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上野・東京国立博物館「インドの仏」展で仏教美術の奥深さに出会いました

  • 2015.4.3
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上野にある東京国立博物館・表慶館で開催されている特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」。アジア最古の博物館であるコルカタ・インド博物館が所蔵する、魅惑のコレクションを見に行きませんか。

インドの至宝が日本最古の博物館へ

JR上野駅から徒歩10分ほど、上野恩賜公園内に建つ東京国立博物館は、日本と東洋の文化財を保管・展示する日本最古の博物館。特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」が行なわれているのは、正面本館に向かって左側にある表慶館です。

今回の展示では、アジア初の総合博物館、コルカタ・インド博物館に所蔵された、世界的にも有名なバールフット遺跡の出土品をはじめとする、インド仏教美術の至宝約90点を間近に見ることができます。

シンプルで洗練された「仏立像」がお出迎え

入ると一番に迎えてくれるのは、悟りを開いた釈迦が初めて説法をした場所といわれるインドのサールナートで5世紀ごろに作られた「仏立像(ぶつりゅうぞう)」。深く瞑想するおだやかな表情と、石とは思えない柔らかな衣の質感が十分に表現された仏像は、当時の仏教美術の理想形なのだそう。本展示への期待がふくらみます。

仏教美術の源流をたどっていきます

全部で8つに分かれた会場では、千年を越えるインド仏教美術の展開を追うことができます。仏立像がある最初の部屋に飾られるのは本展示の見どころのひとつ、バールフット・ストゥーパ遺跡の品々。

ストゥーパとは仏の遺骨が納められたお墓のようなもので、仏像が作られる以前から信仰の対象として崇められてきました。紀元前に建設されたバールフット・ストゥーパのレリーフはどこか温かく、愛らしさを感じます。

1世紀ごろ、インドで初めて仏像が作られた地・マトゥラーの「仏坐像(ぶつざぞう)」。同じ頃に作られたガンダーラの仏像が波状の頭髪、彫りの深い西洋的な顔立ちなど、ギリシャ美術の影響を受けているのとは正反対で、純インド風の風貌には素朴な味わいがあります。

悟りを開いた仏に対して、修業の身である菩薩。こちらの「弥勒菩薩坐像(みろくぼさつざぞう)」は、出家前で華麗な装飾品、口髭を蓄えた姿が印象的。たくましい体つきと流れるように結いあげた髪の毛など、男性らしい美しさがみごとに表現されていて、ついつい見入ってしまいます。

5~6世紀ごろ、ヒンドゥー教が盛んになる中で生まれた密教には、仏や菩薩以外にもたくさんの神が存在します。デコラティブな見た目と、それぞれに異なる性質やストーリーがとても興味深いです。

写真は11世紀ごろに作られた「摩利支天立像(まりしてんりゅうぞう)」。仏教の守護神の一人で陽炎を神格化した摩利支天の姿が、躍動的に表現されています。陽炎には実体がなく、その本性を捕まえたり傷つけたりすることができないことから、日本では武士や忍者の間で信仰を集めたそう。

他にも紙がない時代に木の皮やヤシの葉に書かれた経典、隣国ミャンマーの仏教美術作品など、貴重なコレクションの数々が展示されています。

味わい深いオリジナルグッズも

展示を見終わったらぜひチェックしたいのが、特別展のショップで買えるオリジナルグッズです。蓮の花の中にカエルのイラストが潜んだ「ロータス・ピローカバー」(1800円)やオリジナルのバターチキンカレー「インドの仏 カレー」(630円)など、家でも展示の余韻を味わえそうなグッズが並びます。

“仏教”、“美術”というと少し難しいように思えますが、容姿端麗な弥勒菩薩、隅々まで精巧に作られた摩利支天など、見ているだけで十分に興味深いインド仏教美術。自由な観点から楽しんでみてくださいね。

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