1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「生命エネルギー」をヨガ哲学・ハワイの伝統・中国医学から読み解こう

「生命エネルギー」をヨガ哲学・ハワイの伝統・中国医学から読み解こう

  • 2019.9.28
  • 2823 views

私たちに宿るエネルギー

「私たちは皆、内なる美しい光を宿している。時にはその存在を忘れてしまう」__ジョン・ホランド

「生命エネルギー」とは何だろう?それは私たちすべてに宿る生命力だ。全宇宙、すべての生物、私たち一人一人に生命を吹き込んでいるのが、このエネルギーだ。様々な社会に伴うそれぞれの文化ではその特別な力を独自の方法で言い表し、描画や言葉、経典、儀式、祈祷、聖体、祭式などを通じて崇め敬ってきた。そのすべての文化において、生命を与える力(エネルギー)は昔からずっと、そして今もなおスピリチュアリティや医学、治療、そして人生経験の中核をなしている。

いろいろな形で表現される生命エネルギーのもう一つの共通点は、その目に見えない力が私たちの呼吸やマインド、身体、魂から発せられることだ。では、その力はどこから来ているのか? この質問の答えを人類は探し求め、様々な文化において独自の方法で理解しようと試みてきた。たとえば、ヨガ哲学の知恵に基づく「プラーナ」、ハワイ伝統での「マナ」、中国の人文科学での「気」の3つは、どれも同じ生命エネルギーを表している。各々の文化によって表現の仕方は異なるものの、そこには多くの類似点がみられる。

プラーナはサンスクリット語で根源的エネルギーを意味する。呼吸や活力と訳されることもあるが、実際はそれ以上のものだ。このサンスクリット語はプラ(不変)とナ(運動)に分解でき、それに基づけば「プラーナ」は不変の運動や恒久的な動きという意味になる。すべての生き物はプラーナによって生かされている。いくつかのヨガの流派では、プラーナは太陽のエネルギーと光から生まれ、宇宙のすべての構成要素を結合させていると言われている。プラーナは呼吸から意識自体のエネルギーまで様々なレベルの解釈がなされるが、根源的な生命エネルギーというだけでなく、マインド、身体、人生経験に作用する全てのエネルギーの原型でもある。その意味では宇宙全体がプラーナを顕在化したものであり、あらゆる創造の源となっている。また、人間のマインドと身体には「ナディ」と呼ばれる経絡が巡っており、豊かさと活力にはそこを通るプラーナのスムーズな循環が欠かせない。ハタヨガでのアーサナ(ポーズ)練習やプラーナヤーマ(呼吸法)、瞑想には、経絡の詰まりを解消し、プラーナの流れを安定させる効果がある。

「気」もまた生命力を意味し、宇宙全体の形あるものに生気を吹き込んでいる。気は分子、原子、素粒子から絶えず発せられる波動的な性質を持つエネルギーだ。中国の慣習では気の流れが人や環境の豊かさを左右するとして重要視されている。気が滞っていたり、バランスが乱れていたり、流れが悪いところでは、低い波動の影響を受けやすい。また、この気の流れは個人よりももっと大きなエネルギー、つまりハイヤーセルフの流れに直に繋がっていると考えられている。個人とハイヤーセルフの間を流れるエネルギーには、瞑想や創造的な表現、経絡と呼ばれる体内の通路を通じて繋がることができる。さらに、健康的な気の流れには正反対の性質を持つエネルギーとの調和が不可欠とされる。例えば、暑さと寒さ、暗と明、男性性と女性性などだ。これらの相反するエネルギー間での調和を図ることによって、日々の生活でのバランスが生み出され、豊かさが増す。

すべての力は内側から生まれる

マナは生命の力を意味する。すべての力は内側から生み出される。創造的な生命エネルギーやカリスマ性は、マインドが穏やかな時に人の内側から発せられる。その穏やかさは常に呼吸と周囲に意識を向けることで得られるものだ。

ハワイでは、過去でも未来でもなく、今に生きるように教えられる。それによってマナの力が増し、ふさわしい行動とともに外面に現れる。内なるマナ、もしくは人が持つ本来の力は、長い時間と忍耐をかけて自分の才能を磨いた人の内面で培われる。その力を蓄えた人には、物事を実現させる魔法のような能力が身につく。

西洋では一見生まれつきと思われるこの自信と能力をカリスマ性と呼ぶ。マナと同様に、カリスマ性とは人を惹きつけるエネルギーによって人々に影響を与えたり、ひらめきを与える力のことだ。カリスマ性は生まれもったものと思われがちだが、マナを増大させれば誰もがそのカリスマ性を持てる可能性を秘めている。そのための練習の一つに呼吸瞑想がある。この瞑想によってマインドは鎮まり、生命エネルギーを最大限に生かす方法を思い描けるようになる。マインドが落ち着いていれば、自分自身や他人の思考、行動がどのように自分のエネルギーと経験に影響しているかを把握しやすくなるだろう。

マナは自分が宇宙と調和したときに流れこんでくる。身体が調っていて、ビジョンが明確であれば、いつでもマナを得られるのだ。呼吸を行いながら宇宙のパワーを感じられたら、自分自身を開放してマナで満たそう。マナの力が増し、豊かに流れて輝きを放つとき、人も力強く輝く。

生命エネルギー ヨガ哲学 中国医学
呼吸を行いながら宇宙のパワーを感じられたら、自分自身を開放してマナで満たそう。マナの力が増し、豊かに流れて輝きを放つとき、人も力強く輝く

これら3つの文化背景は大きく異なるものの、プラーナ、気、マナの教えには多くの類似性がある。どの文化でも重要視しているのは生命エネルギーのスムーズな流れと、豊かで目覚めている調和のとれた状態を育むことだ。生命エネルギーは、絶え間ない変化や転換、具現化、創造、表現の源でもある。

このエネルギーがなければ、こうしてこの記事を読むことも。お茶を飲むことも、今ここで何かをすることもできないだろう。私たちを取り巻く環境も、生命エネルギーがなかったら太陽は輝かず、花も咲かず、すべての創造物は動きを止めてしまうだろう。だからこそ、この三つの文化では生命エネルギーに対する私たちの意識と感謝を促している。そうすれば、そのエネルギーを余すことなく享受できるからだ。

教えてくれたのは…サラ・フェラン
アカンダヨガ200時間トレーニング終了ティーチャー。幼少期にインドのプネーアシュラムに滞在していた頃からヨガを愛している。マットの上で25年以上過ごしており、現在は陰ヨガを中心に、マインドフルネスや瞑想にレイキを組み込みながら練習している。

ヨガハワイマガジン/「Mana, Prana and Chi: The teachings behind Life Energy from Yoga Philosophy, Hawaiian Culture, and Chinese Medicine」

by Sara Phelan
Translated by Sachiko Matsunami

元記事を読む