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年収500万円の手取りはいくら?割合・生活レベルまでFPが徹底解説!

  • 2019.9.21
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こんにちは、婚活FP山本です。最近では男性でも年収300~400万円の方が多いと言われ、しかも中々上がらない時代ともされています。このため、思った以上に年収500万円も手が届きにくい水準と感じる方も多いでしょう。また500万円の当人からすれば、自分の年収の客観的な立ち位置が気になるところかもしれません。

そこで今回は、年収500万円の割合や手取り、生活レベル、ポイントや注意点をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

年収500万円の割合は約10%

まずは、年収500万円の方の割合についてお伝えします。国税庁の平成29年「民間給与実態統計調査」によると、年収500万円台の方の割合は「10.1%」という割合です。これより上の層は19.9%、下の層は70%となっています。上位3割に入る水準と言えるでしょう。

ちなみに年収500万円台の方の割合は、男性に限ると13.3%、女性なら5.4%となっています。男性でも十分な上位層ですが、女性ならさらに少数の勝ち組層と言えるでしょう。だからこそ、多くの人にとって「簡単には手が届かない水準」でもあるのかもしれません。

ひとまず、現在の年収が500万円を超えている方は、自信を持って良いのではないでしょうか。あなたの立ち位置はともかく、こんな大局観は覚えておきましょう。

独身者にとっての「普通水準」?

統計では70%の方が届いていないにも関わらず、なぜか年収500万円は「(特に男性なら)普通の水準」と考えられがちです。とりわけ婚活では問題になりがちなポイントとも言えます。願望が強すぎる、または「5」という数字が持つイメージの悪影響かもしれません。

お気持ちは分からなくもないですが、実際に平均年収は500万円に届いていません。ヘンなイメージに惑わされることなく、冷静に年収を捉えていきましょう。

平均年収500万円以上の業界は少数派?

次は、年収500万円を業界の角度からお伝えします。先ほどの国税庁の統計によると、平均年収500万円を超える業界は、以下の通りです。

  • ライフライン系(747万円)
  • 金融・保険業(615万円)
  • 情報通信業(599万円)
  • 研究・教育・専門業(510万円)
  • 製造業(507万円)

ちなみに全体の平均年収は432万円で、これを基準にすると「建設業(494万円)」「複合サービス事業(437万円)」が加わります。また一番下は「宿泊・飲食サービス業(253万円)」となっており、一番上のライフライン系と比べれば3倍程度も違っているのが実情です。

ひとまず、業界の角度で考えても年収500万円を超えるのは少数派と言えます。もちろん上記の5業界でも、内部では普通に格差もありますから、500万円に満たなくても自然です。どうしても年収500万円を超えたい方は、転職も一つの手段なのかもしれませんね。

地方なら本当に限られてくる水準かも

同調査によると、年収には地域間格差もあります。一位は東京で、大阪、名古屋と続き、地方とは圧倒的格差がある結果です。普通の感覚で考えても年収は大手ほど高いものですが、そもそも地方なら大手企業がありません。地場密着の有名企業でも、規模は知れているでしょう。

地方なら、年収500万円は本当に限られてくる水準でしょうね。だからこそ、年収500万円に満たない方は、むしろ地方に移住したほうが快適な生活ができるのかもしれません。

年収500万円の手取りは月給27万円

今度は、年収500万円の手取り額についてお伝えします。結論から言えば年収500万円の手取り額は、おおよそ「約400万円」です。賞与が年2回、一回あたり1.5ヶ月分と考えると、月給としては「約27万円」といったところでしょうか。あとは会社や個人差です。

少し余談ですが、日本は「累進課税」といって、年収が高いほど所得税の税率も高くなる制度になっています。だからこそ、少しくらい年収が上下しても、そこまで手取り額は大きく変わらないのが実情です。その少しの違いが大きいと感じるのもまた実情かもしれませんけどね。

今のあなたが年収500万円未満なら、比べてみていかがですか?年収500万円になれば、嬉しいと感じる水準でしょうか。もしそうであれば、がんばって目指していきましょう。

一人暮らしなら相応に余裕もアリ?

