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嗚呼、こんな中華と“寝たかった~” 渋谷道玄坂で待ち受ける口福の12皿

  • 2019.10.12
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◆中華寝台(Chinese bed) [渋谷]

なんと、ワインペアリングは フリーフロー!? ノンアルのペアリングも充実
今回は、2019年10月1日オープンしたての中国料理をご紹介。

「中華寝台」。

店名を聞いたとたん、不思議な気持ちになった。聞けば、隠れ家イタリアンShibuya bedの業態変更だという。ベッドから寝台へ……、洒落は利いているが、あまり期待できないかな。そんな気持ちで向かった渋谷文化村通り。

1階にタピオカ店が入ったカジュアルなビル。横の階段を上がっていく。
あらっ、外の喧騒とはがらりと印象が異なるシックなインテリア。なんか、よさそうだぞ。

「ただの業態変更ではないですから! 総合プロデュースはあの六本木の人気中国料理店『虎峰』の山本氏です」とオーナー。なんですって!

そのもとで腕をふるうのは、上笹俊シェフ。南青山の「Essence」で7年、そのうち副料理長として3年間研鑽を積み、その後プライベートシェフズスタジオ山岡で半年ほど山岡シェフに師事した実力派。なんとまだ28歳というのに、ソムリエと、国際薬膳調理師の資格も持っているのだとか。しかもシュッとしたイケメンだ(そこも肝心)。

客席はカウンター8席。一挙手一投足が客から見られてしまうオープンキッチンのスタイル。劇場型レストランは好きじゃないが、ここはほどよい緊張感でライブ感が楽しめそう。メニューはコースで12,000円(税抜)。さあ、魅せてもらおうじゃないか。

「まずはこちらを開けてください」。

虎峰出身のスタッフ、渡辺氏が登場。小気味よいサービスが始まる。

なにやら玉手箱のようなものが出てきた。

中に入っていたのは、フォアグラ最中! パリッとした皮の中に、マンゴーのピューレ、フォアグラ、いちじく。

頂点唐辛子の香りが移って、ほんのり四川。よいスタート。

「うちはお食事とともに楽しんでいただくお飲み物も自慢です」と渡辺氏。「単品もありますが、飲み放題のワインペアリング8,000円がおすすめです」。えっ、ペアリングなのにフリーフローでいいんですか!? さらに、「実はノンアルのペアリングも4,000円でやっております」と言うではないか。お、それは興味深い。今回わたしはノンアルでやっていただこう。

前菜盛り合わせがやってきた。美しい。クラゲと紅芯大根を黒酢で、天然の鯛をさっぱり仕上げたもの、卵黄と黒ゴマソースの揚げピータン、白ワインで漬けたプチトマト、生搾菜、棒棒鶏。

軽やかな仕立てで、すっきりと入ってくる。合わせるお茶は、冷たい凍頂烏龍茶。

なにやらヌーベルシノワな一品が。「冷やし麻婆豆腐でございます」。マーラーでしっかり味付けした豚肉。そこに冷たい豆乳。ユニークなだけでなく、うまい。このあたりは虎峰のニュアンスだな。

お茶は、マリアージュフレールのスウィートシャンハイを合わせてきた! お洒落。

なんだなんだ。生ハムスライサーが登場してきたぞ。ほどよく薄切りにされたのは、脂身のうまいことで知られるブランド豚、加藤ポーク。

「イタリアン時代の道具を再活用しています!」ナイス!

そして出来上がったのが、雲白肉。四川の定番前菜。

いやー、この薄さが絶妙! 甘辛いソースも絶妙! スライサー万歳!

揚げた大根餅。外はカリッ、少し歯を入れると中からはとろ~り。たまらないテクスチャー。自家製のXO醤は角のないうまさで好感。ワインの人、これだけで飲めてない?

さりげなく添えられた蓮根、マコモダケ、カイランの炒めもいい。上笹シェフの勘どころを感じる瞬間。
スープが器にそそがれる。なんといい香りか。

豚モモ、鶏ガラで12時間かけて抽出した上湯。塩味は金華ハムのみでつけてあるという。一点のくもりもない。ああ、早く胃袋に流し込みたい「少々お待ちください」。

なんと、削りたてのトリュフが!

