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【女子のばんそうこう】限りなく甘美な地獄。「沼男子」に気をつけて。

  • 2019.10.21
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先月終わったドラマ「凪のお暇」で、主人公・凪を翻弄する隣室の男性ゴンさんが話題になりました。 彼は男女問わず距離感ゼロであっという間に相手の懐にふんわりと入り、めっぽう優しいので、「メンヘラ製造機(関わった女子がみんなメンタルを病む)」「モーゼの海割り(彼の通るところ累々と屍が並ぶ)」と呼ばれる男。演じる中村倫也さんの演技力とあいまって「ひどい男…でも好き!!!」とTVの向こうでメロメロになる女子続出でした。

そして先日観た映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」。小栗旬さん演じる太宰治は妻子がいながらも「作品を書くため」という理由で次々と愛人をつくってゆきます。口説き文句は「死ぬ気で恋愛してみないか」。最初こそ抗う女たちも、あまりに甘美な関係にどんどん溺れていきます。こちらも小栗旬さんの色気が炸裂しており、「太宰ほんとにクズい…でもこんなんされたら確実に落ちるでしょ…」と頷かざるを得ませんでした(くやしい)。

これらはあくまでもフィクション(実際の太宰治に関してはほぼこのままなのですが…)ゆえ、こんなキャラはなかなかいない…と思いきや、実はそうでもない。ゴンさんや太宰ほどではないけれど、私たちの周りにはこういうアリ地獄みたいな蜘蛛の巣みたいな、気づいたらずるずる引きずり込まれる「沼のごとき男」がいたりするんですよね。
この連載にたびたび登場するタイプに「いばら男」(女を1人に絞らず都度都度の口八丁でしのいでいく男)というのがいますが、それと似ているようで少しだけ違う。沼男子の方がぐっと少数ですが、もし当たってしまったら後々のダメージが大きい。下記に特徴を書いておくので、あなたの気になる人は大丈夫かチェックしておきましょう。

とにかくモテる。

イケメンだったり、何らかの才能が突出していたり、だだ漏れる色気があったりするので、女が放っておかない。常に周りに女の影(というか実体)がわらわらしている。しかし本人にギラギラするところはなく、むしろ飄々としている。

こちらが欲しい言葉と行動をくれる。

いつでも優しい。とにかく優しい。そして他の人が(彼氏ですら)言ってくれたことがないような嬉しい言葉を言ってくれたり、「ここまでしてくれるなんてもしや私のこと好きなの…?」と思うくらい好意的な行動を示してくれる。会えたらうれしそうだしいつも褒めてくれるし、何なら「○○ちゃんのこと好きだな、俺」くらいのことはサラリと言う。女子のツボを的確に押してくる。

断らない。

関係ができた後もマメである。自分に都合のいい動き方しかしない「いばら男」とはそのあたりが違う。来てと言ったら来るし、会いたいと言ったら頑張って会ってくれる。泣いたりスネたりしたらなぐさめてくれるし謝ってくれる。「大好きだよ」も出し惜しまない。

…なんか素晴らしいな沼男子…(目が潤む)。いや待てまて。こういう甘いコミュニケーションの上澄みだけ味わうのが目的なら確かに最高です。でももし彼のことを心底好きになり「一対一の恋人同士になりたい」と思ったらそこからが地獄の始まりです。同じように考えてる女子は当然複数おり、彼はみんなを同じように可愛がってるからです。

「私とのことをもっと真剣に考えて」「私たちこの先どうするの」…いばら男なら言われた途端「うわ、めんどくせ」と脱兎のごとく逃げてゆく禁断のセリフも、沼男子にはおそらく効かない。小栗旬さん演じる太宰はつらいと泣きじゃくる女の頬を大きな手で包み「かわいいなあ…」とつぶやきます。たぶん本心だからタチが悪い。その結果、愛人2人から「あなたの子供が欲しい」と迫られ、「うん、わかった」と言ってしまうんですよ…断らないにもほどがあるぞ、治。

私の友人男子にもこういうタイプがいたのですが、沼男子は基本タフです。筋肉のタフさじゃなく、スライムのようにとらえどころなく、自在に形を変える柔らかい強さ。
例えば5人の女と関係を続けても「己を20%ずつ分散する」なんてことはしません。それはしょせん素人仕事、ただのいばら男。沼男子は「5人にそれぞれ100%、計500%」なんですよ。当然めんどくさい事態になるんだけど、そのドロドロした底の底まですすんで浸かりにゆく奇人なのです…。

昔からゴンさんをよく知るエリィは凪に言います。
「あいつはただひたすらに『目の前にいる人に誠実』なの。この意味わかる?それってつまり『目の前にいない人には不誠実』ってこと」…これほど沼男子を的確にあらわす言葉はないでしょう。
彼らは事態を収束する気も、誰かひとりに絞る気もありません。「何でそんな悲しいこと言うの。俺は○○ちゃんが大好きだよ。このままじゃダメなの?」そんなスライムハグで丸め込まれておしまいです。例え刺してもスライムだから多分効かない。ボロボロになった女子が自ら断ち切る以外、道はないのです。

「沼」にハマるなら、楽しい部分だけを摂取してひたすら幸せになれる趣味ジャンルの「推し」でじゅうぶん。リアル恋愛においては、沼男子に深入りするべからず。気づいたら早めに撤退しましょう。

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