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年収700万円の手取りはいくら?割合・生活レベルまでFPが徹底解説!

  • 2019.9.20
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こんにちは、婚活FP山本です。最近では年収300~400万円の男性も増えましたが、ざっくり倍の年収700万円がどういう水準なのかご存じでしょうか?知っておくだけでも遠い方には一つの励みになるでしょうし、近い方には一種の心構えに繋がるハズです。また到達済みの方なら、客観的な自分の立ち位置を知ることも大切でしょう。

そこで今回は、年収700万円の割合や手取り、生活レベル、ポイントなどをお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

年収700万円の割合は約4%

まずは年収700万円の全体的な割合をお伝えします。国税庁の平成29年「民間給与実態統計調査」によると、年収700万円台の方は全体の中で4.3%という結果です。これより上の水準は9.3%しかいません。ざっくり、上位1割に準ずる年収水準と言えるでしょう。

ちなみに男女別に言えば、男性は6.3%、女性は1.4%という結果です。それぞれ上には男性で14.2%、女性では2%しかいません。男性でも十分に上位ですが、女性で年収700万円なら確実にトップクラスの水準と言えます。あなたの年収は、いかほどでしょうか?

少なくとも、ほとんどの人にとっては手が届かない水準なのが現実でしょうね。だからこそ目指すべき水準であると同時に、すでに達している方は誇っても良いのではないでしょうか。

サラリーマン感覚での「高水準の年収」?

先ほどの統計は、あくまで民間給与なので、簡単に言えば経営者や自営業者・フリーランス等は含まれません。そして、そういう方なら年収700万円も珍しくない一方、相応にリスクを抱えて仕事をしています。一般的な会社員なら、そもそも対象外の存在かもしれません。

だからこそ、あくまで会社員という基準、サラリーマン感覚では「十分な高水準の年収」と言えるでしょう。一方、どうしても年収700万円を得たいなら、独立するのも手かもしれませんね。

世帯収入として年収700万円なら普通水準?

次は、年収700万円を別角度での大局観でお伝えします。まず、先ほどの国税庁の統計によると、平均年収で700万円を超えている業界は「ライフライン系(747万円)」のみです。具体的には電気・ガス・水道会社になります。なんとも厳しい現実かもしれませんね。

また同調査の「規模別調査」を見ると、平均年収が700万円を超えているのは、従業員数なら「1000人以上」、資本金なら「10億円以上」で、どうにか超えているのが現実です。有名企業や上場企業で、何とか該当する水準でしょうか。入社するだけでも大変でしょうね。

なお、一人で年収700万円を超えている方は極めて少ないですが、世帯年収としてなら350万円×2で達成します。世帯年収として考えるなら、年収700万円も普通水準かもしれません。

独身女性も既婚女性も意識したい水準!

少し余談ですが、生涯を生き抜くのに必要な最低世帯年収は「600万円程度」です。これで子供は一人、常に節約を心掛けて80歳程度まで働く前提で、何とかなります。年収700万円あれば、この水準に多少の余裕を持たせられることになるわけです。

そういう意味で年収700万円は、独身女性も既婚女性も意識してほしい水準と言えます。なるべく男性に頼りたい気持ちはともかく、700万円に足りない分くらいは自分で稼ぐことを考えていきましょう。

年収700万円の手取り額は月収36万円

今度は、年収700万円の手取り額についてお伝えします。結論から言えば、年収700万円の手取り額は、おおむね「540万円程度」です。賞与が年2回、一回あたり1.5ヶ月分と考えれば、月収は36万円程度になります。あなたの月収と比べて、どれほど違うでしょうか?

ちなみに、他の年収と比べると以下の通りです。

  • 年収500万円:手取り月収27万円程度(賞与2回、一回あたり1.5ヶ月分として)
  • 年収700万円:手取り月収36万円程度(賞与2回、一回あたり1.5ヶ月分として)
  • 年収1000万円:手取り月収45万円程度(賞与2回、一回あたり2ヶ月分として)

日本は年収が高いほどに税金(税率)が高くなる「累進課税」制度なので、思った以上に変わらないと感じるかもしれませんね。とは言え、月収が10万円ほど違えば大違いと感じる方も多いでしょう。ひとまず、欲しい月収に合わせた年収を目標にして、これから励んでいって頂けますと幸いです。

一人暮らしなら十分な余裕を感じるかも?