一概には言えませんが、年収500万円は一人暮らしなら相応に余裕があることが多い水準です。少しくらい苦しいと感じる方でも、賞与で補てんできることも多いので、やはり余裕があると言えます。それでも苦しいと感じる場合は、お金の使い方に問題があると考えましょう。

一方、あくまで一人暮らしなら……なので、子供や無職の配偶者がいるなら不足することも多い水準です。そこまで高い年収とは言えませんから、強めに節度を意識しましょう。

年収500万円の生活費レベルは低め?

さらに、年収500万円の生活費レベルについてお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、年収300~500万円の方の貯金額は以下の通りです。

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年収300~500万円の【単身者】
  • 中央値…124万円
  • 1000万円以上…20.4%
  • 500万円以上…10.8%
  • 500万円未満…24%
  • 100万円未満…43%
年収300~500万円の【既婚者】
  • 中央値…650万円
  • 1000万円以上…39.7%
  • 500万円以上…17%
  • 500万円未満…17.6%
  • 100万円未満…23.1%

単身者なら合計67%、つまり約3人に2人が年収程度の貯金もないのが実情です。基本的に手取り額の多くを使い果たしている生活レベルと言えます。一方、既婚者のほうが貯金している傾向にあるものの、およそ40%の方は年収程度の貯金もないのが実情ですね。

ひとまず独身者なら、素直に毎月27万円程度を使う生活レベルと言えるでしょう。それが結婚を機に、それなりに貯金を意識するようになる……。これが年収500万円の方の一般的・総合的な生活費レベルと言えます。あなたの生活レベルはいかがでしょうか?

家賃や子供への考え方が変わる年収かも

これは筆者の見解ですが、良くも悪くも年収500万円は「多少の余裕が持てる年収」です。そしてその余裕が、家賃や子供などへの考え方が変わる理由になりやすいと言えます。500万円以下の年収の方なら、基本的に余裕がないと感じるからこそ「節約最優先」ですからね。

言い換えれば、年収500万円は「自発的な格差への入り口」とも言えます。その多少の余裕をどう使うのかで未来が変わると考え、少し冷静にライフプランを立てていきましょう。

年収500万円の理想的な生活レベルは?

今度は、年収500万円の理想的な生活レベルについてお伝えします。結論から言えば、毎月の生活レベルは20万円程度に抑え、子供は一人だけがおすすめです。子供にかかる教育費は平均すると月6万円程度ですから、こうすれば毎月の赤字を防いだうえで賞与を全額貯金できます。

一回40万円程度として、一年で80万円の貯金です。30年続ければ2400万円貯まります。ひとまず、国が言っていた2000万円は超える数字です。結婚して共働きするなら、配偶者の収入を貯金に回すことで、さらに貯金額は高まります。あとは努力次第でしょうか。

努力して年収500万円を超えた場合、今まで節約に励んできたからこそ、つい少しは贅沢をしたくなるものです。そのお気持ちは分かりますが……少なくとも「毎月の贅沢」は危険と言えます。無意識に生活レベルが上がることも多いので、強めに注意しましょう。

将来的に必要な貯金額を意識すべき!

仮に毎月の生活レベルを20万円程度に抑えたとしても、子供を二人以上作ってしまったら、その時点で毎月の赤字が確定します。共働きをしても、その収入分だけ使う生活をしてしまえば、結果は同じです。子供は一人でも、老後の仕事や介護を考えればいかがでしょうか。

500万円とは上位3割に入る年収ですが、決して十分な余裕があるわけではありません。将来的に必要な貯金額を考えれば、ようやく必要額を貯められそうな気配が出てきた水準とも言えます。ぜひ未来を強めに意識して、今の生活レベルを考えていきましょう。

年収500万円なら所得税・住民税を意識しよう

ここからは、年収500万円の場合のポイントについてお伝えします。まずは「節税」です。一概には言えませんが、年収500万円なら20%の所得税率となります。気づかないうちに10%から20%に上がっている方もいるかもしれません。節税できれば、大きいでしょう。

ちなみに所得税率の違いは、以下の通りです。

また住民税は年収に関わらず一律10%ですが、年収が高くなるほど税金額も高くなる点は変わりません。手取り額から考えて分かる通り、単純に合計で30%もの税金がかかるわけではないものの、相応の額が取られているのは事実です。少しずつ、節税すべきでしょうね。

ちなみに節税方法は、会社員でも色々とあります。代表例は「生命保険料控除」「ふるさと納税」あたりでしょうか。ぜひ色々と試し、少しずつでも手取り額を増やしていきましょう。

夫婦・世帯として純粋な年収アップも狙いたい!

