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容姿のコンプレックスを克服して幸せになる方法【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2019.8.21
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容姿のコンプレックスとひと口に言っても、さまざまですよね。たとえば一重瞼がコンプレックスの場合は……プチ整形をする人が多いらしいじゃないですか。

あるいは、二の腕が太いのがコンプレックスの場合は……気にすることないと思います。なぜなら、二の腕が太いか細いかなんて、男はそんなとこを見ていないからです。「男のことは関係ないの! 男にどう思われようと、とにかくわたしは二の腕が太いことがコンプレックスなの!」という女子は、二の腕ダイエットをするしかないでしょう。布団の上げ下ろしを毎日やると二の腕がシュッとすると、以前ものの本で読んだことがあります。

さて、さまざまなコンプレックスがあると思いますが、そのへんをまるっと一般化したうえで、容姿のコンプレックスを克服して幸せになる方法とは?

「選べなさ」を認めるから幸せになれる

容姿の問題って、ホントにデリケートですよね。そのへんのデリケートさを知っているのが、美容クリニックの先生だったりするので、どうしても自分の容姿が気になってしかたない人は、一度美容クリニックに相談に行かれるといいのではないかと思います。物事なんでも、専門家に相談するのが一番です。

では、そこまでやるほどでもないけど、なんとなく悩んでいるという場合はどうすればいいのでしょうか?

この問いには、ある哲学者の考えを答えとしてご紹介しましょう。

容姿って、ほぼ持って生まれたものですよね。あなたが「低い鼻をください」と誰かにお願いしたわけではないのに、物心ついたときから私の鼻は低くて、それがコンプレックスだ(で、美容クリニックでどうにかしたいわけではないが克服したい)ということですよね。

持って生まれたものが持つ「選べなさ」を認め、受け入れることでしか、人は幸せになれない――このようなことを、キルケゴールという哲学者が言っています。

「別の人間になりたい」と思うから、人はコンプレックスを抱く

彼も、容姿にコンプレックスを抱いていたらしいです(諸説ある)。彼はまた、いわゆる毒親との関係に悩み、さらに、世間と馴染めない「馴染めなさ」にコンプレックスを抱いていました。コンプレックスを抱いたまま、彼は36歳になります。

36歳のある日、彼は「持って生まれた性格や容姿は変えようがない! 『別の人間』になりたいと思うから、人は絶望するのだ!」と思うに至ります。そこから、彼の「本当の」人生が始まるんですね。

一般論として、容姿にコンプレックスを抱くというのは、別の人間になりたい、ということです。鼻の例ばかり出して申し訳ないですが、鼻が低いことにコンプレックスを抱いていて、鼻を高くしたと思うというのは、つまり、別の人間になりたいと思っているということでしょう? そこに不幸がある、そこに絶望が巣づくっている、と、キルケゴール哲学は私たちに教えています。

経験が容姿のコンプレックスを克服させてくれる

では、どうすれば、別の人間になりたいという思いを捨て去ることができるのか?

これについて、彼はなにも書き残していません(哲学者って、肝心のハウツーをわりとよく書いていない)。

彼が書き残したものを総合的に捉え、僕独自の解釈をするなら、彼は、偶然にも、奇跡的にも、36歳のある日「俺、別の人間になんかならなくてもいいや、コンプレックスをコンプレックスとして背負って、俺はこのまま生きていくのが一番しっくりくるわ」と思いました。

つまり、36年間のさまざまな経験が(なにかに挑戦し、失敗し、悩み、苦しんだことが)、結果的に、彼に自分に対する自信を持たせてくれた、ということです。

なにかに挑戦し、失敗し、悩み、苦しむ中で、自然と育まれるものを自信と呼ぶと、かの有名は養老孟司氏は言います。

あなたの身にも、偶然かつ奇跡的に「私の低い鼻は低いままでいいや。このまま生きていくのが自分にとって最もしっくりくる」と思える瞬間が訪れるのか、訪れないのか? こればかりは誰にもわかりません。

でもしかし、奇跡的に眼前が開け、自分の過去・現在・未来を一瞬にしてバーっと見通せる瞬間を夢見つつ、日々、さまざまな活動を通して経験値を増やすことは可能ですよね。

経験が容姿のコンプレックスを克服させてくれる――これが今回の答えです。

※1つ、みなさんにお尋ねしたいことがあります。心理学より、こうやって哲学をかみ砕いてわかりやすく紹介してくれた方が読みやすいし、自分のためになる、と思われる方って、どれくらいおられますか? お返事してもいいよ、という方は、お返事をください。お待ちしています。

(ひとみしょう/作家)

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