1. トップ
  2. 村上虹郎、初共演の吉岡秀隆は「その筋の先輩みたいな感覚です」

村上虹郎、初共演の吉岡秀隆は「その筋の先輩みたいな感覚です」

  • 2019.10.12
  • 451 views
10月12日(土 )にNHK BSプレミアムで「八つ墓村」が放送される
(C)NHK

10月12日(土)にNHK BSプレミアムで「八つ墓村」(夜9:00-11:00)が放送される。

【写真を見る】吉岡秀隆が演じる!令和版・金田一耕助

同作は、「たたりじゃー!」というせりふで有名な横溝正史の長編推理小説・金田一耕助シリーズの一つで、横溝作品としては最多の9度映像化された人気作品。2018年に同局で放送された「悪魔が来りて笛を吹く」に続き、主人公の金田一耕助役を吉岡秀隆が務める。

そして事件に巻き込まれる青年・辰弥を村上虹郎が演じる。

1977年公開の映画「八つ墓村」で映画デビューした吉岡と前作に父(村上淳)が出演していた村上という作品に縁の深い2人に、役作りや作品の魅力について聞いた。

「その筋の先輩みたいな感覚です(笑)」

――吉岡さんと村上さんは今回が初共演ですが、ご共演された感想を教えてください。

吉岡:いやすごいですよ。

ドラマとかを見ていても、周りの方と全然雰囲気が違うというか、異質で独特な色気があって…。

お父様(村上淳)もすごいですけど、息子さんもすごいですね。1年の間に親子で共演させてもらいましたが(村上淳は2018年放送の「悪魔が来りて笛を吹く」に出演)、集中力と彼なりの解釈の仕方は独特だなと感じます。

僕は(村上が演じた)辰弥役で映画デビューしているので(吉岡は1977年に公開された「八つ墓村」の辰弥の少年時代を演じた)、なんとなく特別な感じもあります。お芝居もですけど、本当にいい子です。

村上:これまでに吉岡さんの出演された作品は見ていたのですが、“吉岡さんが出ている”と意識して見たことはなくて…。いつもそうなのですが、作品で演じていた役の印象を持ちたくないので、共演前には作品を見ずに共演後に見るんです。なので昨日は吉岡さん3本立てをしました!

吉岡:やめなさい(笑)!

村上:映画「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年公開)と映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」(1989年公開)と映画「八月の狂詩曲」(1991年公開)の3本立てで、さらに自分の出ている「八つ墓村」を見て、今日はショーケンさん(萩原健一)の映画「八つ墓村」(1977年公開)を!

僕が言葉で表現するのはおこがましいのですが、吉岡さんは絶対的な孤高の存在で…。周りの人とは絶対的に違うリズムとトーンで、人と違うテンポ感という意味ではその筋の先輩みたいな感覚です(笑)。

吉岡さんはどこか頼りない役、“安心感のない安心感”を持つ役が多いイメージだったんですけど、今回は「(金田一が)早く出てきてくれないかな!」と思いました。やっぱり吉岡さんが登場すると映像のトーンが変わる感じがして…。でも頭を掻く回数は少なかった(笑)!

「悲しみを感じる要蔵だと思いました」

――オファーを受けた時のどんな思いでしたか?

吉岡:前回は「金田一きたー!」って思って、今回は「八つ墓村きたー!」って。

でも前作の最後に予告ではありませんが、「八つ墓村」を彷彿させる演出があったので、「やるのかなぁ、八つ墓村行かなきゃいけないのかなぁ、いやだなぁ」という気持ちもありました。

今回は金田一がメインというよりは辰弥の愛憎劇、そして“たたり”がメインになってくるので、金田一としては控えていようと思いました。またあのスタッフでこの謎の中に入っていけるのはうれしかったですね。

村上:「ショーケンさんだ!」って思いました。僕は、ショーケンさんがご出演されている「八つ墓村」を見ていたので、うれしいなって。

前作に出ていた父に、今回のことを伝えたら「絶対やりな!吉岡さんと絶対やりなさい!」と強めに言われました(笑)。父とはあまり会ったりはしないのですが、芝居のことやいい映画を見たよ、とかメールでのやりとりはよくしています。

――「八つ墓村」と言えば「たたりじゃー」というせりふに象徴される事件の発端となる大量殺人を起こした田治見要蔵のイメージが強いですが、今回演じられた音尾琢真さんの要蔵はいかがでしたか?

