再ブレイクの裏にはこんなエピソードが!人気アーティストたちの深イイ話

こんばんは。アートテラーのとに~です。 日中はまだ残暑が厳しいですが、夜はすっかり秋めいてきましたね。いよいよ、芸術の秋本番。季節関係なく美術館に足を運んでいる人も、普段は美術館から足が遠ざかっている人も、そろそろ今年の秋のアートライフを計画してみてはいかがでしょうか。

さてさて、今回取り上げるのはひつじんさん(IT関連企業事務)からのご質問です。 「美術館が好きでよく行くのですが、画家の方は亡くなってから初めて有名になった人もいるというくらい、世間に認められるまで時間がかかるイメージがあります。そこで、有名な画家がどういうきっかけで世に知れ渡るようになったのかという面白いエピソードがあれば教えてください」
今でこそ日本人に大人気のフェルメールや伊藤若冲ですが、知名度が高まったのは2000年以降の話。それ以前は美術ファンの間でも、ほぼその名は知られていない状態だったそうです。
有名無名の評価は、時代に合わせてコロコロと変わっていくもの。今僕らにとっては有名なアーティストが、この先も有名であるとは限らないのです。そこで今回は、美術界の再ブレイクのエピソードの数々をご紹介いたします。

世界を変えた天才が愛したのは・・・

ミュージシャン、スポーツ選手、俳優・・・日本人は海外で評価された日本人を敬いがちな傾向があります。いわゆる、“逆輸入”というヤツです。それは、美術の世界においても変わりません。
伊藤若冲がブレイクしたのも、外国人の日本美術コレクターらの評価があったからこそです。伊藤若冲に続けとばかりに、近年では河鍋暁斎、渡辺省亭、吉田博といった画家が逆輸入タイプのプチブレイクを果たしています。

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川瀬巴水《芝増上寺》

大正から昭和にかけて活躍した木版画家・川瀬巴水(1883~1957)もその一人。風景を得意としたことから、『昭和の広重』とも称されています。日本全国を旅した巴水は、その生涯で600点以上もの作品を残しています。

死後しばらくは、知る人ぞ知る存在となっていましたが、ここ数年再評価の機運が高まっています。きっかけとなったのは、巴水を特集した某美術番組。そのなかで、こんなエピソードが紹介されたのです。

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Licensed by Getty Images

今から30数年前。とある銀座の画廊にやってきた1人の若いアメリカ人男性。彼は、巴水の版画を気に入り、1枚購入しました。
後日、彼の秘書から画廊に連絡が入ります。「巴水の絵をすべて買いたい」とのこと。その人物こそ、アップルの創始者スティーブ・ジョブズでした。
このエピソードのおかげで、巴水の人気は急上昇。今では巴水を紹介する際の鉄板ネタとなっています。

蘇るTAROイズム

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©GINGERweb

バラエティ番組にも度々出演し、お茶の間の人気者だった岡本太郎。しかし、晩年は体調不良のためテレビの露出は激減。さらに、「作品を売らない」主義を貫き、作品のほとんどを手もとに残していたため、死後は展覧会が開催される機会がなくなりました。それゆえ、世間一般の人たちから、急速に岡本太郎の存在は忘れ去られていきました。

そんな太郎を再生させるべく尽力したのが、秘書で養女の岡本敏子さんです。彼女は、表参道にあった太郎のアトリエを改装して岡本太郎記念館を開館させます。記念館では、自らギャラリートークをして太郎芸術を広めることに努めました。
その活動が実を結び、絶版となっていた太郎の書籍の数々が復刊。特に『自分の中に毒をもて』などの太郎の言葉集が多くの若者の心に響き、太郎の生き方や精神、いわゆる“TAROイズム”を自分たちの生きる指標としたのだそう。意外にも、岡本太郎再ブレイクのきっかけは彼の絵画や立体作品ではなく、彼の言葉だったのですね。

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岡本太郎美術館

そして、生前の岡本太郎から2000点におよぶ主要作品の寄贈を受けていたことから、1999年に川崎市に「岡本太郎美術館」が開館しました。主要な作品を美術館で見ることができるようになったことで、さらに岡本太郎ブームは加速し、今に至るのです。

現在、岡本太郎美術館では《岡本太郎美術館20周年記念展 これまでの企画展みんな見せます!前期/岡本太郎・縄文から現代へ》が開催されていますので、こちらもぜひチェックしてみてください!
http://www.taromuseum.jp/exhibition.html

ブームの火付け役は岡本太郎!?

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さてさて、そんな岡本太郎自身がブームの火付け役となったものがあります。それは、“縄文の美”。

太郎は、1951年に東京国立博物館で開催された《日本古代文化展》で、縄文土器と出会います。そして、「縄文土器の造形は世界に比類のない凄みと造形感覚を持つものである!」と感銘を受け、翌年に『四次元との対話 縄文土器論』を発表したのです。


当時、縄文土器は考古学的な価値は認められていたものの、文化や美術の観点で評価はされていませんでした。初めて岡本太郎が文化や美術の観点で縄文土器を論じたことがひとつの契機となり“日本文化の始まりは弥生時代から”という定説が“日本文化の始まりは縄文時代から”に変わったのです。

ちなみに、太郎は火焔土器については論文に書いてはいませんが、敏子さんにはこんなことを話していたのだとか。「火焔型土器は焔の形ではなく、あれは深海のイメージを形作ったものだよ」と。
そう言われれば、上のほうは荒れ狂う海に、下のほうは海流のようにも見えてきました。

皆さまからの質問大募集!

「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
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