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【競泳・坂井聖人×写真家 川島小鳥】バタフライのスペシャリスト坂井聖人さん「今度こそ金メダルを取って、気持ちよく家に帰りたい」

  • 2019.10.23
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競泳 坂井聖人×写真家 川島小鳥

リオ五輪で銀メダルを獲得したバタフライのスペシャリストは、右肩の怪我に見舞われて長い試練の時間を過ごしていた……。でも、ヒーローは焦らない。東京五輪の本番を見据えながら黙々と肉体と技術を磨き上げている。

トップアスリートがまとう自信を写真家の川島小鳥が写し出した。

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MASATO SAKAI

1995年6月6日生まれ、福岡県出身。181㎝。O型。兄の影響で、3歳から競泳を始める。学生時代から全国大会や日本選手権で華々しい成績を収め、早稲田大学在学中の2016年にリオ五輪に出場。200mバタフライで銀メダルを獲得して脚光を浴びる。セイコーホールディングス所属。


3歳 競泳を始める。小学6年生からバタフライ専門に
18歳 200mバタフライで高校総体優勝
21歳 リオ五輪の200mバタフライで銀メダルを獲得
21歳 日本選手権 200mバタフライ優勝
23歳 ジャパンオープン 200mバタフライ2位

\後半の驚異的な粘り強さに注目!/

坂井選手の強みは並外れた体力。リオ五輪ではラスト50mでギアを上げ、自己ベストのタイムを叩き出し2位に!

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KOTORI KAWASHIMA

1980年生まれ。2006年、ひとりの少女を4年間撮り続けた作品で、第10回新風舎平間至写真賞大賞受賞。2011年、『未来ちゃん』で第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞。2015年、『明星』で第40回木村伊兵衛写真賞受賞。近年の写真集に『20歳の頃』、『道』、台南ガイドブック『愛の台南』、『つきのひかり あいのきざし』がある。

タッチの差で逃した1位を今度こそ取りたいんです

「金メダルを目指して頑張ります!」
練習拠点である早稲田大学のプールで、正々堂々と東京五輪での目標を言い切る坂井聖人選手。彼は、誰よりも「2位の悔しさ」を知っている。

「リオ五輪では0.04秒の差で1位を逃しました。だから今度こそ金メダルを取って、気持ちよく家に帰りたいなと。肩を怪我して不調が続いているものの、東京五輪で輝くことをイメージしながら練習に励んでいます」

トップレベルの実力を誇る日本人アスリートにとって、東京五輪は一世一代のチャンス。プレッシャーを飼い慣らし、量よりも質の高い練習を積むことが活躍の鍵となる。

「競泳のレースは一発勝負。それだけ緊張感も大きいですが、練習をやりすぎると本番前に疲れ果てて本来の実力が出せないことも。来年4月に行われる選考会を兼ねた日本選手権で代表の座をつかむことが大前提ですが、肉体や技術のピークは五輪本番に照準を合わせて引き上げていこうと思っています」

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怪我の癒えた肩は、もともと〝羽〞と呼ばれていたほどの柔軟さと力強さを取り戻しつつある。バタフライでの優雅な泳ぎを生み出す最高の武器を持っているものの、私生活では悩みの種になることもあるとか。

「僕は洋服が好きなのですが、肩を鍛えすぎると何を着てもパツパツになりがちなんですよ(笑)。本当は体を細くして大きめな服をユルく着こなしたいのですが……少なくとも来年の夏が終わるまでは我慢します」

休日の理想的な過ごし方を聞いてみたら、さわやかな笑顔で「温泉!」と回答。プールに入らない日でも、浮力を感じていたい人なのかもしれない。

「普段、さんざん冷たい水に浸かっているので、温かいお湯が特別に感じるんですよ。息抜きが得意なタイプではないので、温泉に行っても泳ぎたくなっちゃうかもしれないけど(笑)」

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撮影/川島小鳥 取材・文/浅原聡
※再構成 with online編集部

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