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【医師監修】突発性発疹はどんな病気? 保育園はいつから行ける?

  • 2019.11.1
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「突発性発疹」という病名を聞いたことがあるでしょうか。これはほとんどの日本人が抗体をもっている(かかったことがあって、そのウイルスを認識して闘うことができる)「ヒトヘルペスウイルス6型」あるいは「7型」というウイルスに乳幼児が初めて感染したときに発症することが多い病気です。

かかってしまったら、どんな症状があって、いつから登園できるのでしょうか。ママの疑問に一つずつ答えていきます。

【監修】
赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子 先生


小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。

著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。二児の母。


■突発性発疹とは

▼突発性発疹の症状


突発性発疹は生後4カ月から1歳の子どもがかかりやすい病気で、はじめての高熱が突発性発疹という赤ちゃんも多いでしょう。

症状は、38度から40度の高熱が3〜4日ほど続きます。その後、熱が下がってきたころに発疹がでてきます。発疹はおなかや背中など胴体を中心に出て、その後、顔や手足に広がることもあります。発疹は小さな赤みがあって少しだけプツっと隆起した発疹で、2日から4日で自然に消えていきます。ほかの症状としては便が少しゆるくなることもあります。

高熱が出ていても比較的元気で、機嫌よくミルクや母乳を飲めていれば慌てなくも大丈夫です。むしろ、解熱時の発疹が出てからが不機嫌になる場合が多いでしょう。

▼突発性発疹の感染経路


突発性発疹は「ヒトヘルペスウイルス6型」あるいは「7型」というウイルスによる感染症です。4歳以上の日本人ではそのウイルスへの免疫をほとんどの人がもっています。家庭内で感染することが多いと考えられています。

感染経路は、はっきりわかってはいませんが、ママや大人の唾液が赤ちゃんの口に入る「経口感染」が一番多いと考えられています。せきやくしゃみによる「飛沫(ひまつ)感染」や、あるいは、ウイルスを含む唾液を赤ちゃんが触れたとときの「接触感染」もあります。

突発性発疹をおこすウイルスは「6型」「7型」とあり、一般的には「6型」に先に感染します。突発性発疹を2回発症した子では、2回目は「7型」に感染していることが多いです。

▼突発性発疹の治療法


突発性発疹の治療法としては、ほとんどが自然に治るので、抗ウイルス薬などの治療法はありません。

おうちでのケアとしては、1日に数回、熱を測って体温の変化を記録しておくとよいでしょう。急に熱が高くなることもあるでしょう。夜になると熱が上がりやすいのは自然な仕組みです。体は夜間に「治るモード」に入るため、ウイルスを攻撃する反応である発熱は、夕方から夜間に起こるのです。

発熱のほか、観察のポイントは機嫌や顔色、食欲があるかどうか、おしっこの状態、便の状態などです。おしっこの色が濃く、量が少ない場合は水分補給をさせましょう。高熱のときは脱水症状になりやすいため、まめな水分補給が必要です。湯ざましや麦茶、幼児用イオン飲料、うすめた果汁、野菜スープ、経口補水液などがおすすめです。

食欲がなさそうな時は、離乳食の段階を若干前にもどしてやや柔らかめなものを与えてもよいでしょう。感染症から治るには、たんぱく質と微量栄養素が治癒のポイントになるので、おかゆやうどんだけではなく、卵や魚などのたんぱく質と野菜も与えたほうがよいです。甘いものを与えるのはおすすめできません。

室内では、安静が第一ですが、無理に寝かしつけなくても構いません。抱っこをしてあげたり、添い寝をしてあげたりし、子どもがゆっくり休めるようにしてあげましょう。

また、熱が高いときは厚着や布団のかけすぎに注意します。室内で厚着にさせる必要はなく、機嫌よくすごしていれば、普段のような服装で十分です。発熱のし始めは寒気を伴うことが多いため、多めに着せてあげましょう。毛布やタオルケットも1枚増やしてあげ、熱が下がったら元の枚数に戻しておきます。

高熱でつらそうな場合は少し体を冷やしてあげるのもいいでしょう。小さな保冷剤などをビニール袋に入れて、靴下などの布製の袋に詰めます。それを、わきの下や首筋、足のつけ根などにあててあげると気持ちよく寝られます。

子どもを観察していて、全体状態が悪くなったり、呼吸が苦しそうだったり、呼びかけても反応が弱くひどくぼんやりとしているときは、すぐに病院で診てもらいましょう。首が硬直して曲げにくい、耳を痛がる、などのときも受診するといいでしょう。

気をつけたいのは、高熱が出ることによる合併症です。突発性発疹の合併症については最後の章「突発性発疹になったら気をつけたいこと」で説明します。

参照サイト:
東京都福祉保健局 東京都こども医療ガイド「突発性発疹(とっぱつせいほっしん)-解説-」
東京都感染症情報センター「突発性発しん Exanthem subitum」
神戸大学大学院医学研究科・研究部「よくわかる突発性発疹症、その症状と対応~発熱受診患者解析結果を交えて~」

▼突発性発疹は大人にもうつる?


突発性発疹の原因は「ヒトヘルペスウイルス6型」というウイルスですが、このウイルスは現在の日本人の成人ならほとんど感染しているものです。そのため、大人が突発性発疹を発症することはほぼないと考えていいでしょう。

厚生労働省の突発性発疹の「臨床的特徴」にも「乳幼児期、特に6カ月から18カ月の間に罹患(りかん)することが多い。5歳以上はまれである」と記載されています。

参照サイト:
Medical Note「写真でみる突発性発疹症の症状―原因や対処法は?」
厚生労働省「突発性発しん」




■突発性発疹になったらいつから保育園に行ける?

