしれないけど、原因からひも解けば、このような解決法に妥当性があるように思うのです。

相談文に<(彼は)今までセックスを特別なコミュケーションとして捉えたことがない>とありますね。

高校時代に好きな彼氏とセックスでき、その喜びを知っている女子と、彼はわけがちがうんですね。

なので、どうにかして、「セックス=善い行為」というのを、あみさんが彼に教えるしかないでしょう。

あみさんが今それを教えないと、彼は今後、もしかすれば、あみさんに隠れて風俗に行くかもしれません。つまり「セックス=陰に隠れてヤル行為」という彼の中高生からの考えが助長される可能性があるということです。

なので、なんらかの方法で、あみさんが、セックスが本来的にもつ素晴らしさを教えるしかないでしょう。

また、女子にも「健全な」性欲があることを彼が知れば、彼はきっとそれを理解し、<私が求められないことで自分の女としての自信を無くしたり、承認欲求が満たされない、という悩み>を抱えることがなくなるでしょう。

おわりに

もちろん、セックスに関して、中高生時代からちっともいい思いをしてこなかった女子もいると思います。

がしかし、奥さんが原因でセックスレスになっている家庭よりか、旦那が原因でセックスレスになっている家庭のほうが明らかに多いということは、女子はどこかの時点で「セックス=善いもの」と認識するにいたり、その傍らで男は、いつまでも「セックス=闇に紛れてヤルふしだらな行為」と認識し続けるのではないかと思うのです。

それもこれも、男の教師のあり方がよくないからだ、というのが、ぼくの超偏見的私見です。

参考になりましたでしょうか?

(ひとみしょう/作家)

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