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松重豊「俳優というより“孤独のグルメの人”になった」代表作への思いを語る<インタビュー>

  • 2019.10.11
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ドラマ24「孤独のグルメ Season8」に出演する松重豊
撮影=島本絵梨佳

【写真を見る】さすがの貫禄…! 松重豊のクールなSHOT

松重豊主演のドラマ24「孤独のグルメ Season8」(毎週金曜深夜0:12-0:52、テレビ東京系) が10月4日にスタートした。

本番組は、輸入雑貨商を営む井之頭五郎(松重)が商談先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、自由に食事をするグルメドキュメンタリードラマ。

五郎がおいしそうに食べる姿が話題を呼んでいる本作。「孤独のグルメ」に対する熱い気持ちや、第8弾が決定した時の心境、印象に残っているエピソードなどを語ってもらった。

スイーツ回にも注目

――「シーズン8」が決まった時の心境や、撮影が始まった今の気持ちを教えてください。

“8”という数字をどう受け止めていいのか分からないのですけど、当然やるんだなという気持ちと、またやるんだなという気持ちがないまぜになって、少し複雑ではあります。でも、あの日々が始まるんだなぁ、という感じです。

――今シーズンにスイーツ回があると伺ったのですが、見どころなど教えてください。

シーズン2の時に、スイーツを入れようってアイデアがありました。僕はスイーツだけで成立する回があってもいいんじゃないかと思ったんですけど、実際はちょっと他にも食べています。取材前日に撮影したやつも最後に甘いものがつきました。

僕もお酒をやめてみて分かったんですけど、やっぱり甘いものを食べる時間というのは大事なもんで、そこはやっぱり下戸でお酒を飲まない井之頭の日常としては大事なのかなと思います。僕は甘いもの大好きなので、ぜひ積極的に入れてほしいです。

――撮影を始めて、印象に残っているエピソードはありますか?

この番組は監督の色というものがはっきりと出る番組です。シーズン1から見守ってくれていた演出の溝口(憲司)さんが亡くなったのですが、居酒屋回と呼ばれる酒のつまみ中心で食事が選ばれた回があって、そういう回がなくなったんだなというのはちょっと寂しいです。また、ディレクターが若返ったので洋食とか肉系が多くなって、こちらの胃袋がびっくりしているというところがありますね(笑)。

――胃袋は頑張れていますか?

何とかね(笑)。何とか完食はしていますけど、日々戦いなので。オーダーが多いと「いっぱいだな」という不満もありますし、少なかったらもう一品頼めるなと思う。スタッフと僕の胃袋とのせめぎ合いなんです。

ある意味、この番組は格闘技の要素もありますので、いかに出されたメニューを完食するかということは、見ている視聴者さんも楽しみにしている部分でもあると思います。「おいしそうだな」「こんなに食べるんだ」っていうのが、この番組の楽しみの一つでもあるので。そこは8シーズン重ねても変わらないものにしようと思っています。

モノローグ収録の意外な事実

撮影前に集中する松重豊
撮影=島本絵梨佳

――以前のインタビューの際に、前日から食事を制限しているという話をしていましたが、続けていますか?

そこは変わってないですよ。前の日から食べないで、その日も本番の1食目まで食べないというのはおなかを空かせている状態で食べたいという僕本人の願望と、その方がおいしく食べられるんじゃないかっていうことで続けています。また、そのリアクションは生に近づけたいっていうことで、続けているというか習慣のようなものです。逆にこの時期は体重が減っていくんです。トータルで食べる量は減っちゃうので、コンスタントに朝昼晩、きちんと食べている方が体にはいいんですよ。

――それだけ、この番組に懸けているのでしょうか?

俳優というより「孤独のグルメの人」というふうに看板になっちゃいましたので。そこはもう、こうなった人生だと割り切って、このドラマをやるというかやり続けるということを役者生活の中心に据えるようになりました。

――これまで台湾や韓国など、海外の回もありましたが、これから行ってみたい国や食べてみたい料理はありますか?