▼解熱後1日以上経過で発疹があっても登園OK


突発性発疹は自然治癒でき、病院の治療証明が必要な病気ではないため、家で様子を見ているママも多いことでしょう。そこで気になるのが、「子どもはいつ頃から登園できるのか」ということだと思います。

これは、高熱が下がり、全身状態が良くなったら登園可能です。

突発性発疹にかかった後について、厚生労働省からもガイドラインが出ていて、「解熱し機嫌が良く全身状態が良い」場合は登園が認められる、としています。

全身の状態が良く、機嫌がいい場合は保育園に行って問題はないです。しかし、園によっては、発疹があると登園は難しいと判断される可能性もあります。もし心配な場合は、保育園の先生に相談してみるといいでしょう。

参照サイト:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」

▼登園許可証は必要? 不要?


登園時に気になることとして、突発性発疹で登園許可証は必要かどうかがあります。ママもパパも働いていると長くは保育園を休ませられないという事情もあるでしょう。

登園について、日本小児科学会では「症状が改善したら登園が可能」としています。基本的には登園許可証も不要です。しかし、保育園によってルールなどが異なる場合がありますので、担当の先生にお話を聞いてみるのが一番確実ですね。

▼突発性発疹後保育園でプールに入れる?


突発性発疹後の保育園でのプールは入って構いません。突発性発疹は熱が出ているとき以外は感染力が弱いので、例えば発疹が出ていてもプールは入ること自体は可能です。ただし、発熱中のプールは控えましょう。

ちなみにお風呂は、お熱があっても様子をみて元気そうであれば、ぬるめのシャワーくらいなら問題ありません。疲れない程度の汗を流したり、体を拭いたりすることはいいでしょう。

参照サイト:日本小児科学会 「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2019年7月改訂版)



■突発性発疹になったら気をつけたいこと

▼突発性発疹の合併症


突発性発疹の合併症として、知識として知っておいたほうがよいことに「急性脳症」と「熱性けいれん」があります。

急性脳症とは、何らかの原因で脳がむくんでしまい脳機能が障害されて、けいれんや意識障害が起きる状態です。突発性発疹から脳症になることはまれで、年間に70人から100人ほどが報告されています。めったに起きませんが、その可能性もあることは情報として知っていてもよいでしょう。

主な症状は意識障害(意識がもうろうとして、刺激をしても話しかけても反応がない状態)で、けいれん(手足がふるえて硬直し、白目をむいて、話にも反応しない状態)や麻痺(まひ)、発熱が現れることがあります。これらはもとの発症した病気によって出る症状が異なります。

急性脳症はどの年齢でも発症する可能性がありますが、乳幼児期の頻度がもっとも高いです。乳幼児の脳症の原因病原体としては突発性発疹の原因ウイルスとインフルエンザウイルスが比較的多く、マイコプラズマなどが原因となることもあります。

万が一、急性脳症になると、残念ながら、後遺症が残ることもあります。

参照サイト:
日本小児科学会 「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2019年7月改訂版)
Medical Note「急性脳症」
Medical Note「急性脳症とは? 突発性発疹による急性脳症の症状、予後、治療」

▼熱性けいれんに要注意


突発性発疹の合併症として、急性脳症よりも多くみられるものに「熱性けいれん」があります。熱性けいれんは発熱によって起こる乳幼児のけいれんで、生後6カ月から6歳くらいまでにみられるものです。

熱性けいれんは、38度以上の発熱から24時間以内に起きるけいれんです。症状としては、顔色が急に悪くなり、手足が震えたり、意識を失ったりします。その間、周りの人の呼びかけにはほとんど反応しませんが、多くの場合、2~3分ほどたつと自然に治まってきます。そのまましばらく寝てしまう子どもも多いです。

日本人で、熱性けいれんは10人に1人が経験するといわれ、成長や発達に問題がなくても発症する可能性があります。1回だけ起こすケースもあれば、発熱ごとにみられるケースもあります。

熱性けいれんにより脳にダメージが残ることはなく、神経系への後遺症を残すこともないと考えられています。ただ、発熱とけいれんを主症状とする病気はほかにも多数あるので注意しましょう。

子どもが成長していくと熱性けいれんの起きる割合は減っていきます。年齢が上がってもけいれんが減らない、もしくは熱がなくてもけいれんが起こる場合は「てんかん」など、別の病気の可能性が考えられます。

熱性けいれんの原因はまだはっきり解明はされていません。しかし、発熱に伴い、「神経ネットワークの制御がとれなくなることでけいれんが起こるのではないか」と考えられています。ママやパパに熱性けいれんの経験があると、子どもも熱性けいれんを起こす傾向があるため、遺伝の要素もありそうです。

参照サイト:
日本小児神経学会 「熱性けいれんはどのような病気ですか?」
Medical Note「熱性けいれん」
日本小児神経学会「熱性けいれん診療ガイドライン2015」



■まとめ



突発性発疹は突然の高熱が出る病気なので、最初はママも驚いてしまうかもしれません。とくに今まで大きな病気をしてこなかった子どもならなおさらです。しかし通常は安静にしていれば、数日で治り、発疹の跡も残らない病気です。

ほぼ全員がかかる病気ですが、まれに起きる合併症がある、ということは知っておきましょう。熱性けいれんは「38度以上の発熱で24時間以内に引き起こるけいれん」で、「左右対称性」があり、「2〜3分ほどで自然に治まる」が特徴。

ママはあわてず、こどもの状態をよく観察して、医療機関を受診の際には医師・医療従事者に状況を整理して伝えられるようにしましょう。

参照資料:
・厚生労働省
・日本小児科学会
・東京都福祉保健局
・日本小児神経学会
・Medical Note
・日本小児神経学会
・東京都感染症情報センター
・神戸大学大学院医学研究科・研究部

(斉藤カオリ)

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