一概には言えませんが一般的な感覚では、手取り月収30万円を超えると相応に余裕を感じられる方が多いと言えます。年収700万円なら、ボーナス一回あたり54万円も入りますから、尚更かもしれません。少なくとも、一人暮らしなら十分な余裕を感じられるでしょう。

もっとも、だからこそ年収700万円は「生活レベルの桁が上がりやすい年収」とも言えてしまいます。たまの贅沢ならともかく、日常的な支出には注意することをプロとしておすすめしたいですね。

年収700万円の生活レベルは高い部類……?

さらに、年収700万円の方の生活レベルについてお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の平成30年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、年収500~750万円の方の貯金額は以下の通りです。

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年収500~750万円の【単身者】の貯金額
  • 中央値…800万円
  • 1500万円以上…36.8%
  • 700万円以上…16.2%
  • 700万円未満…22%
  • 100万円未満…21%
年収500~750万円の【既婚者】の貯金額
  • 中央値…827万円
  • 1500万円以上…31.1%
  • 700万円以上…22.3%
  • 700万円未満…26.6%
  • 100万円未満…15.9%

何となくお気づきでしょうが、実は年収700万円あたりになると、単身でも既婚でも生活レベルが変わりにくくなります。簡単に言えば、年収が高いからこそ贅沢生活する人もいれば、年収は高いけど節約を意識する人もいるというわけです。それが半々くらいと言えるかもしれません。

ひとまず貯金をすると仮定するなら、手取りが36万円ならば、月25~30万円程度を使う方が多いでしょうか。貯金をしないなら……未来を覚悟しておきましょう。

仕事や職業で「時間の価値」が変わる頃

年収が高いほどに金銭的な余裕がある反面、多忙なものです。これは経営者なら当然に、会社員でも変わりません。年収700万円は仕事や職業によるものの、まさにそんな多忙を感じる頃合いと言えます。つまり、様々な「手間を省くサービス」を利用しがちな年収です。タクシー、クリーニング、出前、家政婦……あなたなら、生活のどこを省きますか?

言ってみれば「時間の価値」が変わり、時間をお金で買うようになるため、意外と金銭的にも余裕が少ないことも多いと言えます。「年収が高い」ことへの意外な盲点かもしれません。

年収700万円でも貯金を意識した生活レベルを!

ここからは、年収700万円の場合のポイントをお伝えします。まずは「節約」です。700万円は確かに高水準の年収ですが、無計画に使っても十分に貯まるような年収でもありません。むしろ、相応に高水準の年収だからこそ「過度な安心感」を持ちがちなので注意が必要です。

あなたは、将来的にいくらの貯金があれば大丈夫でしょうか?仮に60歳時点で2000万円必要とすれば、あなたが40歳なら年100万円の貯金が必要です。ボーナス全額を貯金すれば足りますが、さらに貯金が必要ならもっと生活費を削る必要がありますね。

一般的に年収が高いほどに、将来的に必要な貯金額も増える傾向です。気が緩みがちな年収だからこそ、将来的に必要な貯金を意識した生活レベルを保つことをおすすめします。

家賃や子供は少し違えば大幅に変わってくる

目先で気を付けたいのは、やはり「子供と家賃」でしょうか。毎月の負担も大きく、しかも簡単には支出も下げられません。子供は一人違うだけで平均すると月6万円程度も変わりますし、家賃も年収が高いからこそ3~5万円ほど違うことも多いですからね。

2つ合わせれば、それだけで月10万円程度、20年で2000万円程度も違ってきます。先ほどの通り、年収700万円でも2割程度の方は貯金がありません。くれぐれもご注意下さい。

年収700万円は税金の税率が変わる境目!

