1. トップ
  2. グルメ
  3. 食文化の宝庫、台南ならではの小吃(シャオチー)を頰張る。

食文化の宝庫、台南ならではの小吃(シャオチー)を頰張る。

  • 2019.10.28
  • 1111 views

屋台などで食べる小皿一品料理、小吃(シャオチー)。町角の小吃店なくして台南グルメは語れず!魚やレアの牛肉など産直食材を使った個性豊かなローカルフードを。

台南の代表的魚、サバヒーを目指して。

小ㄚ鳳・浮水魚焿(シャオアーフォン・フースェィユーゲン)

祖母が経営する創業1957年の老舗で経験を積んだという料理人が、約2年前にオープンした店。台南の魚といえばサバヒー。約300年以上前から近郊で養殖されており、台南では産直で食べられるが、鮮度が落ちやすいためほかのエリアには出回らない希少な魚だ。このサバヒーを使ったつみれのスープがこの店の看板メニュー。

浮水魚焿(フースェイユーゲン):サバヒーのつみれスープ60元。料理名は、茹でると魚のつみれがぷかぷか浮いてくるから。つみれはすり身だけでなく、ごろっと魚の身も入っているのがこの店の特徴。サバヒーは朝ごはんの定番としてお粥に、また内臓や皮も別に調理して余すところなく食べられる。

今日煎餃(ジンリージエンジャオ):餃子も人気メニュー。具材は4種類が日替わりで。この日はコーンと豚肉の「玉米豬肉」45元

西瓜錦清蒸魚肚(シーグアジンチンジェンユーヅゥ):サバヒーとスイカの漬物のスープは、淡白だが旨味をしっかり感じられる。サバヒーの身と熟す前のスイカの漬物が好相性。さっぱりとした味わいが後を引く。60元

おしゃれなカフェのような店内は若者にも人気。ランチタイムが特に混み合う。

小ㄚ鳳・浮水魚焿 Xiaoa A Feng ¬ Fushui Yu Geng台南市中西區民生路二段144巷7號tel:06-220-1239営)11時~19時休)水カード不可www.facebook.com/SHIAU.A.FENG

台南人の朝の定番、新鮮な牛肉スープを。

億哥牛肉湯(イーガーニョウロウタン)

ローカルフードの代表格、牛肉湯と呼ばれるスープの名店。台南近郊の善化(シャンホァ)は、政府が唯一認めた屠殺場がある牛肉の産地。毎日そこからさばきたての新鮮な肉が運ばれる。かつて力仕事が多かった農家の男性たちは、朝から肉を食べて体力をつけたそう。それが風習となり、いまでも朝ごはんとして食べる人が多い。

牛肉捲餅(ニョウロウジュエンビン):牛すじを葱油餅で巻いたタコスのような料理。B級グルメ的な存在で、甘めに味付けした肉がぎっしり詰まっている。85元

肉燥飯(ロウザオファン):台北では魯肉飯と呼ばれる。煮込み肉のせご飯は豚肉が一般的。ここでは、ほかに5種類の部位の牛肉を使ったものがある。20元

上等牛肉湯(シャンドンニョウロウタン):名物の「牛肉湯」(小)100元、(大)200元。牛骨と野菜で5時間ほどかけて作ったスープをかけ、レアの状態でいただく。辣油やネギなどで好みの味にするのが台南流。レアで食べることができるのは、その日にさばきたての肉で、鮮度が落ちないから。台北へは輸送が難しいのだそう。

台南では珍しい24時間営業の店。大きな交差点沿いにあるので利便性もよい。

億哥牛肉湯 Yi Ge Niurou Tang台南市東區裕農路574號tel:06-260-299024時間営業不定休カード不可www.facebook.com/億哥牛肉湯傳統小吃-454576424916460

夜市でも人気、牡蠣のお好み焼きならここ!

石精臼蚵仔煎(スージンジョウオアツェン)

地元の人たちのソウルフード、牡蠣のお好み焼きも台南名物のひとつ。市中心部から5キロほど西に海があるため、魚介類の養殖が盛んな台南。安平(アンピン)産が有名だが、より甘くてぷりっとしている鯤鯓(クンツェン)産の牡蠣をこの店では使用する。60年以上前にオープンし、20年前、新美街の辺りから移転。ほとんどがリピーター客だそう。

魚丸湯(ユーワンタン):魚のつみれが入ったあっさり味のスープ。甘いタレのお好み焼きと食べ合わせの相性が抜群。30元

蚵仔煎(オアツェン):地瓜と呼ばれるサツマイモの粉を使ったお好み焼きの生地はモチッとした食感がたまらない。小ぶりだが、ぷりぷりと弾力のある牡蠣がたくさん入っている。秘伝の甘めのタレをたっぷりつけて。60元

香菇飯湯(シャングーファンタン):店の隠れ人気メニューというべきシイタケのスープがけご飯。シイタケの産地、南投懸産の肉厚のものを使用。これでもかというほどシイタケの出汁が利いた絶品の味。噛めば噛むほど、エキスがじゅわりと出てくる。80元

お昼はテイクアウトする人も多い。

手早く具材をのせて焼いていく。完成までわずか3分!

