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【医師監修】妊娠31週の胎児の様子は? ママの変化も要チェック

  • 2019.10.30
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妊娠31週は妊娠8カ月の最後の週で、赤ちゃんはパイナップルくらいの大きさまで成長しています。

ママはおなかが張りやすくなったり、前駆陣痛で子宮が痛んだりなど、体の変化を感じやすい時期。無理のない生活をし、胎児の様子やママの体の変化もチェックしていきましょう。

【監修】
成城松村クリニック院長 松村圭子先生


婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。

著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。



■妊娠31週の胎児の様子
妊娠31週を迎えた赤ちゃんの様子を詳しくご紹介します。


▼赤ちゃんの成長度合い


妊娠31週の赤ちゃんの大きさはどのくらいでしょうか。胎児体重の平均値は1,635gです。ようやく1000gを超えたと思っていたら、あっという間に1500gを上回る重さになり、ママは驚くかもしれません。

しかし、妊娠30週を超えれば、今後もし早産になったとしても、生存率は95%以上という高い数字になります。また、胎児体重が1.5kgを超えてくると、障害が残る確率は5%以下となります。ママもこれで少しほっとできますね。

▼呼吸するために必要な物質が増加する頃


妊娠31週の赤ちゃんは、肺呼吸をするときに必要な物質(肺サーファクタント)の量が急激に増えている時期です。

おおよそ、妊娠26週ごろに呼吸に必要な肺の構造ができあがり、妊娠34週ごろには肺サーファクタントは十分な量になります。そして自力で呼吸ができるようになるのです。

赤ちゃんは今、外に出ても大丈夫なように、生きる力をどんどん蓄えている最中です。

▼胎動の測り方


胎動(ママのおなかで赤ちゃんが動くこと)は毎回の妊婦健診で確認しているものですが、自分でも測ってみたいと思うママは多いでしょう。

胎動の測り方で、簡単な方法が「テンカウントタイム法」です。これは赤ちゃんがおなかの中で10回動くまでに何分かかるかを計測するもの。胎動が活発なときに計測すれば短時間で終わるため、ママの負担も少なくてすみます。

またデータでは、妊娠28週以降のテンカウントタイムの平均は10分から15分とのこと。また9割の人が35分以内に完了するということです。

■妊娠31週のママの様子

ママの変化


それでは、妊娠31週のママの様子はどうでしょうか。子宮がみぞおちまで大きくなってきているので、胎動を強く感じる人は多いはず。また、おなかが張ったり、むくみやすくなったり、自分の体の変化にとまどっている人もいるでしょう。

体重が増えやすい時期でもあるため、体重管理に気を配っておきたいですね。こまめに体重計に乗り、食事内容をチェックするなど、太りすぎないように日々の工夫が大切です。

体重も一週間単位で測り、500g以上増えていたら注意しなければなりません。塩分を控えて、低カロリーでバランスのよい食事を選ぶように意識をします。

気になるむくみには、バナナなどのカリウムを含む食品を食べるのがおすすめです。余分なナトリウムを排出してくれるので、むくみには効果的。もちろん、普段の食事でも塩分控えめを心がけましょう。

さらに、長時間の立ち仕事をしない、疲れたら足を高くして寝るなど、今まで以上に無理をしないことが重要です。これから出産までの間、ママの体の負担は大きくなっていきます。とくに下半身はマイナートラブルがでやすいので、気をつけていきましょう。

▼息切れしやすくなる時期


さらに、妊娠31週ころは息切れもしやすい時期です。息切れや動悸(どうき)など、ちょっとしたことで呼吸が苦しくなってしまうかもしれません。ママの心拍数が最大になるのも、実はこの頃なのです。

息苦しいときは動きをとめて、何度か深呼吸をしてみましょう。大きく深く息を吸い込むのがポイントです。臨月に近づいてくれば、赤ちゃんが骨盤のなかに下りてきて、呼吸がラクになってくるはずです。



▼おなかの張りや前駆陣痛がある時はゆっくり休んで



赤ちゃんが元気に動き、胎動が激しいのはうれしいことです。しかし、おなかが張ってきたりチクチク痛んだりする場合は休養しましょう。

とくにおなかが痛む「前駆陣痛」ではあわてないようにしましょう。比較的夜に多いのですが、5分から10分おきの規則的な腹痛からだんだん不規則になり、朝になると痛みがおさまってくるものです。