吉岡:(撮影では)要蔵さんと会っていないんですよね。

僕は要蔵というと(1977年公開の映画で要蔵を演じた)山崎努さんのイメージがあるのですが、今回の要蔵はそれとはまた違いますよね。悲しいというか人間くさいというのは音尾さんならではじゃないでしょうか?怖いイメージの山崎さんとはまた違う、悲しみを感じる要蔵だと思いました。

――村上さんは音尾さんとお話しされたことなどありますか?

村上:撮影でご一緒するのは1日だけでした。(音尾の所属する) TEAM NACSの方とお仕事するのが初めてだったので、色んなことを聞きました!本当に色んなことを聞いたので、何をお話したかはあまり覚えていないんですけど…。

安田顕さんは以前最寄りのコンビニが同じでよくすれ違っていたんです (笑)。すごい挙動不審な動きをされていて、共演はしていなかったので、話しかけずにいたんですが…。

吉岡:その様子を見てたの?

村上:そうです(笑)!それを報告しました(笑)。

「イケイケな洋楽がかかっていることにも驚きました」

――役作りで心掛けたことや意識されたことを教えてください。

吉岡:作品のテーマの1つに“愛”があったので、それを軸にしました。

僕の中で一番の核になっていたのは、「悪魔が来りて笛を吹く」で倍賞美津子さん演じる節子にかけられた「お前の仕事は人に生きる理由を見つけてやることだ」というせりふ。難事件を解決する中で助けることができなかった人もいることに苦悩する金田一がようやく笑顔になれる救いのせりふでもあったので、それは忘れないようにしようと思いました。

今回は、たたりに関して「“もしも”(あの時、こうしていたら)と思うから人は呪われるんだ」ということが1つの答えになっているなと思うのと同時に、イーグルスの「Desperado」がかかると色んなものに愛が満ちていく感じがするんですよね。

その部分がこれまで映像化されてきた「八つ墓村」とは違うな、“令和版”だなと思います。

――村上さんは撮影はいかがでしたか?

村上:わりとシーン数が多かったので、かなり必死でした。撮影中は心と体の距離が追い付かないというか…。

僕自身は台本を読んでいるので誰が犯人か分かってはいるのですが、怪しいなと思う役の方がみんな映画「スター・ウォーズ」シリーズのダース・シディアスに見えてきて…(笑)。

役に入り込まれていたので、結構怖かったです。常に疑わしい人が身近に居たので、信じていいのか分からないし、心と体の距離が追い付いていませんでした。

作品に関しては、「悪魔が来りて笛を吹く」も見ていましたが、見ごたえのある作品だなと。吉岡さんや他の出演者の方々も映画で活躍されている方が多いということや2時間の作品ということもあって、映画を見ているような感覚になりますよね。

また、横溝正史作品という日本の伝統的な作品に、イケイケな洋楽がかかっていることにも驚きました。

横溝作品はシェイクスピアに似ている?

――長きに渡って愛されている横溝作品ですが、お二人は横溝作品のどこに魅力を感じますか?

吉岡:お話をいただいた時に、人の気持ちに寄り添える、運命に抗えない人たちの悲しみを背負ってしまうような金田一の方が新しいかなと思ったんです。

事件を解決して終わりなんじゃなくて、その事件によって金田一も傷つくというのは、他にはないかなと思って。

誰も救えなかったことで苦悩していく金田一によって、その事件の悲しみが浮かび上がってくれば、と思って演じていました。

横溝作品は戦後間もない、特権階級や差別が残っていた時代が描かれていますが、現在にもどこかしらにそういったことが残っているからこそ、横溝作品の怨念や血縁にまつわる呪い、たたりというものにみんな興味があるんじゃないかなと思うんですよね。そこに現代もいそうな、全うな金田一が存在する、ということが多くの方を引き付ける魅力なんじゃないでしょうか。

村上:色んな映画や作品を見ていく中で、どんなに素晴らしい作品でも何度も見ると初めて見た時の感動や感覚って薄れていくんですよね。

でもホラーって常に新鮮で怖くて…。「八つ墓村」がホラーにカテゴライズされるかというと難しいですが、そういった要素もあるなと思っています。

さらにそこに入り組んだ群像劇とお金という問題が必ずありますよね。

そんなに横溝作品を見ているわけではないのですが、日本でいうシェイクスピアみたいなものなんじゃないかなと思います。人がたくさん死んで、愛憎があって、お金が絡んで…。

僕は今年、舞台「ハムレット」に出演したのですが、人がたくさん死ぬんです。そんな中、僕はハムレットからその後の国を任されるフォーティンブラスを演じたのですが、生き残る側の辛さという面では、辰弥ととてもリンクしました。

色んな人たちの入り組んだ狂気と業、そして残った人が抱えるものを描いているという意味では似ているなと感じましたね。(ザテレビジョン)

元記事を読む