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瀬戸内海のアートの聖地「直島&豊島」、豊かな自然とアートが響きあう島々をもっと楽しもう

  • 2019.9.28
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瀬戸内の海に浮かぶ島々で、3年に1度開催されている「瀬戸内国際芸術祭」。「海の復権」をテーマに、ここが世界にとって「希望の海」になることを目指している大規模アートフェスです。4回目の開催となる2019年。春・夏・秋と3期にわたって開催されていて、いよいよ9月28日(土)から、「ひろがる秋」がはじまります。 ここでは、現代アートの聖地「直島&豊島」という2つの島をご紹介。瀬戸内の美しい島の魅力を、さらにアートが引き出してくれますよ。 クレジット:「赤かぼちゃ」(草間彌生)2006年 直島・宮浦港緑地

瀬戸内海のアートの聖地「直島&豊島」、豊かな自然とアートが響きあう島々をもっと楽しもう
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香川・高松と岡山・宇野、2つの港町が玄関口
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ことりっぷ

瀬戸内海に浮かぶ現代アートの聖地、「直島」と「豊島」に向かうには、瀬戸内の香川県側の高松港と岡山県側の宇野港という2つの港町からフェリーを利用します。どちらの港町も「瀬戸内国際芸術祭」の会場になっているので、もし時間があれば、それぞれの港町のアート作品を見てまわるのもおすすめです。

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「国境を越えて・海」リン・シュンロン(林舜龍)

香川県側にある高松港。「瀬戸内国際芸術祭」の会場となる島々への玄関口として、もっとも利用されているフェリー乗り場です。アートフェスの総合案内所もここに設置されていて、多くのアート作品も展示されている見応えのあるエリアなんですよ。

写真は、リン・シュンロン(林舜龍)さんの「国境を越えて・海」。台湾に漂流していた流木を使って、大きな種子のように形作った作品です。「瀬戸内国際芸術祭2013」のときには豊島の海岸にありましたが、2016年に高松港近くの広場に移設。長きにわたる種子の漂流を表現しています。内側は空洞で、中に人が入れるようになっています。

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「宇野のチヌ」(淀川テクニック)

もう1つの玄関口である岡山の宇野港にも、魅力的なアート作品がいくつも展示されています。

写真の作品は、「宇野のチヌ」(淀川テクニック)。宇野の周辺にあったゴミや不要品を集めて作った巨大な魚のチヌ(クロダイ)です。もともとは捨てられていたものを集めて、カラフルで生命力あふれる作品に仕上げています。すぐそばには「宇野コチヌ」という、チヌの子どもバージョンも。

豊かな自然に恵まれたアートの聖地「豊島」
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海と山、そのどちらの幸にも恵まれている「豊島」。漁業はもちろん、この島では古くから豊富な水源を利用した稲作が盛んでした。たくさんの湧き水が出る唐櫃地区には、その昔、海が見える傾斜一面に棚田が広がっていたのだとか。近代に入ってからは酪農も栄えはじめて、「ミルクの島」と呼ばれるようにもなりました。その名前のとおり、まさに「豊かな島」です。

さらに近年、豊島美術館をはじめとしたアートの要素もプラス。「食とアートの島」として、さらに豊かに楽しめるようになったのです。

「豊島」の環境に溶け込むようなアート作品の数々
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「遠い記憶」(塩田千春)

アーティストの塩田千春さんと建築家の田根剛さん。ここでは、このふたりによる、現在進行中の「新作(タイトル未定)進行中」を展開しています。ここにしかない、誰もみたことのない、ふたりに共通する「記憶」をテーマにして、3年後の2022年に完成を目指している作品です。

「瀬戸内国際芸術祭2019」では、その新作のコンセプトを、木造トンネルが印象的な塩田さんの作品「遠い記憶」のなかで展示。この建物はゆくゆくは撤去され、田根さんとのコラボ作品がここに生み出される予定となっています。

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「空の粒子/唐櫃」(青木野枝)

