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ヴィンスの魅力を紐解く、LA旅へ。

  • 2019.10.11
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シルエットとカラーの美しさ、そして着心地のよさ。シンプルな服をモダンに仕上げるLAブランドのヴィンス。そのデザインが生まれる場所を訪れた。2017年にクリエイティブディレクターが替わり、より一層に魅力を増すヴィンスの世界を3つのキーワードとともに紹介する。

Color服作りは色から。

LAの中心部から少し車を走らせて到着したのは、大きな白い倉庫のような建物。ガラスの扉を開けると、気持ちのいいサロンがあり、奥にはヴィンスのアイテムが生まれるデザインスタジオが広がる。スタジオは、ワンフロアのみで約70,000㎡。扉は見当たらず、フロア同士が繋がり合っているのが印象的。

入口のサロン。モダンなインテリアに心を奪われる。何気ない家具や植物の置き方、色のバランスに惹かれた。

サロンを抜けて最初にたどり着いたのは広い会議室のような空間。ここではデザインについて意見を交わし、モデルのフィッティングも行う。ツアー中も見学が終わるとすぐに打ち合わせがスタートしていた。

会議が開かれる空間にはたたみ一畳ほどのイメージボードがずらりと並ぶ。カラーをリサーチするフロアには植物や本、生地見本などが整然と置かれていた。

続いて広がる空間は色と布があふれていた。デザイナーであるキャロライン・ベルフムールが話してくれた「ヴィンスの服作りはまず色を決めることからスタートする」という言葉どおり、次のシーズンでテーマとなっているボタニカルを中心に、どのような色を使っていくか、リサーチ中のグリーンに関するものが至る所に。さまざまな庭園の本や、そして本物のグリーンを集め、それらのインスピレーションを写真に撮ったり絵に描いたりしてプリントし、具現化していく。イメージをさらに膨らませたら、次は色を表現できる素材を探す。「まずはカラーを決めて、その後素材、そしてシェイプを決めていくのです」(キャロライン)

パタンナーもMDも、すべてのチームがこのデザインスタジオに集まり、みんなヴィンスのアイテムを思い思いに着こなしていておしゃれ。生き生きとした表情で自分の仕事について話してくれる、ブランドへの愛情をたっぷりと感じる。

ComfortLAを愛するクリエイティブディレクター。

2017年よりクリエイティブディレクターを務めるのは、イギリス生まれのキャロライン・ベルフムール。ヴィンスにやってくる前は12年間、ニューヨークの郊外に住んでいたそう。LAブランドであることを強く意識したデザインの秘密を知るため、LAとブランドについての想いを聞いた。

デザインスタジオを自ら案内してくれた、クリエイティブディレクターのキャロライン。

――まずは、LAの好きなところを教えてください。

「美しい山並みです。住んでみて峡谷の美しさに気付きました。カリフォルニアの気候、自然の美しさにも魅了されています。ビーチではEl Matador (エルマタドール)がいちばん好きです。ニューヨークから離れたことによって、寒さや忙しさといったわずらわしさから解放され、それはクリエイティビティにいい影響を与えてくれています。LAは自然に囲まれている反面、街にも近い。バンドの演奏を聴けるし、新しい店のオープンにも行ける、バランスが取れていることも魅力ですね」

――デザインはどんな時に考えていますか?

「デザインについては日々考えています。ミュージアムを訪れたり旅をしたり、フィルムを観たり……毎日の生活のなかからインスピレーションを受けています。ジグソーパズルのピースのように。それらの考えを会議に持ち寄ります。みんなでテーブルを囲み、ひとりがいいといった写真について話し合い、デザインをまとめていきます」

――デザインをするうえで大事にしていることは?

