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本命視される女には「菩薩力」がある

  • 2019.10.28
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自分が本命視している男性の本命になるためには、相手からできる限り高いランク付けを獲得し、「本命」と狙いを定められる必要がある。「男性は手が届きそうで届かない、価値のある女性」を求めている、というのは押さえておきたい事実。そんな女性が持つ「菩薩力」とは。

■本命として扱われる人、そうでない人の違い

シングルマザーの友人が出会い系アプリで知り合った男性と1回目の食事をしたその日の夜、「僕はお付き合いしたいと思っています」という内容のLINEをもらった。現時点の恋愛における男女のパワーバランスでいうと、女が上、男が下。

恋愛はとかく追っかける側の立場が低くなるからだ。にも関わらず、なぜ男性は自分の好意を早い段階で表明するのか? それは、何回かデートした後にいざオスの側面を出したら、すかさず女性側から「オトモダチだと思ってました」と拒否され(アンタなに勘違いしてんの?)と気持ち悪がられる上に、デートにかけた時間とお金と労力という資源の無駄遣いを避けるため。

はじめから可能性がないなら、他の女と出会えるチャンスに掛けたい。これが男の本心である。

しかし、女性が同じようにして、出会いのはじまりから相手への好意を表明したらどうなるか?

このまま彼女が交際をOKすれば、ふたりは「彼氏彼女」という付き合っている状態になるが、付き合いが始まった後も彼が彼女を気持ち的に追っかける側で、尊重し誠実でいてくれるとは限らない。なぜなら人間は、思いのほか簡単に手に入ったものに価値を見出さないから。特に男性は。

いくら女磨きを頑張っても、本命として扱われない女性の落とし穴。それは、異性と出会った瞬間にこの人との恋愛を「ある」か「ない」の2種類にきっぱりと分け、好意を明らかにしてしまうこと。

「この人いいな!」と思う男性には、真正面から「好き」を包み隠さず、メールは即レス、デートの予定は合わせる、話は聞き手に徹し、相手が求めれば早い段階で身体も許す。逆に、「コイツないわぁ」と判断を下した男には、メールは既読スルー、話は聞かないかそうそうに終わらせ、一晩寝たら相手の存在は記憶から抹消。

■0か100かでは誰の本命にもなれない

巷の婚活マニュアルには、「タイムリミットが迫っているんだから、さっさと立場を明確にして理想の相手に出会うまで、最短最速で出会いの高速道路を駆け抜けろ」とあるのかもしれない。

そうやって次々に出会い数を重ねれば、絶滅危惧種の高収入でイケメンで子ども好きで、優しくて誠実な白馬の王子様をひと目拝むことはできるかもしれないが、王子様が自分に振り向いてくれる可能性は限りなくゼロに近いだろう。王子様だけではない。恋愛態度を0か100かで表し続ける限り、どんな男性の本命にもなれない。

なぜなら、いつの時代も男は「手が届きそうで届かない、価値のある女」を求めている。「手が届きそうで届かない」状態というのは、「この女、俺にホレとるなあ」という確信は持たせないが、同時に「もしかしたら、俺に気があるんじゃないか」と思わせ「疑わしいけど証拠がない」という状態。

水野敬也著『スパルタ婚活塾』では、この状態のことを「恋の完全犯罪」と呼び、男の意識を自分にロックオンさせ本命として狙わせるために、恋愛初期で最も重要なことだと説いている。

また、同著の中で、「男はどういうときに女を好きになるのだろうか?」について、もちろん好みの女性が目の前に現れたときもあるが、それ以上に大事なのが「この女、落とせるんじゃね?」と期待したときである。とも言っている。

1964年、心理学者ブルームが発表した「期待理論」によると、人間は、努力すれば報酬が得られると期待したときに初めて努力する。つまり、「この女は頑張れば手に入りそうだ」と思ったとき、男はその女を手に入れようと動き始める。

しかし、注意しなければならないのは、「この女、確実に俺にホレとるなぁ」と勘づかれると、気持ちが冷めてしまうことだ。男にとって自分に狙いを定めてきた女ほど怖い存在はいない。必死な女ほど魅力がなくなる。男はとにかくその女から逃げたくなる。恋愛態度を0か100かで使い分けている限り、どんな男性の本命にもなれない理由はここにある。