また「税金」もポイントと言えます。日本の税金は年収が高くなるほどに所得税の税率も高まりますが、その税率の変わり目が約700万円です。具体的には以下の通りになります。

年収と課税所得金額は違いますが、税金を意識しはじめるべき年収という点では変わりません。そして課税所得金額が695万円を超えれば税率が上がりますから、超えないように「節税」も意識すべきとも言えます。会社員でもできる節税は色々ありますからね。

年収700万円でも、会社員なら税金を意識したことがない方も多いので、尚更です。節税は、脱税とは違って国も認めている税金対策ですから、ぜひ積極的に動いていきましょう。

世帯年収700万円でも境目になりがちかも?

先ほどの表で気づいた方もいるでしょうが、税率は330万円でも変わります。そして700万円を世帯年収として夫婦二人で達成している場合、350万円×2ということも多いです。少し節税できれば税率を半分にできるかもしれません。そういう意味でも、やはり年収700万円は一つの境目と言えます。

一番無難な節税方法は「生命保険への加入」ですが、最近では「医療費控除の特例(薬の購入)」でも節税が可能です。ほんの少し下げられれば達成できる方は、ぜひ色々と検討してみましょう。

年収700万円はボーナスカットや減額の始まり?

ここからは、年収700万円の場合の注意点についてお伝えします。まずは「ボーナスカットや年収減額の可能性」には気を付けましょう。そもそも年収700万円とは大手企業に勤めている可能性が高いものの、今は大手でも雇用環境は極めて不安定なのが実情です。

それに、何らかの削減においては「年齢や年収が高い人ほど」対象にされやすく、また削減される量も多いと言えます。とりわけ40歳を超えるとリストラの対象にもされやすいです。今は年収700万円でも、定年まで絶対的に700万円が維持されるわけではないと考えましょう。

なお、仮に転職するとしても、一般的には年収が減る可能性も高いと言えます。また一般的には50歳頃を境に年収が頭打ち、時には役職定年ということもありますから、十分に注意しましょう。

生活レベルは上げるほど簡単に落とせない!

ボーナスカットなど年収下落への対処法は、当初から下がることも見込んだ「生活レベルの維持」が基本です。生活レベルは、上げるのは簡単ですが下げるのは簡単ではありませんからね。どこまで下がるか未知数でしょうが、まずは極力上げないようにすることが大切です。

先ほど触れた通り、なまじ年収700万円とは「生活レベルを上げやすい水準」なので、尚更とも言えます。年収に見合った「計画性」というものを備え、年収が人生の幸せに役立つよう考えて使っていきましょう。

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年収700万円、30代と50代では全然違う!

そして「残りの現役期間」には特に注意すべきと言えます。仮にまだ30代なら20年以上、年収700万円が入ってくる可能性がありますが、50代なら10年も残されていません。どんなに年収が高くても定年を迎えればリセットされます。その後は働けても年収300万円程度が関の山です。

一方、30代なら教育費や住宅ローンなど、まだまだ今後も沢山のお金が必要になります。最近では50代でも教育費などが終わっていないことも多いですが、残額は少額でしょう。仮に終わっているのなら、あとは夫婦の老後資金や介護資金さえ用意できれば十分ということもありますが、足りないことも多いのが現実です。

定年や老後生活というのは、一般的に50歳を過ぎてから考え出すことが多いものの、それでは手遅れということも多いと言えます。未来を見据え、少しでも早いうちから備え始めましょう。

年収が高いほど、定年時の下落幅が大きい!

実のところ年収700万円と年収350万円×2は、同じではありません。税率なども違いますが、一番は「定年時の下落率」です。年収700万円は簡単に年収300万円程度まで落ちますが、年収350万円なら250~300万円程度までしか落ちないことも多いと言えます。

定年時の下落幅を考えると、むしろ年収が高いほど危険なのが実情です。中には年収の低い人を見て安心する人もいますが、年収の高さがアダとなることもありますから、冷静に未来を考えて行動しましょう。

年収700万円の手取り・割合・生活レベルに関するまとめ

筆者の感覚では、年収700万円は現代における「中流階級の中流層」です。つまり「一昔前の普通」かもしれません。ただ、現代の普通レベルは生涯安心していい水準ではなくなっています。他と比べてどうこうではなく、自分の場合はどうかで考え、未来を見据えながら幸せな人生を追求していきましょう。

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