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すぐに寝落ちするのは「睡眠負債」を抱えている証拠?【ヨガと睡眠#12】

  • 2019.9.19
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「睡眠負債」を抱えていませんか?

「睡眠負債」という言葉を聞いたことがありますか? 睡眠負債とは、睡眠不足がまるで借金のように積み重なって、あらゆる心身の不調を引き起こす状態のこと。最近よく耳にするようになったこの言葉ですが、日本は睡眠負債大国と呼ばれているほど、私たちの国では睡眠不足が深刻な問題となっています。

睡眠負債の怖いところは、「睡眠不足である」という自覚がない点にあるといいます。日中眠気があったり、ベッドに入るとすぐ眠りに落ちてしまったりすることがあるなら、自覚がないうちに睡眠負債予備軍になっている可能性も。

最適な睡眠時間には個人差があるものの、大多数の人は6.5時間から7.5時間の範囲内に収まります。しかしながら、平成29年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の平均睡眠時間は6時間未満がなんと4割!本当は7時間の睡眠が適切という人が、普段の睡眠時間が5時間だとすると、そのマイナス2時間が睡眠負債として日々蓄積していくことになります。仕事の生産性が下がっていたり、何となくの不調が続いたり、眠気が抜けなかったり。生活の中で何らかの不調を感じていて、睡眠負債を抱えているかも?と思われたのなら、日々の睡眠を一度見直してみましょう。今回の【ヨガと睡眠】では、睡眠負債の目安となる「寝落ち」をテーマに、ヨガニードラの練習についても触れていきます。

寝落ちするのは睡眠負債のサイン?!

「寝落ちする」と聞くと、寝つきがよくて健康的な証拠だと誤解していませんか?しかし、いつも寝落ちをしてしまう!というのは、睡眠負債を抱えている一つのサインとも取れます。一般的に睡眠負債がない状態では、15分ほどまどろんだ状態の後に深い眠りが訪れます。すぐさま寝落ちをしてしまいまどろみの時間がないのは、健康的な睡眠状態であるとは言えないのです。

スマホを見ながら寝落ちしてしまう!という話もよく聞きますが、これは要注意です。スマホを操作する行為は本来、脳を覚醒させるもの。それにも関わらず寝落ちしてしまうのは、よほど大きな睡眠負債を抱えている可能性も。ちなみに少し話が反れますが、寝る前のスマホの操作は脳を覚醒させるだけでなく、ブルーライトによりメラトニンという眠気を引き起こすホルモンの分泌を抑制してしまいます。睡眠の質を上げたい方は、寝る前のスマホ操作は控えた方が良いでしょう。
また、電車やバス、デスクで寝落ちしてしまう場合も同様です。本来寝るべき場所でないところで眠気に襲われるのであれば、睡眠負債を抱えている状態なのかも知れません。

私は、ヨガニードラ(眠りのヨガ)の講座やクラスを開催していますが、ヨガニードラのクラスでは「なるべく眠りに落ちないように」と指示します。ヨガニードラは、まどろみ状態を保つヨガの練習方法でもあるからです。眠らないように、という指示があっても実際は、すぐに寝落ちしてしまう方がとても多い。傾向としては、普段アクティブで疲れをみせない元気なタイプの方に寝落ちが多いように思います。そのように元気に見える方に、「寝不足ではないですか?」と質問してみると、「寝不足ではないです」と回答されることがほとんどです。このように、本当は寝不足で睡眠負債を抱えているのに、その状態に気が付いていないということも多いようです。ベッドに入ってすぐさま寝落ちする方はぜひ、寝不足でないと思っていたとしても、日々の睡眠を一度見直してみて下さい。

「まどろみ時間」の恩恵を受けましょう

睡眠負債においての寝落ちの危険性を理解されても、寝落ちすること自体は悪くないと思われる方がいらっしゃるかも知れません。しかし「まどろみ時間」は、私たちが心身を健やかに保つために必要な時間でもあるのです。特に、ストレスや心の疲労を取り除く役割を多く担っているのが、この「まどろみ時間」の特徴です。

この状態はよく、脳波によって説明されます。私たちの脳波は、思考が活発に働いている状態では、速い速度で動いています。また反対に、熟睡中はとてもゆっくりとした速度になります。そして、「まどろみ時間」に出現する脳波は、この間に位置する、早くも遅くもない速度の脳波(主にアルファ波)です。

この「まどろみ時間」の脳波=アルファ波は、ストレス軽減に重要な役割を果たしています。そして、脳の活性化を促して身体の免疫力を高め、病気を予防する効果も確認されています。寝落ちタイプの方は、この恩恵が得られていない…と考えると勿体ない気持ちになりませんか?そんな方にはぜひ、意識的に「まどろみ時間」を体感されることをオススメします。

ヨガを実践されている方は、ヨガニードラや瞑想の練習をしましょう。ヨガニードラや瞑想の練習中には、アルファ波が多く出現することが確認されています。眠る前に、ヨガニードラのガイダンスを聞きながら、少しの時間「落ちない」練習をしてみるのも良いでしょう。睡眠負債を抱えていると感じる方も、睡眠時間を確保する工夫と共に、ぜひヨガの練習で「まどろみ時間」の恩恵を受けて下さい。今夜、皆さまがゆったりと眠れるように祈っています。

ライター/井上敦子
ヨガ講師。15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。不眠症をヨガで克服した経験を持つ。リラックスが苦手だった経験から、ヨガニードラを通じてリラックスの本質を伝えるクラスを展開。週に8本のヨガニードラのレギュラークラスを持つ他、指導者養成講座やコラム執筆、アプリ監修(Relook)等ヨガニードラの普及に努めている。Instagram:@yoga_atsuko.inoue

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