■本命視している相手から本命視される秘訣

長い婚活ロードの末、やっと出会えた理想の男性を前にして、目をギラつかせず、よだれも垂らさず、他の女を蹴落そうなんていう悪意が頭をかすめることもなく、「興味がないわけでもないけど、すごくあるわけでもない」という曖昧で思わせぶりな態度を取るなんて至難の業である。

頑張って興味があるのにないフリ、忙しくないのに忙しいフリをしても、そういう背後に目的を持った嘘という駆け引きは必ずバレる。女の行動の裏にテクニックが透けて見えたとき、男は猛烈に冷める。下心を伴う嘘は千載一遇の大チャンスが一瞬で水の泡となる危険をはらむ。肝に銘じる言葉は「嘘はバレる」ということだ。

そこで、前述した本の中で語られているのが、「嘘のない価値のある女」の演出方法である。「この女と付き合いたい」と男に思わせ、本命になるためには、自分の価値を高め、心理的に相手の上に立つコミュニケーションが非常に重要である。

その中でも、本命視している相手の本命になるために、私が恋愛初期のタイミングで重要だと思うものを少し紹介する。

仮氏理論

余裕がないから相手に執着してしまう、好きになればなるほど重い女になるというリスクを避けるために「仮の彼氏=仮氏」を作り、彼氏のいる余裕と心の保険を作るという執着を分散させる方法。

ツッコミマスター

理想の相手を前にして、「頷く、褒める、笑う」という一辺倒の刺激のない退屈な女に陥らないために、会話の予定調和を崩し、気があるのかと思わせて否定し、否定したと思わせて持ち上げる心理戦で男の狩猟本能を無意識に刺激する方法。

おさわり四十八手

「俺に惚れとるな」という確信は持たせないが、もしかしたら「俺に気があるんじゃないか」と期待させるために、体に触れられると気があると勘違いするという男性本能の特徴を逆手にとった、自然な流れで男性の体に触れ、確実に女として意識させる方法。

AKKKNM理論(あれ? これ、結果的に駆け引きになっちゃってます? 理論)

好きな男性からのメールに即レスして「この女俺に気があるかも」と男に自分の好意を悟られて調子に乗らせないために、メールをすぐに返信できないように本当に忙しくする方法。

まず本命になるためには、相手の男性からできる限り高いランク付けを獲得し、「本命」と狙いを定められるしかない。繰り返すが、「男は手が届きそうで届かない、価値のある女」を求めている。上記紹介した4つは、男性の狩猟本能に火をつける必然の方法だと言っても過言ではない。

希少で価値の高い女を苦労してやっとの思いで手に入れたからこそ、手に入れた女がより愛おしく思えて、手に入れた後も大切にしたいと思うのが男の本能であり、「俺はレベルの高い女と付き合っている」と男に思わせてあげることは男の自信を増し、自動的にいい男になってもらう方法でもある。

■男にとって「理想の結婚相手」ポジションを獲得するには

結婚とは、今後の人生を一緒に過ごしていくパートナーを決める行為である。そして、長い人生の中では、身体を悪くしたり、収入を失ったり、トラブルに巻き込まれたり、さまざまな問題が起きることもあるだろう。そんなとき、どんな女を、男は生涯のパートナーとして求めているのだろうか。

先述の「スパルタ婚活塾」には、どんなに受け入れ難い場面でも「逆に、楽しい!」と口に出し、今を楽しめる女になる「ライフイズビューティフル理論」が男から結婚相手として意識されるための方法として紹介されている。

すべての出来事にはプラス面とマイナス面があり、感じ方はどちらに焦点を当てるかの違いだけだから、いろいろな角度から状況をポジティブに捉えられる女性であることを、普段のデートの会話からアピールできれば、「この先どんなことがあってもこの子となら大丈夫かな」と男は安心して結婚に踏み切れると書かれている。

もちろん、我慢でも強がりでもなく本心から「逆に、楽しい!」と言えて、世界はすべてにおいて美しい側面を持っていると感じられる感性を日常生活から鍛え上げること。嘘はバレるから。

■ロンブー淳さんが今の奥様を本命に選んだ理由

先日ラジオ番組のインタビューでロンドンブーツの淳さんが、たくさんの女性との恋愛を経た結果、最終的になぜ今の奥様を選んだのかを語っていた。そこに大切なエッセンスが詰まっていたので紹介したい。