贅沢すぎる! まずはスープだけでいただこう。ごくり。のどをすべる時間の心地いいこと! そしてトリュフと一緒に。染みる。口福はここにある。

もう、続きが楽しみで仕方なくなってきた。

四川と広東を融合させた 新しいスタイルが次々と!

「こちらも、イタリアン時代の名残でパスタマシーンを使っています」と、出てきたのは手打ちの汁なし担々麵。強力粉に少しタピオカ粉を加えたもちもち麺。この麺がもう、笑っちゃうくらいうまい。パスタマシーン、いい仕事しています。

タレのバランスも完璧。辛すぎず、黒酢の酸味がほんのりとあとから。

「前菜で使った鯛がいいものでしたので」と、海鮮は、鯛とホッキ貝。湯引きして、白髪ねぎのうえに中国醤油と油をジュッとやる。素材のよさも生かした、香港のダイパイトン料理のようなひと品。

このあたりは広東の名店「エッセンス」で培った技だろうか。

密汁叉焼が登場。左の肩ロースにはウォッシュチーズ、右のバラにはブルーチーズが添えてある。「ばらばらでも、一緒に召し上がっても」。セオリーでいうと前菜に出がちな焼き物がこのタイミングというのは面白い。さきほどの麺もそうだが、提供の妙もここの特徴といえるかも。しかも、まったく的外れではない。なにしろこの叉焼がうまい!

隣でワインペアリングを楽しんでいる友人がうらやましく感じた…。

ぐつぐつぐつ!

なにやらすごいものがやってきた。フカヒレステーキ! 焼いたフカヒレを白湯で炊いてある。

土鍋に移したものをアツアツの状態でサーブ。ハフハフ。夢中で食べる。

メインディッシュは、山形牛のランプを使った青椒牛肉絲。

3種のパプリカとともに。肉の火入れもパーフェクト。

オープンキッチンの実力はここにもある。作っている最中からよい香りなのだ。もう、この香りで飲めてしまう。そう、そこでうれしいのが、ここのフリーフローシステム!

「さっきのもうちょっとちょうだい、なんていう後戻りもできますので」と渡辺氏。呑兵衛メンバーは小躍りしている。

選べる〆には、先の冷たいものと食べ比べたい気持ちもあり、麻婆豆腐をお願いした。木綿豆腐を使った麻婆豆腐は、昨今よくある山椒ピリピリではなく、うまみが全面に出た一品。上笹シェフの「四川と広東を融合させた味です」の言葉に、深く納得する。

ごはんにも合う。お腹いっぱいなのについ「ごはんくださーい」。

デザートは杏仁豆腐とマンゴープリン、温かい中国茶とともに。

ねっとり美味。こんなにお腹がいっぱいなのにお代わりしたいぐらい。

これを書いている今、食後からまだ12時間しか経っていないのに、すでにアレもコレもまた食べたくなっている。居抜き物件の業態変更でしょ? なんて気持ちで伺った自分を恥じるくらいの満足感。カウンター8席しかない空間は、予約困難になるのもすぐだろう。

しかも、〆にはほかに、天津飯や中華丼の用意があるという。「オリジナルのスペシャルなやつです」と、イケメンが自信たっぷりに言い放ったのだから、気になって仕方ない!

魅惑の寝台。ああ、早くもまた寝たくてたまらない。

中華寝台(Chinese bed)
:チャイニーズベッド

所在地 東京都渋谷区道玄坂 2-23-13 Deli Tower2階
電話番号 03-3476-6120
営業時間 18:00~21:00(L.O.)
定休日 水曜
予算 コース12,000円
http://www.shibuya-bed.jp/
[2019年10月訪問]

Keiko Spice

東京都生まれ。得意なディスティネーションはハワイと香港。普段は3日に1回のペースで焼肉を中心とした食生活。別名「肉の妖精」。

文・撮影=Keiko Spice

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