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お小遣いもキャッシュレス化!?子どもの金銭感覚を養おう

  • 2019.10.15
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買い物をする際、支払を現金ではなくカードやICカード・QR決済などで行うキャッシュレス化が進んでいます。10月からは消費税増税にあわせて、キャッシュレス決済を行うと消費税以上のポイントが戻ってくるサービスが始まる為、ますますキャッシュレス化が進んでいくことが必然となっています。

現金を使う機会が減る中、子ども達にお金の使い方をどう伝えればいいのでしょうか?キャッシュレス時代の現状を知りましょう。

キャッシュレス化のメリットと海外事情

キャッシュレス化はなぜ進んでいるのでしょうか。まずはメリット・デメリットを知っておきましょう。

(1) メリット

・現金を持ち歩かなくていい

・会計が早い

・ひったくり・店舗強盗などの犯罪が減少する

・支払履歴がデータで残るので、支払状況の管理が簡単

・造幣が不要になるためコスト削減となる

などがあります。

(2) デメリット

・クレジットカード決済やサイバー犯罪が増える

・災害時に使えないリスク

・高齢者などのキャッシュレスに不慣れな方への適応

などがあります。

デメリットや不安点などもありますが、メリットの方が圧倒的に多く、今後キャッシュレス社会となっていくことは必然となっています。

(3) 海外のキャッシュレス事情

こういったメリットを受け、外国での状況はどうなっているのでしょうか。

日本の現金使用率が19.4%に対し、アメリカは8%、イギリスは4%です。スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧はキャッシュレスが進んでおり、スウェーデンではたったの1.7%しかありません。

インドでは、現金が賄賂や脱税につながりやすいという理由から、2016年に高額紙幣が使えなくなりました。中国でもキャッシュレス化が進んでいますが、こちらはクレジットカードだけではなく端末決済がメインとなっています。

さらに具体的な事例としてデンマークでは強盗件数が38%減少、エストニアでは個人納税申告の自動化により税理士の消滅などの動きがありました。

子どもへのマネー教育とは

(1) 高まるマネー教育への関心

近年、子どもたちへのマネー教育への関心が高まっています。しかしキャッシュレス化が進むことでお金が見えないものとなり、買い物の仕組みが複雑化することを心配する声も聞かれます。ピッとかざすだけで物が買えることは、子どもにとっては魔法のように感じるでしょう。しかしそれは魔法ではないこと、つまりお金の価値や使い方についてしっかりと伝え教育しておく必要があります。

中高生になると通学途中でキャッシュレス決済を行う機会が増える為、早い内から少しずつ体験させることが必要です。公共機関に乗る際運賃が発生するようになる為、自分専用の交通系ICカードを既に持っている子も多いでしょう。「何となくこのカードで物が買える」という感覚のまま過ごし大きくなるのは危険なことですし、そういった声を踏まえてマネー教育を手掛ける場が増えています。

(2) 親子向けのマネー講座も

子ども向けのマネー教育を手掛けるファイナンシャルアカデミーが主催した「キャッシュレス時代のお金の学校」というイベント内では、小学生の親子が買い物ゲームに挑戦。お金や商品代わりのカードを使い、残金を確認したり買う物の計画を立てたりしてゲームを楽しみながら使い方を学びます。

親子向けのマネー講座を主催するキッズマネーステーションでは、「キャッシュレスでお出掛け体験」というイベントを行っています。おもちゃの電子マネーを用いたゲームで、数百円分がチャージされたICカードと現金を持って出掛ける設定の中、ジュースを買ったり有料の遊び場に参加したりします。知らない内に残金が減ってしまい最後に目的のものが買えない子も出て、計画的に利用することの大切さを学ぶことが出来ます。

こういったイベントに参加する機会がない場合、買い物の経験も少ない子どもにどのように金銭感覚を伝えていけばよいでしょうか。例えば、出掛ける際に交通費や飲食、お土産の購入などをやりくりさせたり、新学期準備に必要なものの買い物をさせてみたりするのもいいでしょう。その際、その子の学年や様子によって下記のように内容を調整し段階を踏んでいきましょう。

