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パワースポットは誰のもの?

  • 2019.10.7
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いま、パワースポットで マナーが問われています
しめ縄に垂らされた紙垂(しで)。

パワースポットめぐりの中で、とても気がかりな現象も表れ始めています。

それは、ご神域に対するお参りするこちら側の意識です。神社に訪れるとき、よく氏子さんたちに話しかけられるのですが、その中で気がかりなことを聞きました。

「紙垂(しで:しめなわなどに垂らす紙。上の写真参照)を下げて、ここより先は入ってはいけませんよ、と“聖域”を作っているのですが、どんどん入って行って写真を撮ったりする人たちがいるのです」

と。
氏子さんたちは、その場所を汚さないように、毎日掃除をし、整え、守ってきているのにも関わらず、そこへ土足で入り込む…そんな行為。
その場をキレイにするという日々の積み重ねがあって、それに答えてくださるように、眷属神(けんぞくしん:神を守り、神と人との間をとりもつ存在と言われる)が現れ、その場を整えるお手伝いをしてくださったり、その土地の神様に私たち人間の願いを受け届ける手はずを整えたりしているのです。

神聖な場所は多くの人たちの 努力によって整えられている

ちょっと日本昔話のようなお話です。以前こんなことがありました。

 

とある神社に足を運んだとき、大きな白い蛇が疲れきっていて、神域を囲むようにして丸くなり、横たわっていたのです。こちらも度肝を抜かれましたが、これは大変だと思い、柏手を打って、そのときに、たまたま持っていた祝詞(のりと:祭典に奉仕する神職が神様に奏上する言葉)を転飜(てんぽん:経を読むときに、通読せずに各巻の冒頭・中間・末尾の数行を読むこと)するようにパラパラとめくったら、何かを感じとったようで、その蛇の目に力が戻り、天に昇っていただけたようでひと安心しました。

そのようなシーンに出くわすと、なんだかこちらも、いたたまれない気持ちになりました。

 

ご神域をキレイに守ろうとする人々、その人々の気持ちに答えようとご神域にとどまり、神様が降りてこられるようにと、ご神域を守ろうとする眷属神。

このままでは、ここも立ち入り禁止になるかもしれないなあと、とても残念な気持ちになりました。

実際に、神社によっては、以前入れた場所に入れなくなっているところもあるのだとか。

 

お礼のお参りは当然ですが、やはりその場所をキレイに整えてくださる方々にも敬意を示し、訪れたらその場のゴミを拾うくらいの気持ち(菩薩行)でお参りしたいものです。

そして、紙垂で結界が貼られている場所に入り込むという行為は、そのような神聖な場を保つためにも絶対にやめましょう。

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