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レチノールを使うなら知っておきたい、3つのこと

  • 2019.9.11
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2018年、美容業界で世界的に注目された成分といえば「レチノール」。

このビタミンA誘導体は、毛穴を引き締め、ニキビと小じわを減らし、細胞のターンオーバーを加速させ、肌に輝きを与える “万能の若返り成分” として人気を博した。ただし、「レチノール」をスキンケアに取り入れるなら、正しい使い方を心得ておくべき。その内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

レチノールの使い方に気を付けるべき理由

2019年に入ってから発売されたレチノール配合の化粧品は、高価なものから安価なものまで多岐に及ぶ。

「ここ2~3年にわたり、スキンケアの専門家やエディターはレチノールの強力な効果を主張してきました」と話すのは、スキンケアブランド『SkinSense』の設立者で日焼け止めブランド『Ultrasun UK』のマネージングディレクターを務めるアビ・クリーヴ。

「その効果の秘密は、レチノールの作用メカニズムにあります。ビタミンAは皮膚を効果的に刺激して活発にするので、肌にやさしく保湿力が高い商品よりも強力なのです」

しかし、強力であるがゆえに、レチノールを使い始めると肌が赤くなったりカサカサしたりする人もいるのも事実。

「有効成分で肌を元気にするというよりむしろ、その仕事を肌自身にやらせるのがレチノールです」とクリーヴは説明する。

でも、刺激的な広告にそそのかされて、レチノールを塗りたくるのはまだ早い。

レチノールの正しい使い方は若干複雑なので、時間をかけて理解するべき。

新米ユーザーなら、クリーヴがよく見かける3つの過ちに気を付けて。

レチノールを使う上で避けるべき3つの過ち

1.最初から高濃度のレチノールを使っている

市場には、異なる濃度のレチノール製品が出回っている。イギリスの場合、市販のレチノールの最高濃度は2%(それ以上は病院でしかもらえない)。

でも、クリーヴは、特にレチノール初心者が超高濃度のレチノールを使うことに懸念を示す。

「濃度が少なくとも0.1%あれば、レチノールは肌に作用します。私の経験上、効果を発揮しつつも肌が炎症を起こさないレチノールの濃度は0.1~0.3%です」

濃度が1%だと?「有効成分の濃度がとても高いので、肌がショックを受けるでしょうね」

「本来レチノールを使うのは、肌が自力で元気になるのを助けるためです。でも、レチノールを使いすぎると、逆に肌を傷つけてしまいます」と警告するクリーヴは、自身のブランド『SkinSense』から0.3%のレチノール美容液を発売している。

とはいえ、これが全員に起こるとは限らない。「皮膚が強い人は大丈夫かもしれません。でも、レチノールを使い始めて最初の数週間は、肌の赤みや部分的なカサつきが見られるのは仕方ないと我慢している女性は多くいます。これには賛成できません」

クリーヴいわく「どんな肌ダメージも避けられるなら避けるべき」。さもないと、肌に大きな負担をかけることになる。

汚染物質、紫外線、ブルーライトを避けながらレチノールの刺激に対処するよう肌を強いれば、その時点でするべきことをする肌の能力が低下して、本来の目的(輝きのある若々しい肌)が達成できなくなってしまう。

高濃度のレチノールには、大抵「用法に従って使う(豆粒程度の量を週2~3回使う)ように」と記載されている。でも、「スキンケア商品の使用方法を読まない人は多いですから」とクリーヴは懸念する。

「効果が現れると、量を増やしたくなりますしね」

要するに、最初は低濃度(0.3%程度)のレチノールを選ぶことが大切。それに肌が持ちこたえ、いまいち結果が出ない場合は、濃度を上げてみるといい。

2.レチノールを使うには若すぎる

あちこちで噂を耳にし、若いうちからレチノールを大量に使ってしまうのは仕方ない。でも、クリーヴは20代のユーザーに注意を促す。

「20代では肌を保湿し、紫外線と汚染物質から守るだけで十分です」

「30代に入ると、老化のサインが出てくるかもしれません。でも、私はレチノールを40歳以上向けのアイテムと考えています」

3.日光の影響を無視している

紫外線とレチノールは仲が悪い。クリーヴによると、紫外線A波は皮膚上のレチノールを破壊する。

「だからレチノールを日中に使う意味はありません。30分も日差しを浴びれば、効果はなくなりますからね」

「レチノールの刺激によって、肌は自分を元気にする細胞を一生懸命働かせます。つまり肌は、その仕事で手一杯。肌が一度にできることは限られています。これは体がストレスを感じたときの反応に似ています」

「突然大きなプレッシャーを感じると、体内でコルチゾールとアドレナリンが分泌されて、私たちは “戦うか逃げるか” の選択をします。でも、その間は体に必要な他のホルモンが分泌されません」

「レチノールが塗られた肌は、そのレチノールに反応する(コラーゲンを合成して保湿する)のが最優先の仕事と考えます」

よって日光から身を守るのは二の次となり、紫外線ダメージに対する肌のガード力が低下する。

ではどうすればいいのか? レチノールを使うのは夜だけにして、日中はSPF30以上の日焼け止めを塗ろう。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Claudia Canavan Translation: Ai Igamoto

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