・まずは少額予算で

まだ経験のない子、学年が小さい子は少ない金額から始めます。お祭りで数百円を持たせる、1週間分のおやつを選ばせるなどから始めましょう。

・慣れてきたら1日分で

お出掛けの機会があれば、一定の金額を持たせる・もしくはチャージをして交通費や飲食代をやりくりさせます。交通費のように必ずかかる金額を把握し、残金がいくらになってその中で何が買えるかという計算をすることでやりくりを学べます。

・さらにステップアップ

やりくりに慣れてきて高学年になったら、遠出のお出掛けから旅行などの計画を考えそのための予算やルートを親と話し合います。「これにもお金がかかるんだ」「これってこんなに高いんだ」などと、今まで知らなかった事実に気づきお金に関心を持ったり大切にしたりするようになるでしょう。

お小遣いもキャッシュレスに!?

キャッシュレス化が進む欧州では、小学生でもカードを使うようになっており子ども向けの決済サービスが新たなビジネスとして注目されています。

英国では、親子で共有出来るプリペイドカードとモバイルアプリのサービス「Gohenry」により、親が定期的なお小遣いをチャージして子どもに渡すことが出来る上、実店舗やオンラインショップなどで幅広く利用することが出来ます。

「毎週何曜日の何時」と決めておくと自動で小遣いがチャージされ、一度の買い物で利用出来る上限も設定することが出来ます。買い物履歴を親がチェックすることも出来るので、無駄遣いしている場所を特定してそこでの利用を不可にすることも出来るというサービスです。

さらに、子どもが欲しい物の目標設定をしておくと通常の買い物講座とは別枠で小遣いを節約して貯めることが出来、節約や貯蓄などの金銭感覚を自然と覚えられるようになっています。設定したタスク(お手伝い)を実行すると臨時収入がもらえるという機能まであります。

お小遣いをキャッシュレス化するメリット・デメリット

日本ではまだこういったサービスが普及していませんが、お小遣いをICカードにチャージするなどしてキャッシュレスで渡すことは可能です。お小遣いをキャッシュレス化するメリット・デメリットを見てみましょう。

・メリット

キャッシュレスにすると、履歴が残るのでお金の使い道がはっきりと分かります。そして、お財布にお金を入れて持ち歩く必要がなくなる為安心です。

・デメリット

一方デメリットは、ICカード自体を忘れたり紛失したりすると何も買えない・出来ないことです。そしてICカードの決済を行っていないお店では当然買い物が出来ず、意外と使えないお店も多くあります。

キャッシュレス化するとお釣りの計算が出来なくなる・お金の価値を軽く考えるようになるなどを懸念する方も多いようですが、お小遣いを渡す目的は金銭感覚を磨くことだと思います。金銭感覚を磨くのは現金でもキャッシュレスでも可能です。一緒に買い物した際はお小遣い帳でもアプリを活用してもいいので、買い物したものを書き出すなどしておくといいでしょう。何にいくら使ったかを書き出すことで、普段買うものの値段が分かり、「この品物の適正価格はこのくらい」ということが分かってきます。記録し振り返ることで、お金の使い方や無駄が見えてきます。

お小遣いを現金で渡すかキャッシュレスで渡すか、というのは問題ではなく、自分でコントロールする力を身につけられるかが大切です。

今回キャッシュレスについて調べると、実際に小学校中学年くらいの子のお小遣いをキャッシュレスにしてみてどうなったか、というレポートをいくつか発見しました。初めてのことだと抵抗を示す方も多いかもしれませんが、生まれた時からICカードが普及している子ども達にとっては我々以上にキャッシュレスに抵抗はなく、生きていく時代もキャッシュレスが主流になってくるでしょう。

現金であっても、お小遣いを与えるだけで無駄遣いしていれば意味がありません。要は与え方ではなく、与えた後どうするかを親子で考えることが大切だと感じました。筆者の子はまだ低学年ですが、もう少し成長したらキャッシュレスのお小遣いを考えてみてもいいかなと感じます。親も一緒に学ぶという気持ちで、少し興味のある方は検討してみてはいかがでしょうか。

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