この番組は、スタッフと僕がどこかに行けば何とでもなる番組です。極端な話、極地でもいいかなと思っています。やっぱりこの番組はアジアのお客さんが支持してくれています。アジアの方々は「あー、おいしそうに飯食ってるな」っていう姿が、どこか感情移入できるんだと思います。なので、この番組を楽しみにしてくれてる人がいる所に行くっていうことがやっぱり僕にとっては義務というか、それを一番大事にしたいなと思います。

――以前、カラオケボックスやロケバスの中でアテレコをされているというお話もありましたが、今も続いているんですか?

今日は支度部屋でやります。だから、この番組見てる人は、出来上がった映像を見ながら声を入れてるだろうって、誰もが思っていると思いますけど、それは一度もやったことがないです。自分の画を見ながら声を当てるなんてそんなぜいたくなことなんてできませんから。テレ東の深夜枠ですからね。そんなことはないっていう前提でやってたんで、もはや今もう映像見ながらやるなんて面倒くさいこと自分でもやりたくないです。

もうそんなことしなくてもいいくらい、ちゃんとモノローグの“尺”と食べてるそしゃくの“尺”を考えながらやる習性が付いたんですよ。8年もやってると、他の人がすぐやれるもんじゃないと思いますよ。これは専売特許って言っていいくらい、まねのできないことだと思います。自分のモニターを見なくても、モノローグは入るようにできてます。

――それはお芝居で食べられるときにモノローグのことも考えて?

モノローグのことは考えながら食べます。作家のぐっさん(田口佳宏)らスタッフがずっと食べるシーンの時は現場にいます。なので、ここでちょっと別のニュアンスがあったとか、辛過ぎたとか、ちょっとそしゃくに時間がかかったとか、熱かったとか、随時モノローグに入れていけるように間違いなくはまるようにできているんですよ。

――まさに専売特許というか、絶対誰もまねできない気がします。

二代目やりたい方がいたらちょっと、4回くらい密着してついて来ていただけると、そのまま引き継げるかなと。3回じゃちょっと厳しいですね(笑)。

松重豊にとって“食べる”という行為とは

本番撮影中の松重豊
撮影=島本絵梨佳

――食べるという行為をどうお考えですか?

食べるということに関しては、どんどんシンプルになっていて、味付けとかもいろんなものが乗っかったものよりも、シンプルなものを好むようになりました。どんどん研ぎ澄まさせていくものの方が、自分の中では本当に好きなものなんじゃないかなと思います。

ここまでいろんなものを食べていると、本当に素材を大事にしてあるものに対して、これはしみじみおいしいなと思います。やっぱり土から口に運ばれるまでに、その過程がシンプルであればあるほど、おいしいと感じるようになりました。

――たくさんのものを食べていますが、松重さんが今、好きな食べ物はありますか?

この番組でもよく取り上げるんですけど、肉で言うと羊が好きです。野菜は全般的に好きです。

――できればスイーツがもうちょっと食べたいという感じですか?

スイーツはね、もうちょっと食べたい。僕、スイーツはそんなに凝ったものでなくて、牛乳と小麦とバターと砂糖があればできるようなものが好きなんです。カステラ好きなので、カステラの延長線上でできるようなものがあれば、シンプルな材料であればあるほど、職人の技や食材本来の味など、その奥深さに感動します。やっぱり、そういうものを大事にしたいと思いますね。

――最後に今シーズンの見どころをお願いします。

僕が以前から食べたいといっていたロールキャベツ回というのがあります。8年越しの念願になるのですが、ロールキャベツ回がどこかに入る予定です。ロールキャベツはこれから寒くなる時期にぴったりです。僕は大好きなんですけど、そんなにロールキャベツの専門店というのがなくて…。

あれもブイヨン仕立てだったり、トマトソース仕立てだったり、クリームソース仕立てだったり、いろいろあるんですけど。そのおいしいロールキャベツの名店にたどり着けたということで、孤独のグルメ史上初のロールキャベツ回がありますので、ぜひそれを楽しみにしていただきたいです。

ここから先、どんなメニューが発表されるか、僕自身も分からないので、視聴者の方にも楽しみにしていただきたいです。楽しみに視聴者の方も待っていただければ、必ずあの時間帯にもん絶するようなものをお見せできると思います。(ザテレビジョン)

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