円形の彫刻をつなぎ合わせたアート作品「空の粒子/唐櫃」(青木野枝)。神社の広場、かつてのコミュニティの拠点だったところに、当時の賑わいを取り戻すことを意図して設置された作品です。空を丸く切り取る円が、空を見上げるきっかけにも。

目の前には海や棚田の風景が広がる、豊島の原風景と響き合うようなアート作品です。

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「勝者はいない-マルチ・バスケットボール」(イオベット&ポンズ)

スペインのアーティストである、イオベット&ポンズの「勝者はいない-マルチ・バスケットボール」。豊島のかたちを模したボードに、いくつものリングが設置されています。この場所に住む人びとや訪れる人びとが、それぞれ思い思いにバスケットボールを楽しめるようにとの意図が込められている作品。

ボールも用意してあるので、実際に遊ぶこともできますよ。

可愛いデザインのバスが3つの観光エリアを走る「直島」
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ことりっぷ

「直島」には、3つの観光エリアがあります。草間彌生さんの有名なアート作品「赤かぼちゃ」がある「宮ノ浦」、小型船の港や家プロジェクトやANDO MUSEUMがある「本村(ほんむら)」、そして、地中美術館やベネッセハウス・ミュージアムなどがある「ベネッセハウス周辺」。

各エリア間の移動は、バスや自転車などを利用します。この島を走っているバスは、「赤かぼちゃ」や「黄色いかぼちゃ」のデザインがあしらわれており、一度乗ってみたくなる可愛らしさです。

島での出会いを演出する素敵なアート作品たち
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「海の駅 なおしま」(妹島和世+西沢立衛/SANAA)

直島の玄関口・宮浦港のフェリーターミナル「海の駅 なおしま」。こちらの建物も瀬戸内国際芸術祭の作品のひとつです。

薄い鉄板で作られた広々とした屋根を、細いポールが支えるシンプルな構造。開放感あふれるデザインの平屋で、観光案内所やカフェ、特産品の販売所などがこの建物の中で営まれています。島を訪れる旅行者たちのためだけでなく、住民たちの生活に根ざした交流拠点になっているところが特徴です。

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「赤かぼちゃ」(草間彌生)2006年 直島・宮浦港緑地

「瀬戸内国際芸術祭といえばこれ」というくらい知名度の高いアート作品「赤かぼちゃ」。アートの聖地・直島のシンボル的な作品です。

世界的なアーティスト・草間彌生さんにとって重要なモチーフである「水玉」や「かぼちゃ」が使われています。水玉模様にはくり抜かれたところが点在していて、内側にも入ることも。なかに入ると、くり抜かれたところから差し込む光と影のコントラストが印象的な作品です。

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「直島パヴィリオン」(藤本壮介)

大小27の島々で構成されている直島町。その「28番目の島」というコンセプトのアート作品が「直島パヴィリオン」です。三角形のステンレス製のメッシュを約250枚も使用した、白いまゆのようなかたち。内側に入って遊ぶこともできます。ただ通り過ぎるだけでなく、地元の人びとや旅行者たちが気軽に立ち寄って交流が生まれることが意図されています。

見慣れた景色が違ってみえるようになるのもアートの楽しみのひとつ。夜はライトアップされ、昼とはまた別の雰囲気が楽しめますよ。

瀬戸内の海に浮かぶ「直島&豊島」、アートでより一層楽しもう♪
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ことりっぷ

アートの力で瀬戸内に浮かぶ島々を世界の「希望の海」とする「瀬戸内国際芸術祭2019」。「直島&豊島」は、そのあまたの島々のなかでも特に知名度のある人気の会場です。ただアーティストが展示しているだけでなく、それぞれの島が持っているポテンシャルと響き合うような素敵な作品ばかり。

ぜひ、アートが引き出すこの島々の魅力を楽しんでみてくださいね。それぞれの島にはカフェや雑貨屋などもあるので、見つけたらフラリと寄ってみるのもおすすめです。

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