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弘中綾香の「純度100%」~第11回~

  • 2019.9.27
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ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。第11回はあの名曲にちなんだ恋のお話し。

「大人になってからの恋愛は」

育った環境が異なれば、自ずと好みも異なってくる。名曲の歌詞にも出てくるように、食べ物の好みも違うし、趣味も全然違う男女なら、時々それでぶつかり合うけど、それでも好きだからお互いがお互いに歩み寄る努力をするもの。セロリが好きな彼女のために(本当は入れたくないけど)みじん切りにしてスープに入れてみたり、夏が苦手だけど彼とのキャンプを計画したりしているかもしれない。私はこの関係性が素敵だな、とずっと思っていた。憧れる。

最近、友達の別れ話を聞いた。2年ほど付き合っていて大切にしていた彼氏から、急に「性格が合わない」と言われフラれてしまったのだという。2年も付き合っていて根本的な問題に今更気づいたのかーい、というツッコミを挟みつつ聞いてみると、重ねて彼は「育ってきた環境が違うこともあるし、目指している将来像が違うのかもしれない。というかもともと考え方が違うと思う」と言ってきたのだそうだ。いわゆる価値観の違いが、すれ違いの原因というやつだ。
彼にこそ、本当に『セロリ』を聞いてほしい。むしろ歌ってあげたい。まずもって、その違いを楽しめよ、それこそ人と人とが付き合うことの醍醐味だろ、と言いたい。自分という人間がいて、全然違う感性や考え方やバックボーンを持った人間がいて、その人と深く関わることによって、自分の視野や物の見方が広がったり変わっていったりすることが、人付き合いの魅力であり面白さではないのかい?違いにぶち当たって「この子とは合わないね、はいお別れ」じゃなくて、そこでどう歩み寄れるか、がんばってみるよって言ってよ!こっちもがんばるから!と、思ってしまうのはこちらのワガママなのか?もしくは、まだまだ恋に夢見る夢子ちゃんなのか?

大人になるとコンスタントに会う友達も変わらないし、仕事以外で触れ合う人でしっかり話をする機会があるのは、恋人以外見当がつかない。お互いがお互いの違いを尊重して、取り入れられるような関係がベストなんじゃないの?なんて言っていたら、前述の彼女が「合わないのはもともとわかってたんだけどね。でも、好きだったから」と一言。こっちまで泣けてくるようなセリフ。むしろ、泣きました。大人になってからの恋愛は、好きだけじゃどうにもならないんだね。いい勉強になったよ。
気は強くタフでどんなことも乗り越えてきた彼女だから、きっとこの失恋も肥やしになって、違いを面白いと感じてくれる人と絶対に巡り合うことを願う!

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Hanako 編集部

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(次回は10月11日更新予定)

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