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“見る目がない”のが問題じゃない?「だめんず」好き【カレー沢薫 アクマの辞典】

  • 2019.10.5
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漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」
このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!

■第42回 アクマの辞典 ダ行

【ダ】
➤ 「だめんず好き」(だめんずずき)

今回のテーマはダ行より「だめんず」だ。

「だめんず」とは「ダメな男」を指すわけだが、「だめんず」はそれそのものより「そういう男が好きな女」を語る時に出てくることが多い。

まず、だめんずの「だめ」とは何がダメかというと、ブサイクとかデブとか、ハゲとか、ハゲなのにまつ毛が長くてその割にスネ毛が薄いとか、そんな文字通り表面上の話ではない。

だめんずの定義に外見的ダメさが入ってくることは滅多にない。そう言った意味では公平な世界である。

「だめんず」の条件はいろいろあるが、いつの世も不動のトップ3である、イカれたメンバーを紹介するぜ。

「DV(モラハラ)野郎」

「金銭感覚崩壊太郎」

「全身下半身」

とても「だめんず」などというかわいい表現では収まりきらない、せめて「堕免豆」と漢字表記して、注意喚起すべきだろう。

だが、そういう男とつきあったり結婚してしまったりした女を単純に「見る目がない」「選んだほうも悪い」と責めることはできない。

そういう男は、交際や結婚した瞬間「リボーン」する場合も多く、ラーの鏡でも持ってないと見破れない、ということもあるのだ。

しかし、普通の女なら「こいつボストロールやんけ」とわかった瞬間に逃げ出したり、倒して経験値を2500くらい手に入れた後は、同じ過ちを繰り返さなかったりするものである。

それに対し「だめんず好き」と言われる女は、ボストロールだとわかった後も、正体がバレる前の姿を「本物のカレ」と自分に言い聞かせてつきあい続ける。

もしくは正体がわかった上で「こんな緑色の紫ワンショルダー野郎とつきあってあげられるのは私だけ」と思い込んで離れられないのだ。

そして別れたとしても、何度も狙って同じ犬のクソを踏むというより、踏み出したところに犬のクソが滑り込んでいるのか、というぐらい、自然に同じタイプとつきあってしまうのである。

たまたま、つきあった男がダメだったり、支配されて別れられなくなったりすることは、誰にでもあり得ることだ。

しかし、何度も同じようなタイプとつきあってしまうとは何事だろうか。

理由としては「だめんずに目をつけられやすい」もしくは「だめんず(とつきあっている自分が)好き」もしくはその両方が挙げられる。

自分に自信がない女はだめんずにつけこまれやすく、そして自信がない女はだめんずとつきあっている時だけ「普通の女なら逃げだしている男と私は互角にやりあっているんだ」という「自信」を持てるのではないか。そうだとしたら、別れた時に再び「自信喪失」してしまうので、また自信をつけにいってしまっても不思議ではない。

だめんずに3千円渡すくらいなら「プロテイン一袋」買って、とりあえず「肉体的自信」でもつけたほうが良い。

DV野郎に殴られても、殴り返せるようになって一石二鳥である。

【ダ】
➤ 「だめんず好き」(だめんずずき)

…なぜ自慢げに言う女がいるかというと「手に負えない男と私はつきあえてる」という自負があるからだが、手に負えている時点でそんなにダメな男ではない

【ヂ】
➤ 「地雷」(じらい/ぢらい)

…好きなものより「これが許せない」という話ばかりする人間がいる、もはや好きなのか

【ヅ】
➤ 「○○疲れ」(づかれ)

…むしろなぜ疲れないのか不思議な生活をしているのがオタク

【デ】
➤ 「デート商法」(でーとしょうほう)

…ターゲットが若者より、若者と話したい高齢者になりつつある、要注意

【ド】
➤ 「鈍感力」(どんかんりょく)

…敏感や繊細を自称する人間ほど、他人の痛みへの鈍感力が凄まじい

プロフィール

カレー沢薫

漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。

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