冒頭通り、今は中々年収が上がらない時代ですが、皆の年収が上がらないわけでもありません。今でも上がる人は上がります。年収500万円という上位3割に入る方なら、十分にまだまだアップも見込めるはずです。単身でもそうですが、夫婦・世帯としての純粋な年収アップも狙いたいところと言えます。

先ほどの節税で手取り額を増やすことはできますが、年収以上には増えませんからね。勤め先で限界を感じるなら転職さえも視野に入れて、もっともっと年収を上げていきましょう。

年収500万円は「投資を始める年収」かも?

年収500万円なら、「投資」も意識すべきポイントと言えます。投資をするには貯金が必要で、貯金をするには一定の余裕が必要です。その一定の余裕が生まれ始めるのが年収500万円ですからね。貯金だけで十分な額は貯まりにくい年収でもあるので、尚更と言えます。

当初は少額でしか投資はできないでしょうが、初心者の練習と考えれば、むしろ都合が良いかもしれません。また投資は、ものにもよりますが一万円程度からでもできます。そうして経験を積む一方、年収や手取り額が増えたら、少しずつ投資額も増やしていくと良いでしょう。

どうしても投資にはリスクが付き物ですが、リスクを取った分だけリターンも狙え、しかもリスクはコントロールが可能です。まずは偏見や食わず嫌いを控え、基本やどんな投資手段があるのかを少しずつ勉強していきましょう。

「未来を考えるべき年収」でもある!

「未来を考える、ライフプランを考える」ことが重要なのは、誰もが同じです。ただ、考えるには一定の余裕が必要と言えます。その余裕が生まれ始めるのが年収500万円です。あなたはどんな人生を歩むつもりで、そのためには「いくらくらいのお金」が必要でしょうか?

ただ働けば一生安泰が当然な時代はすでに終わっています。今は「昔は裕福だった家計破綻者」が続出中で、すでに高齢世帯の4割が老後破産状態です。あなたのライフプランに合わせ、必要なお金を投資も含めた何らかの方法で準備していきましょう。

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年収500万円は年金200万円相当!?

最後に、年収500万円の方へ肝心なポイントをお伝えします。冷静に考えれば分かるでしょうが、現在の年収は「現役として会社に勤めているからこそ」です。定年を迎えれば再就職できても半減が基本ですし、65歳以上は働けても年収200万円程度になる可能性も高いと言えます。

頼みの綱の一つは年金ですが、年収500万円で貰える年金額は、現在の水準でも「月16万円程度」です。年収に換算すると192万円、約200万円程度になります。しかも減額傾向ですし、将来的にはさらに低い水準でしょう。老後は医療費などが増加しがちで、介護費用も必要になります。

とても年金だけでは死ぬまで生活できません。だからこそ、定年するまでに十分な貯金をしておくことが必須と言えます。このような未来を常に意識した生活を心掛けていきましょう。

人生100年時代を強く意識しよう!

ご存じの通り、今は人生100年時代です。60歳定年から数えれば40年、働ける限界といわれる80歳から数えても20年程度は年金生活になります。医療費や介護費用も考えれば、いくら貯金があれば大丈夫でしょうか?生活費だけで考えても、年100万円不足でも最低2000万円が必要ですね。

今の年収500万円で、十分な貯金ができるのか……ほとんどの人はできないはずです。上位3割に入る年収ですが、まだまだ足りない水準とさえ言えます。改めて老後を意識して、準備に励んでいきましょう。

年収500万円の割合・手取り・生活レベルに関するまとめ

一定の余裕が持てる点では喜ばしいものの、大局観で考えた場合の年収500万円は「中流階級の最下層」と言えます。下には7割の人がいますが、ようやく「幸せな人生を歩む出発点に立った」という程度です。

気を抜いたり、準備を怠ったりすればアッサリ転落する水準とも言えます。相応の緊張感を持ちながら、これからも未来へ向けて励んでいきましょう。

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