これは、本陣痛に備えて、ママの体と赤ちゃんが出産への準備をしている合図。ママの子宮口や頸管(けいかん)がだんだんやわらかくなり、赤ちゃんは少しずつ骨盤腔(こつばんくう)へ下がってくるのです。

▼妊娠高血圧症候群に気をつけよう


妊娠高血圧症候群のことは知っているでしょうか。これは、妊娠20週以降に高血圧が見られ、出産後12週までに改善する場合、または妊娠前からの高血圧にたんぱく尿を伴う場合のいずれかのことです。

妊娠高血圧症候群になってしまうと、子宮や胎盤の血液がスムーズに流れにくくなるため、赤ちゃんが酸素不足や栄養不足になってしまう場合があります。

低栄養状態の赤ちゃんはおなかでしっかり成長しないまま「低出生体重児」として生まれてくる場合があります。さらに低酸素状態になってしまうと赤ちゃんが「低酸素症」となり、その状態が長く続けば、脳にも影響を及ばしてしまいます。

障害が残ったり、最悪のケースではおなかの中で赤ちゃんが亡くなってしまったりすることもあります。

では、妊娠高血圧症候群を予防するにはどうすればいいのでしょうか。

現在、確実な予防法は見つかっていないのですが、一般的に効果があるとされているのは、以下のものです。

・休むこと
・寝ること
・適度な運動
・リラックスすること

基本的には安静にしているのが一番です。妊娠高血圧症候群の予防を考えるなら、こまめに体を休めて横になることをおすすめします。



横になると赤ちゃんへ血流が届きやすくなり、胎児発育不全の予防にも効果的でしょう。仕事で体を使うような人なら、できるだけ早めに休職することが好ましいです。

▼おなかが下がったように感じたら


おなかが下がってくる時期はそれぞれですが、臨月に近づくにつれて、下がってきたことを感じやすくなります。変化としては、胎動が減ってきたり、頻尿になったりするでしょう。

胎動が減るのは、ママの骨盤内に下がってきた赤ちゃんの頭が固定されることで、大きな動きが減るためです。赤ちゃんはママの産道を通る体勢になり、生まれる準備をしているのです。

また、頻尿になるのも、赤ちゃんが下がってきた証拠。赤ちゃんの頭などでママのぼうこうが圧迫されて尿意を感じやすくなります。トイレの回数が多くなりますが、我慢するのは体によくありません。

■妊娠31週になったらやっておきたいこと

▼そろそろ赤ちゃんの名前を考え始めるのも楽しい時期


妊娠8カ月の終盤なので、そろそろ赤ちゃんの名前を決めておくのもいいですね。「生まれた赤ちゃんを見てから名づける」というママもいるかもしれませんが、すぐに決まるとも限りません。赤ちゃんを想像しながら、いくつか候補を出しておくのも楽しい時間です。

赤ちゃんの名前は生後14日以内に出生届とともに提出しなければなりません。期間があるので注意しておきましょう。

名前のつけ方は、常用漢字と人名漢字、ひらがな、カタカナを使って考えていきます。繰り返し記号(々、ゞ)や長音符号(ー)は使えますが、アルファベットや算用数字は使用できません。

ふりがなをふらないと読めないような特殊な読み方や難しい漢字の名前もありますが、被災した時など万が一の場合は不便なことがあるかもしれません。子どもが一生を通して使う名前なので、生きるうえで困ることのない名づけを意識するのもいいでしょう。

■まとめ
妊娠31週のママは、いろいろな体調の変化を感じやすい時期です。息切れしやすかったり、おなかが張ったり、さらにむくみや疲労感も出てくるでしょう。

対策はとにかく休みこと、無理をしないこと。そして、心身のリラックスが大切です。パートナーには家事を手伝ってもらうなど、家族や周りの人には協力してもらえるようにお願いしておくのもいいですね。

そして急なお産になっても慌てないよう、準備できることは進めつつ、妊娠中の生活を楽しんでいきましょう。


(斉藤カオリ)

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