石精臼蚵仔煎 Shi Jing Jiu O A Tsian台南市中西區國華街三段182號tel:06-223-5679営)7時~19時不定休カード不可

天秤棒の売り歩きから始まった台南発祥の麺。

赤崁擔仔麵(ツーカンダンザイミェン)

小吃の代表である擔仔麵。こちらの麺は、現在のオーナーである曽(ズン)さんの義理の両親が、約30年前、天秤棒を肩に担いで、スナック代わりに売り歩いていたことから始まった。甘めの肉そぼろとエビをのせた擔仔麵は、いまではすっかり台南の人気フードに。サツマイモの葉の茹で野菜やタロイモの点心など、南部ならではの一品料理も充実している。

擔仔麵(湯)(ダンザイミェン タン):豚とエビガラでとったスープは、ニンニクや胡椒でスパイスを利かせて。お酢を加えているため、爽やかな酸味が広がる。擔仔麵は、汁ありと汁なしが選べる。65元

黃金炸蝦捲(ホォアンジンザーシャージュエン):エビのすり身をさくさくに揚げた巻物は、小吃の定番。80元

燙地瓜葉(タンディーグヮイエ):さっと湯がいただけのサツマイモの葉っぱを擔仔麵のトッピングと同様の豚そぼろと混ぜて。サツマイモの葉は空芯菜などと同じく、よく食される。70元

傳統芋粿(ツァントンオァグェ):台南市の隣、高雄市がタロイモの産地だけあって、台南はタロイモ料理も多い。もっちりした食感を生かしてスイーツにもよく使われ、ジャガイモより一般的。こちらの点心は、タロイモや豚ひき肉を蒸してお餅のようにしたもの。たまり醤油に似た調味料、油膏をつけて食べる。85元

日本統治時代は歯科医院だった建物を改装。天井や柱にその名残が感じられる。

赤崁擔仔麵 Chikan Dan Zai Mian台南市中西區民族路二段180號tel:06-220-5336営)11時30分~14時30分、17時~21時(月~金)11時~21時(土、日)休)12/31カード:Ⓙ、Ⓜ、Ⓥ(500元から可)www.chikan.com.tw

和洋中と個性が光る、鍋焼意麺(イーミェン)の専門店。

松霖鍋燒始府(ソンリングオシャオシーフ)

意麺は、小麦粉で作った麺を卵にくぐらせたちぢれ麺のこと。台北でも意麺は食べられるが、これを低温で揚げ麺にしたものは台南特有。この揚げ麺を鍋焼うどん風にして食べさせてくれる専門店がここ。オーソドックスな鍋焼意麺のほか、トマト味やカレー味、キムチ味など個性豊かな進化系スープも人気だ。麺も4種類から選ぶことができる。

經典原味鍋燒(ジンディェンユエンウェイグオシ):いちばん人気がこちらの鍋焼麺。珍しいのは、スープを豚骨と野菜の出汁でとっていること。揚げた太めの意麺を入れて。黒胡椒の利いた豚肉や温泉卵、アサリなど具だくさんがうれしい。麺はほかに、うどん「烏龍」、春雨「冬粉」、卵を練り込んだ細めの玉子麺「雞絲」からも選べる。80元

皮蛋豆腐(ピーダンドウフ):ピータンと豆腐をお皿の上で崩し、台南特有のとろみのある甘ダレでいただく。ピータンも豆腐もカットせずそのまま供されるのが台南式。50元

台式泡菜(タイシーパオツァイ):台湾式キムチ。キムチといっても辛いわけではなく、酸味を利かせたさっぱり味。台湾ではこれが一般的。45元

田園番茄鍋燒(ティエンユエンファンチエグオシャオ):ハーブなど洋風のスパイスが香るトマトスープは甘酢っぱさが新鮮。麺はスープがよく絡む「雞絲」がおすすめ。160元

1994年に2軒隣の場所で始まり、広々としたいまの場所へ2年前に移転。

松霖鍋燒始府 Song Lin Guo Shao Shi Fu台南市安平區安北路427號tel:06-391-5057営)11時~21時(月~金)10時30分~21時(土、日)不定休カード不可www.facebook.com/SongLinNabeyaki

希少になりつつある庶民の味、エビご飯。

集品蝦仁飯(ジーピンシャーレンファン)

80年以上前から続くエビご飯「蝦仁飯」の老舗。火焼蝦と呼ばれるエビは、南部の沿岸で多く収穫できたため庶民の味だったが、近年、漁獲量が減り価値が高騰。やや贅沢な小吃になっているのが現実だそう。それでも1日800杯を売り上げる超人気店だ。甘味のあるエビにカツオ出汁と醤油を含ませた“どんぶり飯”は、ペロリと平らげられてしまう。

蝦仁飯(シャーレンファン):火焼蝦は3~5月、稀に収穫できない時があるそう。収穫できなかった日は休みになる。中華鍋に硬めに炊いたご飯とカツオ出汁のスープを入れて数分煮込む。並べたお碗に次々とご飯を盛り、エビをのせて完成。55元。エビの追加も可能で、その場合はプラス25元

涼拌豬腳(リャンバンジュージャオ):日替わりで5~6種類の小皿が並ぶ。ショーケースから好きなものを取るシステム。甘辛に煮込んだ豚足はゼラチン質たっぷりで柔らか。80元

豬肝(ジューガン):豚の肝の和え物は、野菜やショウガと合わせてさっぱりといただく。25元

鴨蛋湯(ヤーダンタン):鴨の玉子スープは25元。蝦仁飯のご飯に使うカツオ出汁をスープに。鴨の卵は鶏に比べて黄身が濃いのが特徴。鶏とともによく食べられる。地元の人は鴨の目玉焼きも大好物だそう。

移転を繰り返し、16年前からこの海安路で営業。開店と同時に客がやって来る。

集品蝦仁飯 Ji Pin Xiaren Fan台南市中西區海安路一段107號tel:06-226-3929営)9時30分~20時30分不定休カード不可

元記事で読む
の記事をもっとみる