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広重、北斎、歌麿など200点が大阪に集合! 米国女性が愛した浮世絵の名品が初めて里帰りした展覧会が開催

  • 2019.8.9
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8月10日(土)から9月29日(日)の間、大阪・天王寺の大阪市立美術館で特別展「オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵 メアリー・エインズワース 浮世絵コレクション—初期浮世絵から北斎・広重まで」が開催される。これはアメリカでも早くから浮世絵のコレクションを始めた女性、メアリー・エインズワースのコレクションの内200点を展示するもの。巡回展で千葉、静岡での開催に続き、大阪は3館目となる。

これは絵暦と呼ばれるもので、絵の中に大小の月が描き込まれている

展示の最初を飾るのは、エインズワースが来日して初めて買い求めた作品。当代一の人気を誇った若衆方・佐野川市松を描く
KADOKAWA

メアリー・エインズワースは1906年に来日して浮世絵に魅了され、収集を始めたが、日本でも昭和初期には、フェノロサやゴンクール、バーナード・リーチなどと著名人と共に女性コレクターとして知られていた。コレクションはその死後約1500点以上が母校のアメリカ・オハイオ州にあるオーバリン大学のアレン・メモリアル美術館に寄贈されている。今回はその中から厳選した200点が日本に里帰りした。

コレクションは初期浮世絵から北斎や広重など著名な作品まで網羅されており、今回は初期浮世絵から年代を追って5章に分けて展示されている。いずれも状態がよく、退色なども少ないので浮世絵本来の美しさをじっくりと堪能できる。

これは絵暦と呼ばれるもので、絵の中に大小の月が描き込まれている
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第1章「浮世絵の黎明」では菱川師宣などの初期浮世絵を展示。最初は黒一色の墨摺絵(すみずりえ)の版画から始まり、やがて筆で彩色されるようになった。その後、膠に墨を混ぜて摺る漆絵などが登場する。

時代が下ると、少しずつ版で色が付くようになってくる。このころはまだ紅や緑が中心だが、のちの錦絵の萌芽を感じさせる
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2章ではさらに進化を遂げ、版による彩色が行われるようになった時代の作品を展示。その第一人者、鈴木春信の美人画なども展示される。

次第に技巧が発達し、版で白い部分に凹凸を付けるなど、凝った細工が見られるようになる。こういった点もぜひ生で見てほしい
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3章はいよいよ浮世絵の黄金期へ。7枚綴りの大作は喜多川歌麿の「見立唐人行列」
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第3章では美しい多色刷りの錦絵が一般的になった時代の作品を展示。一世を風靡した鳥居清長の美人画などが美しい。そのほか、喜多川歌麿や東洲斎写楽などの作品にも注目だ。

4章の最初で出迎えてくれるのは北斎の富嶽三十六景 凱風快晴(赤富士)と富嶽三十六景 山下白雨(黒富士)、状態もよく、迫力すら感じさせる
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時代が下ると人物画が中心だった浮世絵に風景画の時代が訪れる。4章では葛飾北斎や歌川国芳などの作品が登場する。(笑)の最初に出迎えてくれるのは北斎の赤富士と黒富士。こちらも保存状態がよく、もとの作品の美しさを充分に感じ取ることができるだろう。また、歌川国芳は武者絵や戯画などがよく知られているが、エインズワースは彼の風景画を中心に収集した。ある意味女性らしさを感じさせるコレクションでもある。

人気の歌川国芳の風景画も多数展示されている
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最終章はエインズワースが愛した安藤広重がずらりと並ぶ。時代が新しいこともあり、保存状態もよく、細やかな描き込みまでしっかりと鑑賞できる
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最終章は安藤広重作品のオンパレード。エインズワースのコレクションの大半を占める浩重の作品は東海道五拾三次の内や名所江戸百景など、なじみ深い作品が多数展示されている。こちらも保存状態が良好で、見ごたえたっぷり。最後まで浮世絵の魅力をたっぷり堪能できる展示だ。その精緻な美しさを、ぜひそばで見てみたい。

絵葉書やクリアファイルなどの浮世絵グッズも販売
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■特別展「オーバリン大学アレン・メモリアル美術館所蔵 メアリー・エインズワース 浮世絵コレクション—初期浮世絵から北斎・広重まで」会場:大阪市立美術館、住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82、期間:8月10日(土)〜9月29日(日)、時間:9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)、休み:月曜日(祝休日の場合翌火曜日休館、ただし8月13日は開館)、料金:一般1400円、高大生1000円(いずれも当日)(関西ウォーカー・鳴川和代)

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