「クリーンでシンプルであること。コーディネートを簡単でシンプルにすることでレイヤードがしやすくなります。LAは昼と夜で寒暖差があるし、簡単にレイヤードできるスタイルを目指しています。カリフォルニアというと太陽やサーフィンなどにフォーカスされがちだけど、それだけではない。年齢や体型に関わらず、どんな人にもマッチするのがヴィンスの服。ヴィンスの持つシンプリシティがそれを可能にしてくれます。フィッティングも通常のモデルではなく、一般の方にお願いしているんです。タイムレスでシーズンレス。どんなオケージョンにもマッチするのがヴィンスの服なのです」

――ヴィンスに来て2年、最もエキサイティングだったことはどんなことですか?

「いちばん印象に残っていることは、働いている人がブランドに対して情熱を持っていたこと。デザインを決める時もみんなで話し合い進めていく、この素晴らしいブランドをみんなに伝えていけることはとてもエキサイティングなことです。いま、店を次々にリフレッシュさせています、服だけではなくヴィンスのライフスタイルを提案できることはとても楽しいです」

――地中海のメキシコからインスピレーションを得たという、2019-20年の秋冬コレクション。好きなルックは?

「ブラックよりもブラウンが好きです。最近は色も気になる。ピンクやライラックのレイヤードも好みです」

特に好きだと教えてくれた3ルック。大きな襟が印象的なブラウンのコート、シルエットの美しいベロアのワンピース、ピンクやライラックのグラデーションは新鮮。

――最後に、キャロラインさんにとってLAはどんな色に見えますか?

「LAは“色”という観点においてとても刺激を与えてくれるところであり、それは主に一年を通して木には葉が生い茂り、植物は咲き誇るという気候にちなんでいます。また私は、LAを取り囲むサンディカラーの地層と山々も大好きです。その中でもいちばん好きなのは日々移り変わる太陽の光かもしれません。このような美しい輝きは、ほかのどの場所でも見たことがないんです。カリフォルニアを思う時、浮かぶのは、デザートクレイ、ライムストーン、ダークマホガニー、テラコッタ、アロエ、セージ、パイン、パウダーブルー、そして白の色調です」

旅の最後の夜は、キャロラインさん宅でホームパーティが開催された。さまざまな国を旅して見つけたであろうアートの数々が並ぶ自宅、テラスから望む美しい山に夕焼けが広がる景色は、ヴィンスの世界そのものだ。太陽が沈むと、2019-20年秋冬のキャンペーンフィルムが披露され、おいしい食事やお酒とともに心地よい時間が流れた。

広い自宅テラスからは美しい空とともにLAの街並みを一望。テラスの下にはバルコニーも。ヴィンスのホームコレクションでさらに素敵な空間に。夕焼けから夜空へと刻々と変わる空の色にいちいち感激します。バルコニーの下にはキャンペーンフィルムを映すシアター。

Cleanリフレッシュをするショップ。

キャロラインがいま最もエキサイティングなこととして話してくれた、リフレッシュを続けているショップ。そのひとつが2018年にLAにオープンしたショッピングセンター「パリセーズ ビレッジ」にあるVince. Palisades Village店だ。白を基調とした店内にはゆったりと商品が並び、1階の奥にはシューズ&バッグコーナー。階段を上るとメンズアイテムを中心に、ホームやビーチコレクションがラインナップ。さらにテラスが広がる。ヴィンスのクリーンで心地よいブランドイメージが体現されたショップでは、ストーンヒーリングやネイルなど体験型のイベントも頻繁に開かれる。

ファッションだけでなく、ライフスタイルをも提案する新たなヴィンスの世界が広がる。モダンな白い店内、ブラウンのインテリアやグリーンがアクセントに。

滞在中には、午前中に軽いハイクやメディテーションタイム、食事にはキャロラインのおすすめというレストラン「Five Leaves」をはじめ「Margot」や「Hotel Malibu」でのランチ、そしてクラシックカーでの海辺のドライブまで!ヴィンスの遊び心とおしゃれのセンスをたっぷりと感じる充実の時間、それはいまのヴィンスが描くライフスタイルそのもの。よりモダンになったヴィンスに、これからも注目していきたい。

www.vince.com

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