「あまりにも俺のことを全部受け止めるから、不安になっちゃって1回別れるんですよ。『この人といたら自分がダメになっちゃう』って」と振り返った。

しかし、そこから別の恋愛を繰り返していく中で、「やっぱりあの人だな。俺に合う人は」と気づいた淳さんは、「本当に自分勝手な考えですけど、もう1回戻ってくれませんか」と告げて復縁し、結婚まで至ったという。

そんな妻の人柄を淳さんは「一言でいうと菩薩」と形容し、「怒り表現がないから、揉めないんですよ。人に対して寛容」と語った。

私はこのインタビューで、淳さんの奥様を「相手をコントロールしない女性」だと推測し、そこに淳さんの本命になった理由があると推測した。

巷に出回っているモテるための知識というのは、簡単に言うと、女の目的を達成するためにいかに男を動かすか、に集約される。本命になりきれない女にとってモテるとは、わかりやすく男性に優しくされること、注目されること、大切にされること、そして結婚してくれることだと思っているから。

その中でも有名な、男を気持ちよくさせるリアクション言葉「さしすせそ」というのがある。「さすが」「知らなかった」「すごい」「センスいい」「そうなんだね」という男の承認欲求をくすぐる定型フレーズ。男を持ち上げてこちらの目的を達成するには効果てきめんだが、本心からの発言でないなら、承認欲求という人間の欲望を刺激し、ただ相手をコントロールしているにすぎない。

自分自身を知るためには、他者の存在が必要だ。周りからの反応を得なければ自分自身を知ることはできない。そのひとつの方法として「承認欲求」がある。褒めてくれる人、自分のやっていることを見てくれる人を求める。

■相手をコントロールしようとすると上手くいかない

愛されること、異性から求められることは究極の承認だ。さらに、好きな相手から注目され、褒められたり、感謝されたりすることは自分の存在意義を強く感じられる。しかし、この関係を続けていくと、 ふと恐ろしいジレンマに気づく。それは、常に行動の先にある彼氏や彼女の反応を気にしてしまうこと。

行動の基準は己ではなく、相手が握っている不自由さに気付いた途端、自分へ向けられた言動や評価、さらに相手の存在そのものが疎ましく思えてくる。特定の人間に対してではなくても、「SNS疲れ」という現象もそのひとつだ。

逆に、なにも反応がないとか全部受け入れられてしまうというのも人を不安にさせる。それが淳さんの言う「あまりにも俺のことを全部受け止めるから、不安になっちゃって1回別れるんですよ。『この人といたら自分がダメになっちゃう』って」の真意だと推測する。

続けて淳さんは、そんな妻の人柄を「一言でいうと菩薩」と形容し、「怒り表現がないから、揉めないんですよ。人に対して寛容」と語る。

そう。褒めることと同じくらい相手をコントロールするのが、怒りの感情。アドラー心理学の「嫌われる勇気」では、人は怒りを捏造し、ある目的を達成するために怒りを道具として使うのだと言っている。褒め言葉の「さしすせそ」を連発する女は、褒めるのと同じくらい怒りの感情を使い、相手を自分の思い通りに動かそうとする。

よく「怒りをどう抑えればいいですか?」と質問を受けるが、怒りは一瞬の感情だから数分心を静かにしていれば過ぎ去るもの。それでも怒りが収まらないのであれば、何かしら相手を自分の思い通りに動かしたいという目的があるはず。

冷静になって怒りの感情の奥にある、目的が明確に見えてくれば、それを言葉で説明し相手と対話によって同意を得ることがコミュニケーションである。怒りの感情がなければ相手も冷静にこちらの話を聞けるものだ。言葉で説明する手順を面倒に感じ、怒りという安直な手段で相手を屈服させることは、本命になるために克服するべき大事な課題である。

籍を入れるか入れないは別として、「本命」とは残りの人生をこの人と一緒に過ごしたいと思うときに浮かぶ人ではないだろうか。恋愛初期を経て誰かの本命となり、他人を受け入れ愛し、自分も受け入れられ愛され人間として互いに成長していくとき、そのとき側にいてほしいのは、意図的に相手をコントロールしたり挑発したりしない人。一言で表現すると、菩薩のような人なんだと思う。

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